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5年「宇宙から見えたもの」【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は5年「宇宙から見えたもの」【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

Dの内容項目は、
「価値の広がりを目指す」
ものではありません。

A~Cの内容項目は,広がりを目指すものです。
例えば、親切は「何かをしてあげること」だ
と思っていた子どもたちが、
授業で議論をすることで、
「何もしない親切もある」と気付いたら、
それは見方が広がったと言えるでしょう。

しかし、Dの内容項目はそのような広がりは
ほとんど期待できません。

そもそも抽象的なものが多く、
議論で広がったとしても、
さらに抽象的なものになってしまうからです。
そうなると余計に
「道徳は難しい!」と考える
子どもや先生を増やすだけです。
そうではなくDだけは、
ゴールまでの道を太くするイメージで
授業をしましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

5年生「宇宙から見えたもの」(日本文教出版)

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「感動、畏敬の念」
5・6年の目標・・・・美しいものや気高いものに感動する心や
人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。

「宇宙から見えたもの」あらすじ

宇宙は、約百三十八億年前に起こったビッグバンと呼ばれる大爆発から誕生し、そして、いまでも広がりつづけていると言われている。
宇宙や地球に対してさまざまな説があるが、まだ確かなことはわかっていない。

人類は、宇宙に飛び出し、地球の姿をみることができるようになった。
そこから見えてくるものとは、なんだろうか。

宇宙から見た地球をよく見てみる。
薄い皮のように地球のまわりをおおっている、青色の層が、大気だ。
このわずかな大気を、地球で生きる生き物みんなで分けあっているのだ。

この大気や、水がおかげで、わたしたちは生きていられる。

すべてがつながり合って、地球という一つの星が生きている。
ちょうどわたしたちの体が、いろんな細胞とつながりあって生きているのと同じように。

宇宙から見れば、人類はみな等しく、この美しい惑星にすむ「地球人」なんだ。

2 内容項目と教材

・『畏敬』とはどういう意味でしょうか。
日常生活ではあまり使わない言葉ですね。
広辞苑では次のように書いています。

おそれうやまう。 すぐれた人を尊敬すること。

なるほど、と言いたいところですが、
もうちょっとストンと落ちる理解がほしいです。

・明鏡辞典では、次のように書いています。

偉大なものとして、おそれうやまうこと。

用例として、
「宇宙の神秘に畏敬の念を抱く」 「神仏を畏敬する」
とあります。

・ということは、『畏敬』とは、
人の力がおよばないようなものを
大切に思う心
と言えます。

・つまり、
感動=美しいものや気高いものをよいと思う心
畏敬=人の力がおよばないものを大切に思う心
とまとめられます。

・「宇宙から見えたもの」は、
宇宙が題材になっています。

感動と畏敬の念では、
今回は、どちらかというと
感動を中心に考えた方がよいでしょう。

・では「宇宙から見えたもの」で、
美しいもの、気高いもの、尊いものとはなんでしょうか。

★人類さんの飽くなき探求心。

☆宇宙に魅力を感じる心。

☆宇宙と細胞がよく似ていること

・いずれも、全て触れなないといけない
というわけではありません。

・授業の中で子どもが気付いた視点に基づいて
進めればよいでしょう。
全て触れなくてよいと書きましたが、
★は考えてみたいところですね!

・Dの内容項目は、言葉にすると安っぽいものです。
例えば以下のとおり。
「命は大切」
「美しいものに感動する」
「自然は大切」

・これを見て、どう思いますか?
「知ってるわ!」と
ツッコミを入れたくなりませんか?

・そうです。
これがDの内容項目の難しいところです。
授業をしても、上の結論は変わりません。
しかし、授業で子ども達が議論をすることで、
その中身が深くなるのです。
先ほどお伝えした
「ゴールまでの道を太くする」ですね。

・だから、まとめでは無理に言葉にしなくていいです。
無理に言葉にしようとするから、
難しいと感じるし、
道徳が面白くないと思ってしまう原因となります。

・Dの視点では、余韻を大切にしましょう。
「人の心って美しいんだなあ。」
「わたしにもきれいなものを見たら
きれいと思う心はあるだろうか。」などと
生活の中で考え続けるようなものが
子どもの意見として出れば、
それで充分です。

3 導入

T:教師 C:子ども

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