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PTA会長:やること整理してみたら?

PTA会長は、誰でもできます。簡単でない状況もたまにはありますが、基本的には、周りの人に支えられてなんとかやり切れるものです。

支えて頂いた方々には、いまも感謝・感謝です。

ただし、そのためには「自分が何をするのか? 何が求められているか?」を明確に認識しておく必要があります。

ここでは、PTAとは?保護者の役割とは?PTA役員の務めとは?という前段階から、PTA会長の職務について考えたいと思います。

PTA(Parent-Teacher Association)とは?

PTAは、それぞれの学校で組織される保護者と教職員による社会教育関係団体です。児童は構成員にはなりません。

「父母の会」と異なるのは、先生が構成員になっているかどうかです。

ただ、先生の側は、保護者に振り回されている/保護者に付き合ってやっているという方も多いですね。先生の意識には、個体差を感じます。

PTAの業務の範囲

総論としては、子どもたち(次世代)が健全に育つように、保護者・教師が集まる場所がPTAです。保護者単独でも、教師たちだけでも、なかなかできないことを、皆が集まることで実行しようというものです。

もちろん個々のPTAの業務範囲は、個々に定められ、毎年1~2回の総会で付議されて決定します。

保護者の職務範囲

保護者は、ご家庭ごとに事情があります。出来るときに、出来ることを行うだけで十分に廻るようにしてほしい、というのが基本になります。

そのためにPTAに出来ることと、やってはいけないことがあります。

1.PTAに出来ること

「いつでも」「どこからでも」参加できるようにすることです。

そのためには、まず(1)作業のリモート化を(PTA会費の予算を使って)進める必要があります。学校に来なくてはいけない業務を、できるだけ減らすのです。

例えば、PTAだより(広報チラシ)。印刷や各教室への配布をするには学校に行かなくてはなりませんが、記事づくりや編集は学校でなくても出来ますし、実際、自宅で子供が寝てから作業したいという保護者もいます。クラウドサービスを使って編集中の「PTAだより」の状況を確認できるようにすれば、学校に行かなければ何も出来ないという状態からは脱却できるはずです。

そのために必要なのは、作業中のドラフトや資料を共有する仕組みですが、これは今や(学校によって何を導入しているかは異なるでしょうが)、OneDriveだったり、Dropboxだったり、cybozuだったり、googleだったりといったストレージサービスを導入しているPTAも増えましたね。


その上で、(2)権限のありかを明確にして各担当に権限を集約することが大切です。

PTA会長が出ていかずとも、副会長や主担当で決められる範囲を最初から明確にしておけばいいのです。「会長がなにを言うか分からない」となってしまうと、各担当の方々は困ってしまいます。いつでも・どこからでも参加もできず、会長のそばにいないと話が進まないことになりかねません。

会長としては、担当に権限を委譲しつつ、困ったときは相談に乗るし、「トラブルになったら「会長を出しますよ」と言っていいよ(電話にも出るし、日程取って相手方に出向くから)」とPTA役員や各担当に伝え、認識をみんなで共有しておければ、関係者は困りません。

この権限の明確化と委譲が上手くいかないと、不平不満、そしてPTA活動のボイコットの元凶になってしまいます。

担当を割り振るにあたっては、ポイントは1つです。「経験があることか、やってみたいこと」を割り振るように心がけましょう。

議論があるのは、次のポイントです。

(3)保護者が気軽に集まれる場をつくること。

これは、実はとてもむつかしいです。

体力があり余っているヤンチャな男の子のお母さんの中には、どうしたらいいか分からず、誰にも相談できずに困っている方もいます。

PTAに部活があれば、なんとか(勇気を振りしぼって)参加して、まわりのお母さんと話をし、子どもを客観的に、相対化して、見つめることができるようになります。

その意味で、PTAの部活は、とても大切です。しかし、合唱部、ソフトバレー部、バレー部などが盛んだったのは、ベビーブームの頃。いまは(あっても)バレーボール部くらい、というところが多いのではないでしょうか?

幼稚園の頃であれば「絵本の読み聞かせ」などの理由をつけてイベントを開いてもいいのでしょうが、小学校だとそうもいかない・・・

うちの学校なりに何かできないか、というのは、PTAとしても考えていい問題だと思います。

2.やってはいけないこと

学校に来なければならない仕組みを作ってしまうことです。

会長が権限委譲をしないことについては前述しました。他にも、例えば、生徒ごとに年●回のPTA参加義務チケットを保護者に記名式で発行して、PTAの業務を学校で行わない限りチケットが減らないようにする、とか。他には例えば、PTAのパソコンを、PTA会室のカギのかかるロッカーや金庫の中に格納して、何かある度に学校に来なくてはいけないようにする、とか。

全員が強制的に学校に来る仕組みを作ると、一部のハキハキした保護者をのぞき、「やらされ仕事」感が高まってしまいます。PTAは嫌だ/嫌いだという声に転嫁しやすくなります。


PTA役員の職務範囲

基本的には、2つです。

(1)月1回などの定期的な会合に(できるだけ)出席し、校長先生やPTA会長等と議論すること。

(2)担当となった役割を果たすこと。

基本的に担当があるので、PTAに参加している一般の保護者と異なって「できるときに、できることを」やればいいというものではありません。

しかし、分からないことや面倒なことはPTA会長・副会長に「すぐに」連絡して自分とは切り離す、というのも大切です。

会長の職務範囲

(1)PTAの活動の一環としてのもの

こちらは、PTAの役員とほぼ同じです。

ただ、会長には、2つ、特殊業務があります。

①挨拶。特に、入学式・運動会・卒業式のあいさつ。

緊張します。反応は、自分には返らず、学校に通う子供をはじめ、家族の方にいきます。自己満足なあいさつで、周囲から悪評が経っても、それは家族経由でないと自分に伝わってこないことも多いのです。

②PTAにとっての対外的な活動(エリアのPTA会長会、連絡協議会などへの出席、教育長との懇話会等への参加など)

夜遅い時間になることもあります。副会長などと分担できる場合は分担しつつ、出来ない場合は会長のみで対応する場合もあります。

地域というだけで、年齢も職業も所得水準も価値観も異なる人たちと出会うチャンスですので、これを楽しめる人であれば嬉しい出会いがたくさんあります。(・・・ しかし他方で、自分の価値観・所得水準だけで話をしたり、いい年齢なのに「俺に従え」「私を褒めて」という人だと、こういう集まりはツラいかも知れません。)

(2)公人としてのもの

①青少年対策協議会(青少対)など、PTAを離れたところでの、行政主導の地域活動への参加

②学校主導の団体や会合(地域教育連絡協議会や施設運営協議会など)への参加

③窓口機能(保護者や地域の人からのクレームや問合せなど)

こういったことは、PTA会長という「公人」としての地位に関連して発生します。できるだけ周囲の人に相談しながら、上手く処理することが求められます。(できないことは、できないと明言した上で、どなたかに担当を頼みましょう。)

そのためには、万能感を出すのではなく、出来ないことは出来ないと明言しましょう。子どもたちの将来のために奮闘している一人の人間としての姿を周囲にさらけ出す勇気が必要となります。

さらけ出しても、支えてくれる人、助けてくれる人、共感してくれる人は必ずいます。そういった方とは、任期を過ぎても(男女問わず)友人として付き合えるようになります。

やり切った人間として言えば、楽しい時間でした。
参考になれば幸いです。

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