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抗議の形いろいろ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.1.7-24.1.13)

1.1大震災、という呼称をローカル紙で見かけましたが、いわゆる能登半島地震から1週間が経ちました。

こんな感じの報道もあれば

こういうのとか

こういうのとか、あるいは

これ、実は先週紹介した

この詳報ともいうべき内容なんですけどね。
なんとなくイヤな予感を誘う日本語見出し、英文記事を読むと単に避難所が満員で18名を受け入れる余地がなかった、ということでしたが、しかしその後もしばらく自助しか拠るべきものがなかったとも書かれており、なんというか、改善すべきポイントが表面化しつつある気がします。

現地からは「外国人住民が避難所までたどり着いていない」「同じ国の出身者に支援物資を届けたいという要望がきた」などの相談があった。
(略)
阪神大震災の経験を踏まえ、「日本語の情報が分からず孤立しがちな人に、行政の側から外国人コミュニティーや雇用する企業を介してアプローチする必要がある」と伝えた

■もうひとつ気になったニュース

避難所には技能実習生のベトナム人やインドネシア人も100人ほどいて、横堀医師が訪れた際に受診した人もいましたが、日本語や英語での意思の疎通が難しく、医療ニーズの把握に苦労したということです

太字は引用者

医療系のひとたちに限ったことではないですが、日本語が母語でないひとたちに接するとすぐ英語でコミュニケートしようとしてしまう俺たち問題、ありますな。
それぐらいなら「やさしい日本語」のほうがよっぽど伝わる、というような基本を社会として学ぶことの重要性を思います。

■その他ニュース

技能実習制度の見直しについて、みごとに内容が無かった法相閣議後記者会見(24.1.9)があんまりなのでサラしておきたい欲

様々な国民的議論の中で意見を頂いておりますが、こうした大所の、主要と言ってもいいかもしれませんが、そういったところの提言も出揃いましたので、法制化に向けて本当に鋭意進めているところです。ちょっと具体的なところまでは入りませんけれども、いくつか論点がありまして、それについて意見の集約を図ろうということで、今作業をしているところであります。そう遠からず結論が得られれば良いなという期待をし、事務方にお願いしているところであります。鋭意、法案の策定に取り組んでいるというふうに御理解いただければ良いかと思います

https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00476.html

■最後に2本、分断助長系の記事へのクレーム

元記事は昨年10月26日付のエコノミスト紙で

ちょうど昨年の春先ぐらいからクルドヘイトを言い募る勢が出だして、その流れがさすがに変だよ。という記事が夏に出て

10月終わりの元記事はそういう流れにおかれて読むべきなんです。
それを何でいまさら、PV稼ぎに振り切った翻訳で掲載するんですか。

まあ、それでいうともっとヒドいのが

これ。「そっちの言い分」がそうなら、こっちの言い分はこうだ。

いや、私自身が当事者ではないこと、産経新聞のスタンスを囃し立てる各位同様ですが、たとえばよ?

まず、主催者である私たちは、このフェスでは、難民の方々が参加されることを前提として、かれらの中には、居場所が知られることで本人や祖国に残っているご家族の命に危険が及ぶ可能性があることに配慮し、「公園内では人物の顔にカメラを向けること」や「本人の許可なく難民・移民の名前や出身国をSNS等で公表すること」を禁じてきました。この点は、難民・移民フェスのnoteに明記し、X(旧:Twitter)の発信や開催の挨拶でもその点を伝え、また、その旨を記載したハンドアウトを会場で配布するなど、参加者に繰り返し呼びかけてきたところです。
同時に、取材希望のメディアに対しても事前申し込みをしていただき、難民の方々の置かれた事情と、上記のような必要な配慮をお伝えした上で、節度をもった取材への協力をお願いしてきました。
しかし、貴社による本記事は、これらの手続きを一切経ることなく、また当日現場に足を運んだわけでもないどころか主催者側に問い合わせることすらせず書かれており、完全に取材のルールを逸脱したものと考えています。

あるいは

同時に、本件記事は、一連の出来事の一部を偏った形で切り取ったものであり、差別扇動的です。
今回、記事に書かれている杉並区議や「区民の女性」は、上記のような主催者の周知を無視して、難民の方から出身国や、パスポートの有無、来日方法、在留資格の有無種類を聞き出そうとしました。
また難民の方の動画を撮っていた疑いがあります。
主催者側の録音記録では、区議や「区民の女性」は、難民の方にパスポートの有無や来日方法を聞いたことについて、「難民・移民フェスなんでしょう。そりゃ聞きたいわけだよね」「(知りたいのは)難民・移民の定義をですよ。」などと述べています。
一方、貴社の記事では、「外国人女性はナイジェリアの歴史や現状などを訴え始め、「区民の女性」が「CNNなどで知っている」と返答。「飛行機で来たのなら、パスポートは持っているのですね」と尋ねたところ、外国人女性が次第に激高し始めたという」とされていますが、そもそも個人にパスポートの有無などの個人情報を、その必要性もない状況で、公然と聞くことはプライバシーの侵害に該当する可能性があります。
この「区民の女性」は、「難民申請で生きるか死ぬかだったらプライベートなんか関係ないじゃない。」などとも発言していました。ましてや難民の方は、危険を逃れて来日している以上、プライバシーに関わる情報を見知らぬ方から聞かれることは恐怖でしかありません。
そうした恐怖に怯えるなか当該難民の方が発した言葉を、「外国人女性が次「第に激高し始め」、「『神はあなたを殺す』と、大声で3回繰り返した」と、あたかも本人に落ち度があるかのように書く貴社の記事は、その言葉の原因となった区議や「区民の女性」の難民の方を追い詰めるような言動自体は問題化せず、一連の出来事の一部を偏った形で切り取ったものと言わざるをえません。

いかん、全文引用したい。
要するに、ヘイトを煽ることを商売の種にする各位には、そうはさせるか。という毅然とした立場を明らかにしなければ。
だいたいそういうところまで我々は実は追い込まれている、そう考える者です(=自己紹介)。

■サムネイルは前日譚の最新作もまあまあヒットしているというんで配信に来ないかね、と思っている本編最終話『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』(2015)

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