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tata の 生まれた日

予定日を6日過ぎていた。予定日の10日前から崇さんは仕事を休んでくれていて2人で毎日その日を待ってた。

その日は大きなイベントの日だった。商店街を支えてきた方々がたくさんいて、崇さんを支えて作ってきた方たちが集まるイベントだった。

その日は朝から会議室にこもって本の発送の準備やイベントの準備を2人でしていた。このイベントは崇さんにとっても、商店街の人にとっても、本当に特別で大切な時間だったと思う。

イベントは満席。講演もパーティもうまくいった。崇さんを支えてきた人達が崇さんをお祝いする、とっても温かくて素敵な時間に見えた。イベントの片付けが終わって23時過ぎ。気長に待とうと2人で言っていた矢先にその時が来た。

トイレに行った時に気がついた少量の破水の可能性。1度家に帰り、不安で涙が出る。病院に電話する。破水の可能性があると言われ、病院にいく用意をする。吉田さんが迎えに来てくれる。3人で高速に乗って病院に向かった。

2時。分娩室に通され、診察。試験紙では破水と診断されず、再度診察。破水と診断された。子宮口3センチ。陣痛室に移動する。

6時。本陣痛開始。5分間隔で腹痛の陣痛。

陣痛は腹痛の陣痛から、腰の陣痛に変わる。崇さんに腰をさすってもらう。食事が到着するけど食べられない。途中、痛みで気持ち悪くなって嘔吐する。腰の痛みからお尻の陣痛に変わる。子宮口9センチ。陣痛が痛すぎて痛みの記憶が薄い。

19時。子宮口10センチ。分娩室に移動する。

20時。3026gの男の子が生まれた。18時間の痛みが一瞬でわからなくなった。わたしも崇さんも涙が出た。


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