2022_0312_本読み

3月12日(土)は以下を読みました。

山崎
振仮名ふりがな歴史れきし』今野真二 著
集英社、2006年刊
第二章 平安時代から室町時代までの振仮名
第一節 振仮名の起源

まず『日本書紀』(720年成立)。ここでは東洋文庫蔵岩崎本から引用していました。
日本書紀は(なんと!)中国語で書かれていて、それに振仮名や訓点をつけ、日本語で読めるようにしています。

つぎに『類 聚 名義抄るいじゅみょうぎしょう』。これは12世紀から13世紀にかけて成立した漢字辞典。

これらにより、ひとつの漢字に多数の訓読みがあり、逆にひとつの和語にも多数の漢字が対応していた様子がわかりました。

現代の常用漢字表では「達」という漢字には訓読みはなく、音読み「タツ」があるだけ。『類聚名義抄』では、14種もの訓が載っている、という例にはとても驚きました。





きよもとさん
『俳句と地球物理 』寺田寅彦 著
解説「五十の木登り」南伸坊

きよもとさんは、牛頓ニュートン先生俳句集、を残して、まずは解説を読んでくださいました。(牛頓、は寺田寅彦の俳号。ニュートンの中国語表記をそのまま俳号にしてるわけなのですが、どんなニュアンスだったんでしょう。)

解説の筆者の伸坊さんは、俳句をやらないので、その部分はざっと読んだ、とのこと。
そして、寺田寅彦の文章との出会いについて、縁があった様子がつらつらと書いてあったのですが、我々(山崎たち)も、出会ってしまってるわけだなぁ、と、共感しました。

牛頓ニュートン先生俳句集、が楽しみです。





めいさん
『学問のすゝめ』
福沢諭吉 著、岩波文庫、
四編 学者の職分を論ず

政府も人民も、どちらもダメ、が続きます。
よかれと思ってこうすればこうなってしまい、だめ、ということを繰り返し述べていました。

まだ全体の1/4に行かないくらいなので、きっとこれからか解決策が示されるのではないか、と思います。





はやしさん
『ランカ にほんにやってきたおんなのこ』
野呂きくえ 文、松成真理子 絵
偕成社

とある外国出身のおんなの子が、日本にお引っ越し。その小学校生活の最初のひとこまを描いた絵本でした。
どこの国の子なんだろう?と思い、検索しましたが、著者インタビューを発見。

著者は日本語の先生なんですね。
さまざまな国のこどもに取材した結果の物語ですし、どの国の子にも共感してもらえるように、あえて国を特定しなかった、とのことでした。
なるほど。





山崎
『芭蕉連句集』岩波文庫
二九 おきふしの(繋橋)99〜101ページ

〈 いさめても美女を愛する国有りて   素英
     べにおしろいの市の争ひ      曾良
  秀句には秋の千種のさまざまに      芭蕉 〉

この〈秀句〉の注は、ひとこと〈しゃれ〉とだけ。

どういうこと?と他の本を見たり、検索したり。

『芭蕉の人情句:付句の世界』(宮脇真彦 著、角川学芸出版)に、わかりやすい説明を発見しました。

女たちが、紅、白粉を争って買い求め、けんを競う様子を、もしも秀句(美しい、やんごとなき句、ということだと思います)に詠んだならば、さまざまに咲く秋の花に例えて詠まれるだろう、というしゃれ、というふうに、やっと、山崎は理解しました。

連想、置き換え、見立て、みたいなことで連句は進んでいくんだな、と改めて思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?