中学1年「命の木」【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は
中学1年「命の木」【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
Dの内容項目は、
「価値の広がりを目指す」
ものではありません。
A~Cの内容項目は,広がりを目指すものです。
例えば、親切は「何かをしてあげること」だ
と思っていた子どもたちが、
授業で議論をすることで、
「何もしない親切もある」と気付いたら、
それは見方が広がったと言えるでしょう。
しかし、Dの内容項目はそのような広がりは
ほとんど期待できません。
そもそも抽象的なものが多く、
議論で広がったとしても、
さらに抽象的なものになってしまうからです。
そうなると余計に
「道徳は難しい!」と考える
子どもや先生を増やすだけです。
そうではなくDだけは、
ゴールまでの道を太くするイメージで
授業をしましょう。
今日の記事で考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「感動、畏敬の念」
目標・・・・・美しいものや気高いものに感動する心をもち、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めること。
「命の木」(光村図書)
屋久島は、海上アルプスともいわれている。
周囲百キロほどの小さな島だが、千メートル以上の山々が、
三十もそびえている。
屋久島は、杉で知られた島である。
屋久島は、千年以上の杉を「屋久杉」という。
2000年、3000年といった樹齢の杉もざらにある。
屋久杉は、世界一の命の木である。
屋久杉の中には、二代杉、三代杉と呼ばれる木がある。
枯れて倒れ、倒れた木の上に落ちた種子が芽生えて、また2、3000年の樹齢を重ねるのが二代杉である。
1本の杉で二代杉、三代杉に負けない樹齢を保つ過ぎが、屋久島にはある。
大王杉(樹齢3000年)、縄文杉(樹齢7200年)と樹齢が推定される杉である。
私は、7000年の老木の前に立って、命燃えたままで美しく老いたいものだと、しみじみ思う。
2 内容項目と教材
・『畏敬』とはどういう意味でしょうか。
日常生活ではあまり使わない言葉ですね。
広辞苑では次のように書いています。
おそれうやまう。 すぐれた人を尊敬すること。
なるほど、と言いたいところですが、
もうちょっとストンと落ちる理解がほしいです。
・明鏡辞典では、次のように書いています。
偉大なものとして、おそれうやまうこと。
用例として、
「宇宙の神秘に畏敬の念を抱く」 「神仏を畏敬する」
とあります。
・ということは、『畏敬』とは、
人の力がおよばないようなものを
大切に思う心と言えます。
・つまり、
感動=美しいものや気高いものをよいと思う心
畏敬=人の力がおよばないものを大切に思う心
とまとめられます。
・「命の木」は屋久島が題材になっています。
特に視点が与えられなければ、
自然に目がいきますが、
そればかりだと「自然愛護」という
別の内容項目になります。
・しかし、かといって「自然愛護」に目を向けたら失敗!
というわけではありません。
授業の切り口としては、むしろ「自然愛護」の方が
考えやすいでしょう。
・「自然愛護」から考え始めて、
「感動、畏敬の念」について気付かせるのです。
・今回の「命の木」は、
感動と畏敬だと、
どちらかというと
感動を中心に考えた方がよいでしょう。
・では「命の木」で、
美しいもの、気高いもの、尊いものとはなんでしょうか。
・屋久杉と呼ばれる樹齢千年以上の木
・小杉の数々
・屋久島全体の自然
★何千年にも渡る木の歴史
・いずれも、全て触れなないといけない
というわけではありません。
・授業の中で子どもが気付いた視点に基づいて
進めればよいでしょう。
全て触れなくてよいと書きましたが、
★は考えてみたいところですね!
・Dの内容項目は、言葉にすると安っぽいものです。
例えば以下のとおり。
「命は大切」
「美しいものに感動する」
「自然は大切」
・これを見て、どう思いますか?
「知ってるわ!」と
ツッコミを入れたくなりませんか?
・そうです。
これがDの内容項目の難しいところです。
授業をしても、上の結論は変わりません。
しかし、授業で子ども達が議論をすることで、
その中身が深くなるのです。
先ほどお伝えした
「ゴールまでの道を太くする」ですね。
・だから、まとめでは無理に言葉にしなくていいです。
無理に言葉にしようとするから、
難しいと感じるし、
道徳が面白くないと思ってしまう原因となります。
・Dの視点では、余韻を大切にしましょう。
「人の心って美しいんだなあ。」
「わたしにもきれいなものを見たら
きれいと思う心はあるだろうか。」などと
生活の中で考え続けるようなものが
子どもの意見として出れば、
それで充分です。
3 導入
T:教師 C:子ども
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