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排泄ケアに改革を〜CST会議導入!〜


はじめに

  昨年2023年10月から発足したCST会議。CSTとは、コンチネンスサポートチームの頭文字を取った名称です。「コンチネンス」とは、排せつがコントロールされている状態のこと。さまざまな要因で起きる失禁を予防し、気持ちの良い排せつを目指すケアが「コンチネンスケア」です。

 現在、弊社にオムツを提供いただいているTENA様より派遣されたアドバイザー髙木さんと喜創会職員メンバーで会議を行い、排泄ケアの改善に取り組んでいます。今回はCST活動を推進された施設長代理 林佑樹さんとTENAアドバイザー 髙木捷さんにご協力いただき、CST会議の背景や狙いを取材しました!

CST会議導入の背景

 以前から排泄ケアにおいて、根拠に基づいたケアが不足しているのではないかと疑問を抱いていました。変化がないままではルーチン的にケアが行われてしまう危機感から、情報収集をしていたんです。たまたまTENAさんのことをFAX案内で知り、製品だけでなく研修も提供してくれることに魅力を感じました。また、排泄介助に職員のマンパワーがかかることで、力をいれたいレクリエーションの企画実行など、余暇時間へのケアに着手しきれていませんでした。もっと、普段の利用者さんの生活を充実させるべく根本的な解決のためには、排泄ケアの質を守りながら余暇時間を生み出す必要がありました。

髙木 林さんから個別でお問い合わせを受け、喜創会様の排泄ケアの現状をお聴きしました。具体的には、利用者の生活の質向上、職員の働きがい、経営効率の三つの視点から、何ができていて、何が欠けているのかを整理するところからの始まりでしたね。当初、林さんからのヒアリングでは、オムツ交換回数に負担感があること、標準的な排泄介助の教育ができていないこと、などが現状でしたね。

会議では、それぞれのユニットでのケースの現状や課題点を共有して、ベストな方法を議論します。

導入から現在の取り組みを教えてください

髙木 一昨年2022年冬から定期的に勉強会を開催し、現場職員の皆様に、私たちの製品の理念から使用方法をご理解いただくことから始めました。あくまでオムツは快適な生活を支えるツールであること、ケアの個別性を目指した豊富な製品ラインナップであることをご理解いただき、現場職員の皆様が最適なオムツの交換パターンを考え、カスタマイズできるようサポートしています。

林 勉強会を通して準備を進めてきましたが、実際使用を始めると製品の特徴や使い方に戸惑いがある場面もありました。職員一人一人が努力して対応してくれたおかげで、少しずつ慣れてきたように思います。短期的には負担がかかるかもしれませんが、全体的にルーチン作業になりかけていた排泄ケアを見直し、利用者に寄り添ったものに変え、職員の負担を軽減できるかを考える機会となったと捉えています。

日々のオムツを使用する現場職員の方の声。変化を感じておられるようです。

TENA製品やサービスの特徴を教えてください

髙木 以前、喜創会様で使用されていたオムツと比較すると、より「快適性」、「尊厳保持」が高まったと思います。TENA製品の特徴は、従来の二層になっているおむつ構造ではなく、尿取りパッドを必要としない、1枚で完結するタイプになっています。また、少ない面積で尿をカバーできるように且つ、関節稼働に沿った人間工学に基づいたデザインになっているため、動きやすい形です。外から尿量がわかる表示の機能もあります。これらのことから、おむつ交換回数を減らし、より下着に近い形での排泄ケアに近づくことができます。夜間の回数が減ることで、職員さんの負担軽減にも繋がり、ほかのケアや業務に向き合える時間を増やすことができます。

導入前と後で、交換頻度も排泄ケア教育も改善しました。

今後の展望をコメントお願いします!

林 髙木さんとは1年間の定期的な会議を通じて、製品を使いこなしPDCAサイクルを回せるようにサポートしていただけることになっています。改めて、髙木さん、現場の皆様と協力して、二人三脚で進めていきたいと思います。改善の成果としてはまだまだですが、本来向き合いたい、普段の生活時間の充実につながるところまで粘り強く取り組みたいです。皆様の引き続きのご協力よろしくお願いいたします!

髙木 当初に比べ、職員皆様の排泄ケアへの姿勢や考え方の変化に驚きを感じています。例えば、夜間の交換や重ね当てを行わないといったことです。今後もCST会議での意見交換を通して、職員同士がベストなケアを議論し、刺激し合える風土をつくるサポートをしてまいります。ゆくゆくは、オムツありきではなく、「どうやったら、トイレで用を足せるようになるか」といった自立支援の考えに基づいた議論が根付ければと思います。利用者様、職員の皆様、施設経営、3者により良く持続可能なケアになるよう、みなさんと目指していきたいです! 

職員さんからの質問に、ジェスチャーをつかって、イメージがつきやすように説明される髙木さん

——髙木さん、林さん、お忙しいところ、ご協力ありがとうございました!