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【喫茶和/和菓子】9月10日 いつもの喫茶店

「いらっしゃいませ」

引っ越し初日、訪れた家から徒歩3分にある喫茶店は長年「行きたい場所」のリストに入っていたところだった。

大きな窓から光が差し込む店内はデザートメニューが豊富で子連れの若い奥さんたちも多い。

"今日からこの街で暮らすんだな。"

席について一息つくと、店員さんがメニューとお冷を運んで来てくれた。「いらっしゃいませ」と微笑んでくれたとき、まるでこの街全体が歓迎してくれているようだった。

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メニューにウインナーコーヒーを見つけ、早速注文する。

「ウインナーコーヒー、アイスで」

ウインナーコーヒーはコーヒー界のお子様ランチみたいだなと思っている。なんだかカッコつけがちになってしまうコーヒーを嗜む時間に子供心を思い出させてくれる気がして見つけるといつも頼んでしまうのだ。

ほろ苦いコーヒーにたっぷりと生クリームがのっている。

ウインナーコーヒー然り、豆大福然り、もったりしたフォルムと白と黒のコントラストはいつだってかわいい。

たっぷりのせられた生クリームはほんのり甘くて、新しく始まる新生活を応援してくれているようだった。

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誰かが気持ちを込めて淹れてくれたコーヒー一杯は不安な気持ちが吹き飛んだり、嬉しい気持ちがもっと増えたり、この一杯にいつも助けられている。

自分で淹れるコーヒーはおいしいけれど、誰かが淹れてくれたコーヒーはもっとおいしい。喫茶和も来てくれるお客さんが素敵な気持ちになったらいいなと思っている。

そんなわけで、今日も同じ喫茶店にやってきた。"いつか行ってみたい喫茶店"が"いつもの喫茶店"に変わった記念日だ。

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