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ドールズ 《13》

 翌日、博士の了解をとりつけて、アベルの記憶は改ざんされたとおりの記憶で上書きされた。記憶バンクネットワークシステムは、子ども本人のプライバシーに配慮され、親はどんな記憶が毎日上書きされているのかをチェックはできないようになっている。ただし、今回はどんな記憶が挿入されたのか、隊員全員が知っていた。

 記憶が同期されるとすぐに、グレンはとっても仲の良い友達なんだよ、と話し始めたアベルの様子を、隊員達は興味深そうに眺めた。アベルはつたない話力で、こないだはこんなことして遊んだんだ、こんなお話しをしてくれたんだ、と屈託なく話す。前回と同じ変装をしたレイチェルの手を握り、じゃあ、遊びに行ってくるね、とみなに笑いかけた。

 専用ポッドで移動したあとに共有ポッドに乗り換え、裏口から偽の住居を通り、そこから児童保育施設に向かう。向かっている途中でも、アベルはレイチェルに話しかけ続ける。このくらいの歳の子は、みんなそうなんだろうか。レイチェルは落ち着きのないアベルをときどきたしなめながら、キワはどうだっただろう、と思い返した。

 施設ではあまりはしゃいだりしなかった。ノーマのもとにいたときの方がずっと笑っていた。ただ、記憶が遠すぎてあまりよく思い出せなかった。キワも覚えていないだろう。

 それにしても、本当にこれはドールなんだろうか。レイチェルはつくづくアベルを見た。人間がプログラムできるパターンを大きく越えた表現力の豊かさに、実在する人間の脳から丸ごと記憶を取り出したということがどれほどすごいことなのかを思い知らされる。

 ただ……この子はこのままこの年齢から成長しない。親にとっても、亡くなった子どもの思い出だけを残すドールとしてなら価値もあろうが、一生この年齢のままというのは、軽い絶望を感じはしないだろうか。

 法も、成長しない存在を人として認めることができるのだろうか。

 施設に近づくと、場所の記憶が繋がったのか、アベルは

「あっ、ついたね!」

 と嬉しそうに話した。端から見ると本当に普通の子どもに見える。ただちょっと、肌質が異質なだけ。器官保護装置が当たり前になってからはかなり普通に見られるようになってきたとはいえ、その作り物の肌は少しだけ接するものに戸惑いを与える。

 前回と同じようにインターフォンを押して中に入ると、前回とは違う、女性の職員が出迎えた。前回と同じようにIDで照合し、確認事項を念押しすると、また笑顔でアベルを預かった。レイチェルも前回と同じようにアベルを預け、施設を出る。今度も同じように医療区画に向かい、医院で過ごしたあとにまた施設に迎えに行くことになっていた。

 前回と同じようにアベル視点での映像をリアルタイムでモニタリングしていると、今回は、記憶が植え付けられているアベルが積極的にグレンに遊ぼうと呼びかける様子が見てとれた。グレンは年上らしく振る舞い、年齢で言うと五歳相当のアベルを上手に誘導して一緒に遊んでいるのが確認できた。

 レイチェルが時間通りに迎えに行くと、アベルと一緒にグレンが出てきた。

「僕も帰るね。迎えは今日は来られないんだって」

 そう自分で職員に告げる。職員はまずレイチェルをIDで確認したあと、グレンのIDもチェックして送り出した。アベルの手を引いて施設を出ると、グレンがレイチェルに話しかけてきた。

「ねえ、僕、アベル君と仲良くなったんですけど、もうちょっと遊びたいんです。おうちに遊びに行っても良いかな?」

 レイチェルは立ち止まって、困惑した顔を作った。その間にデリックに確認する。

『ターゲットから接触がありました』

『映像を見ている。話を続けろ』

 レイチェルはゆっくりと言葉を選びながら話す。

「アベルと仲良くなってくれてありがとう。でも、急によそのおうちに行ったらあなたのお父様とお母様は心配するんじゃないかしら?」

 グレンは、顎に手を当ててうーん、と考え込む。

「父と母は、仕事で忙しいので。今日は僕が早く出てきちゃったから、ちょっとくらいなら大丈夫。あと、迎えに来てくれるおじいちゃんには一応言っておくし。ダメかな?」

「そうね……」

 偽の自宅に誘導しても良いか素早く連絡を取る。

「分かったわ。アベルにお友達ができて嬉しいし」

 確認が取れたので、レイチェルはそう言ってにっこり微笑んだ。ゆっくり移動する間に、偽の自宅についてはなんとか隊員が整えてくれることになっている。グレンの視覚映像を確認しながら本部からは細かく指示が出続けていた。

「でも、夕方から今度はこの子の検査に行かなくちゃいけないの。だから一時間くらいでいいかしら。お父様とお母様に心配かけてもいけないし」

 付け加えたレイチェルに対して、グレンは良かった、と破顔した。なんて綺麗な笑顔だろう。レイチェルは一瞬はっとする。この笑顔で頼まれて、嫌だという人はなかなかいないだろうな、とも思った。

 三人で自宅に向かう。アベルはグレンのことがとても好きな様子で、ポッドの中でもずっとはしゃいでいた。グレンはアベルのことが可愛くて仕方がない、といった様子で相手をしている。おそらく、周りから見ると男の子の兄弟を連れた若い母親に見えるのだろう。グレンの顔立ちの良さからか、周りの視線も微笑ましく柔らかく感じた。

 子どもがいるというのはこんな感じなのかもな。レイチェルは一瞬そんなことを考えた。

 自宅に入ると、少しだけ小さな家電の位置が変わっていて、レイチェルが置きっ放しにしていた変装用の道具などは全て片付けられていた。

「ちょっと散らかっていてごめんね。遊んでいて。あなたは……ええと、お名前は?」

 聞きながら、我ながら間抜けな質問だと歯がみした。名前を知らなければ最初に尋ねるべきなのに、知っているので聞かずにここまできてしまった。

 内心焦るレイチェルには全く気づかない様子で、グレンは笑った。

「アレックスです」

「そう、アレックス、何か飲めるかしら?」

「僕は保護装置のお世話になってるから、何も。お気遣いありがとう」

 そう言うと、またアベルの方を向いて遊び始めた。レイチェルは胸をなで下ろす。アベルは置いてあったおもちゃを取り出してくると、グレンに遊ぼうよ、と誘った。

 レイチェルは自分用のコーヒーだけを用意することにした。キッチンにさりげなく入ると、置いてあったカプセルを取り出し、メーカーにセットする。手慣れているように見えてくれ、と思いながらコーヒーを抽出すると、ダイニングテーブルについた。二人の様子を眺めながら、そのコーヒーに口をつけていると、不意にグレンがこちらを向いた。きょとんとした様子でレイチェルを眺めている。レイチェルは居心地が悪くなって尋ねた。

「どうしたの?」

「ううん、おばさん、変わってるんですね」

「何が?」

「いや、端末とか通信用の眼鏡とか何も見ないんだなって思って。普通の大人は、結構四六時中見てるから」

 レイチェルは黙り込む。まさか警察しか使うことが許されていない捜査用の特殊レンズのことを話すわけにはいかない。

「眼鏡型を持ってるんだけど、こないだ壊しちゃって。替えがなくて今すぐは確認できないのよ。寝室に行けば一応大型の方のモニタがあるんだけどね」

 そう取り繕うように言った。そっか、大変だね、とグレンは気の毒そうに言って、またアベルと遊び続ける。グレンがここに来た理由が分かる前に、こちらの素性がバレそうで、レイチェルは冷や汗をかいてきた。

 しかし、その後は特にグレンが何か気になることを言うわけではなかった。まもなく一時間になろうとしても、グレンは特に何も話さない。

「アレックス、そろそろ、出かけないといけないから……」

 そうレイチェルが切り出すと、あ、そうだね、とグレンは腕につけた端末を確かめた。

「すっかりお邪魔しちゃってごめんなさい」

 そう言うとアベルに、また遊ぼうね。といって立ち上がった。アベルは、まだ帰って欲しくないのか抗議の声を上げる。アベルをたしなめながら、グレンは何気なく言った。

「ねえ、アンダーソンさん。アベルの維持、大変じゃないですか」

「……え?」

 意味が分からず固まるレイチェルに、グレンは微笑みを浮かべたまま続ける。

「彼を維持する費用です。あの……ロストチャイルド財団に僕もお世話になってるんですけど、財団はそういう人たちの力になってくれますよ」

「どういう意味?」

 愛想笑いを浮かべながらレイチェルは聞き返す。グレンは言うのをためらうような様子を見せながら、レイチェルの顔を指さした。

「眼鏡型簡易モニタをすぐに買い換えられないくらい、お金に困ってるんでしょう? 器官保護装置を入れている子どもの親は、みんなそうなんですよ。僕の親もそうだったんですけど、財団に相談したらきっと道が見えますから、連絡してみたらどうですか?」

 そこまで言うとグレンは、じゃあ、僕帰りますから。お邪魔しました。というとさっさと家を出て行った。

 レイチェルは何も言わず、あ、と言いながら背中を見送った。本部から、いきなりそんな話をされて戸惑わない親はいないから、何も言うな、と指示が出たからだったが、内心はその場でアレックスを引き留めて根掘り葉掘り尋問したいくらいだった。

『アベルをサム博士のところに送るのは他の隊員に任せて、レイチェルは急ぎ対策室に急行してくれ』

 デリックが通信でそう言うと同時に、別室に潜んでいた隊員が出てくる。レイチェルは了解すると、アベルを他の隊員に任せ、部屋を出て行こうとした。ところが、アベルがレイチェルが出て行くのを引き留めようとする。こんなところまで本物の子どもそっくりでなくて良いのに。そう思いながら、不自然にならない程度にアベルに言い聞かせ、説き伏せるとようやく家をあとにした。かつて、キワにそうやって引き留められたことを思い出しながら。

 変装を解いて念のため遠回りしてから対策室に着くと、すぐにデリックがレイチェルに向かって手を上げる。レイチェルはデリックの側まで近づいた。

「良くやったな」

 デリックは声をかける。レイチェルはどうでしょうか、と答えながら

「ロストチャイルド財団の名前を引き出せたのは良かったですね」

 と続ける。デリックは

「あとは、器官保護装置が鍵だった事が確定できて良かった。アベル様様だな」

 とのんびり言った。レイチェルは、そうですね、と渋々頷いた。デリックに嫌味を言っているつもりがないことは分かっていたが、最初に反対した手前、少々ばつが悪い。

「あの映像はなんだったんでしょうか」

 話題を変えるように言った。デリックは思い出したように、それだけど、と答える。

「おそらくだけど、今夜、あの映像がもしかしたら改ざん記憶としてやってくるんじゃないかなあ、なあんて」

 レイチェルはデリックを見る。デリックは、その青い瞳にいたずらっぽい笑みを浮かべた。彼の中では、何かの仮説が既に組み上がっているようだった。レイチェルは呆れたように息を吐くと、両手をあげた。こういうときのデリックは、ある程度進展するまで仮説を述べない。

「分かりました。今日は接触を待つ組に私も入れてください」

 デリックはうなずく。すぐに夜勤体制が組まれ、交互に仮眠に行くことになった。レイチェルは先に仮眠に出される。

 仮眠室につくと、キワにメッセージを送った。

『今日は泊まりになった』

 キワからの返事は、数分待ったがこなかったので、気にしながらも睡眠を優先させた。

 二時間の仮眠中、なんだかフワフワと温かい夢を見た。とても小さな頃、誰かにそうやって抱きしめられながら眠ったような気がした。

 起きてからも、夢の余韻が肩の辺りに残っていた。ノーマだろうか。でも遅くまでノーマの家にいることはあっても、泊まりはしなかった。キワと一緒に寝たときも、キワを抱きしめることはあってもキワに抱きしめられることはなかった。そうすると、母の記憶だろうか。……まさか。

 レイチェルはメッセージを確認する。キワからのメッセージが受信されていた。一時間半ほど前の時刻だったようだ。

『分かった。ちゃんと仮眠とってよ』

 それだけのメッセージ。レイチェルは、仮眠してた、今起きたよ、と返信してから作戦室に向かう。時刻を確認すると二十二時だった。キワはもう寝ているだろう。

 前回の改ざんがあった時刻は、夜の二十三時半。そろそろいつ来てもおかしくない。作戦室には、ぴり、と張り詰めた空気が漂い始めていた。

 時間だけがすぎていく。隊員達はみな接触がいつ来るかを身構えていたが、時計が二十二時半をまわり、二十三時に近くなってくると、少しずつ期待が焦りに変わる。

 今日は来ないんじゃないか。空振りに終わるんじゃないか。

 しかし、前回接触のあった二十三時半を過ぎ、時刻が二十四時に近づく頃、そろり、と撫でるようなアクセスがきた。隊員達はざわめき、すぐに傍受の体勢に入る。

 記憶バンクは何十もの強固なファイアウォールに護られているが、その一つ一つを力業ではなくそろりそろりと突破していく。まるで、正規のアクセスのように。何の抵抗もないように。

 財団とは全く関係ないアドレスをもったそのアクセスは、後ろに警察からの細い糸がついている事も知らずに、するすると記憶の並ぶ棚にたどり着いた。グレンのIDに難なくたどり着くと、早速記憶映像の挿入を始める。しかしそれは、今日の記憶の改ざんとしてではなく、基礎的な、いつ覚えたかを思い出せないような生活に関わる記憶分野だった。

 例えば、昔から住んでいる自宅の間取り、いつも使っているオモチャの記憶。そういう分野への挿入。映像の挿入が終わると、まるで何事もなかったかのようにその不正アクセスは唐突に途切れた。

「挿入映像をピックアップしろ」

 デリックの言葉に、はい、と返事がくる。

「今の映像、モニタに転送してくれるか」

「再生します」

 数秒して、大型モニタにピアノの音と花畑の風景が流れ始めた。かすか遠く、音叉の音も入っている。ひらひらと優雅に飛ぶ蝶の映像が映った。あのカードに入っていた映像と同じ、蝶の生態の説明。蝶は芋虫として産まれ、葉の上を這いずり回る。やがて蛹になり、変態する。前回見たのと同じように、映像は途中で繰り返し映像になり、音叉の金属音が教会の鐘のように鳴り続けた。

 メタモルフォーゼ、の言葉が印象的に響く。

 何度も繰り返し見た映像なので、レイチェルは既に台詞まで覚えている。違いはそれほどなさそうだった。並べてみたわけではないので、絶対にまったく同じとは言い切れなかったが。

「当たりだったな」

 デリックはそれほど嬉しくもなさそうに言った。レイチェルは頷く。

「どうしてこれが今日挿入されると思ったんですか」

「……勘かな」

 あんまりあたって欲しくはなかったけどな。とデリックは続けた。レイチェルは

「これをアベルに同期したら、どうなるんでしょうか」

 と聞いた。

「僕の想像通りだと、たぶんアベルは変わらない」

「どういうことですか?」

 デリックは眉を上げた。

「アベルは、ドールだからだよ」

 レイチェルは意味が分からない、という顔をする。デリックは、少し考え込む様子を見せ、それからレイチェルに尋ねた。

「器官保護装置をつけている人は、みな快適に生活できているのかな」

 レイチェルは言葉を詰まらせる。キワが脳裏をよぎった。

 黙ったレイチェルに、デリックは困ったような顔をした。

「ええと、ごめん、特定の人のことを言っているんじゃなくて、一般論として」

 どうしてそんなことを?

 他の隊員から声が上がった。

「この映像は非常に強く変容を、根本から変わったようにすら見える羽化を美化している。最後はそれこそ刷り込みだよね」

 レイチェルを始め、隊員達は頷いた。

「器官保護装置のお世話になっている子ども達は、もしかしたら自分が芋虫にでもなってしまったかのような不便さを感じているんじゃないかと思ったんだよ。この映像は記憶としてではなく、潜在意識に近い真相記憶に埋め込もうとされていた。もし夢で、どこかで見た覚えがあるわけではないのに繰り返し毎晩見せられたとしたら、どうだろう? メタモルフォーゼの言葉に、非常に惹かれるとは思わないかい」

「なるほど、自分も変容して、羽ばたけるかもしれないと」

「そう。もしかしたら、そうだな、ご神託とか神のお告げとか、あとは運命とか、そういう風にも感じるかもしれない」

 理屈は通っているように見えた。しかし、いくら子どもが自分が変わりたいと言っても、器官保護装置をつけた子は親なしでは生きていけないのだ。レイチェルは近くの隊員と目を見合わせた。やはりこの映像自体にあまり意味はないように感じた。

「立場を変えて、親はどうだろう」

「……親は、子どもの命が繋げるのであればどんな手を使っても……」

 隊員のためらいがちな答えに、デリックは頷く。うん、それが一時的なものならね。そう言いながらデリックは、ロストチャイルド財団の情報を呼び出した。

「これ、ロストチャイルド財団の事業一覧。ほら、事故に遭った家族へのサポート、これなんだよね」

 ごく低金利での貸付金。

「器官保護装置がとても優秀な装置なのは、みなが知っているとおり。これでたくさんの命が救われた。ただ、ごく一部の代替臓器としてではなく、人体型器官保護装置が出てきてから、維持費がねえ」

 そう言って、平均でかかる維持装置の年間費用をモニタに呼び出す。ほぼ全身の機能を入れ替えているタイプの人は、年額で約四万ドル近くの維持費用がかかる。

「これ、D街区に住んでいる人たちにとっては、両親が結構必死に働いても生活費を除くとギリギリの金額だと思う。むしろ毎月貯金を切り崩す、いや、借金している人たちもたくさんいるかもしれない」

 作戦室が静まりかえる。みな、レイチェルの妹的な存在のキワのことを知っていた。レイチェルは自分に意識が集まっているのを感じながらも、表情を全く変えずにデリックを見つめ返した。

「その時には、この子を救えるなら金額なんて、と思うかもしれない。でもさ、先が見えないままずっとお金が出ていくのを目の当たりにしていると、人間だから迷うと思うんだよ。僕はそれを責めることはできないと思う。だから」

 デリックは言葉を切った。言おうか言うまいか迷って、口を開く。

「子どもを、維持費のかからないドールにしませんか。そう、グレンは親をそそのかしているんじゃないかなって、僕はレイチェルへのグレンの言葉を聞いたときに、ピンときちゃったんだよね」

 そう言って、哀しそうに笑った。よりによって君に言うなんてね。デリックの瞳は、まるでそう言っているようにレイチェルには思えた。レイチェルは唇を噛みしめて感情を押し殺す。

 キワのことを、負担に思ってなどいない。キワが、レイチェルに負担をかけているのではと気に病んでいるのは知っている。だけど、私はそんなことを一度だって思った事はないのだ。レイチェルはそう、自分に言い聞かせた。

 ほんとうに?

 記憶の中のグレンの瞳が、そうレイチェルに問いかけた気がした。


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