息をするように贈りものを
贈り物をするという習慣が私の生活の一部になったのはいつからだろう。
別に高価なプレゼントに贈るというわけではない。それどころか、頻繁に贈り物をするようになってからというもの、プレゼントだからと言って何万円もするようなものを買うことは殆ど無くなった。その分増えたのは日常のほんの些細な、何でもない日の何でも無いもの。例えばアールヌーボーのパッケージに菫の絵が描かれたイタリアの昔ながらのラムネだとか、町のはずれにひっそり佇む喫茶店の洒落たマッチ箱、ミニチュアサイズの香水、それから