見出し画像

「よねさんはそのままイヤな感じでいいから」

2024年4月20日
 先の日記に、
「もしもわれわれが彼の自尊心を増せば、勇気は自ずとやってくるだろう」(『子どものライフスタイル』)
というアドラーの言葉を引用したが、子どもは課題に取り組まないためにあえて自分には価値がないと思おうとして自尊心を増すことは簡単ではない。あなたってイヤな人ねと、実際には面と向かっていわれることはないかもしれないが、人からそういわれたら落ち込むだろう。でも、やはりそうなのだと、そのようにいわれたことに納得し、自分についての評価を低くする根拠にしてしまう。
 反対に、あなたっていい人ねといわれたら舞い上がるような気持ちになるかもしれないが、他者の評価が自分の価値を高めるわけではない。人からほめられたら自己評価を高める人がいるとすれば、そのような人も他者の評価を気にしているのである。
 自分の価値は自分で認めることができなければならない。それができれば勇気は「自ずと」やってくるが、自分の価値を自分で認めるのは容易ではない。
 NHKの朝ドラ『虎に翼』で、寅子がよねに「よねさんはそのままイヤな感じでいいから」と語る場面があった。いつも突っ張っているよねは、自分でもそんな態度を取る自分を好きではなかったであろうと想像するが、こんなふうにいわれたことは彼女にとって重大な転機になったかもしれない。
 今週も瞬く間に終わった気がする。原稿を書く以外の仕事としては、NHKのラジオ番組の収録をした。二十五分のコーナーなのに一時間も話した。編集は大変だろう。
 二十二日に西の湖に行ってきた。今週は黄砂がひどくて出かけられない日もあったが、努めて外出した。西湖はまだ桜が残っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?