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「ふと」

11月、畝にレタスを定植しながら、ふと畝に生えているヨモギをお茶にしてみようと思い立った。収穫を目的とする野菜以外の植物が畝に生えている時、刈り取ったり引き抜いたりし続けてきた。畑はコンポスト等の有機肥料を与えつつ、なるべく草を引き抜かないテキトー自然農でやっている。刈り取った草はマルチとして畝の上に置くか、堆肥場に集めるというのをずっと繰り返してきた。初めて畑というフィールドに立ってから今年で12年目。ヨモギもスギナも、他にもお茶にできる草だと知りながらまったくそれを活用しようと考えてこなかったのに、ふと思い立ってお茶にしてみた。
それ以来、ヨモギ茶を飲んだり、乾燥させたレモングラスをハサミで切ってお茶として保存したりしている。そしてとうとう「picture this」という植物判明アプリもインストールして、庭先やターミナル2に生えているあらゆる草木の名を調べ始めた。
ターミナル2には、借りた当初から自生している木が何本もあり、そのうちの幾つかの木は結構な大きさになっている。それらの木は、僕には畑の先住者に思えて、「日陰をつくってしまうから」というこちら側の都合で切ってしまうのは許されることなのだろうかと、ずっと木とどう接すればいいのか分からずにいた。picture thisで調べたところ、それらの木々は榎木という種類の木だということが判明した。
榎木という名をググって、この木の特徴を調べてみた。

【エノキとは】

・北海道を除く日本各地に自生するアサ科の落葉樹。山地や雑木林の縁、川沿いなどで普通に見られる木だが、枝分かれが多くて大きな緑陰を作ることができるため、ケヤキムクノキなどと共に各地の一里塚や神社仏閣に植栽され、その巨木が今日でも見られる。日本以外では中国の中北部、台湾及び朝鮮半島に分布。

・エノキという名の由来には諸説あるが、①信長、家康、秀忠、家光のうちの誰かが、(マツ以外の)「余の木(ヨノキ)」を一里塚に植えるよう命じ、これに応じる形で植えられたのがこの木であったためヨノキが転じてエノキとなった、②縁起の良い木を意味する「嘉樹(ヨノキ)」が転じてエノキとなった、③秋にできる朱色の実は小鳥や森の生き物に人気が高く、「餌の木」からエノキとなった、などの説がある。漢字の「榎」は日本で作られたものであり、中国では「朴樹」と表記する。

・葉は長さ4~10センチ、幅3~6センチほどの長楕円形で枝から互い違いに生じる。表面に多少の光沢があり、上半分のみにギザギザがあること、葉脈が葉の付け根付近で3本に分かれることが特徴だが、森の生き物に人気が高く、黄葉期まで形をとどめていることは珍しい。

・国蝶であるオオムラサキやヤマトタマムシ、ゴマダラチョウ、テングチョウ、ヒオドシチョウなど蝶々には欠かせない餌であり、これらはエノキやエゾエノキの葉を食べて育ち、葉裏でサナギとなる。オオムラサキの個体数は減っており、エノキを植林して保護する地域もある。

・エノキは蝶だけでなく、人間の食糧ともなり、食糧難の時代にはエノキの若菜を米と一緒に炊き込んで「糧飯(カテメシ)」として食べることもあった。

・エノキは「縁」に通じることから「縁結びの木」あるいは「縁切りの木(縁切りエノキ)」として使う俗信があった。縁を結ぶにはエノキに願をかけ、縁を切る場合は、人知れずそっとエノキの葉を食べる、あるいは樹皮を削って飲むと良いらしい。「縁の木」と呼んで有難がり、御神木とする場合もある。

・現代人にとっては葉や実よりも、株元や枯れ枝にできるエノキダケの方が人気が高い。なお、エノキダケは榎に限らずコナラカキなど多様な落葉樹の腐食部に寄生する。

・雌花(両性花)の後には球形のカラフルな果実ができ、9~10月に熟す。果実の直径は6~8ミリ程度で果皮には干し柿のような甘味があり、昔の子供はおやつにした。メジロ、ツグミ、オナガ、コイカル、シロハラ、アトリなど数多くの野鳥が果実を目当てに集まり、糞によって種子を拡散するため、道端で幼木を見掛けることが多い。

・エノキの幹は灰色で直立し、最大で直径1.5mほどになる。樹皮はケヤキやムクノキのように剥離しないが、表面にイボイボが多く、所々で横筋が入り、手で触れるとザラザラする。根張り(地際の幹)の美しさは日本の樹木でもナンバーワン。

・大木となるエノキからは大きな板を取ることができるものの、その材はねじれやすく、材木としての評価は低い。ただし、頑丈であるためカマツカと同じように農具(カマなど)の「柄」を作るのに使われた。「柄の木」がエノキに転じたという説もある。

https://www.uekipedia.jp/

森の生き物に人気で、若芽は人も食べることができる。ターミナル2を人と、人以外の生物たちにとっても気持ちのいい公園にするなら、何本かは残しておいたほうが良さそうだと分かった。でも、一番興味を惹かれたのは「柄の木」の部分。柄として活用するのであれば、榎木を切るのもいいかもしれない。名と特徴を知ることで、謎でしかなかった木との付き合い方が少し掴めたような気がした。
「ふと」、ヨモギをお茶にしてみようと思い立ったところから、こうして身近な草木との付き合い方を深めることに繋がった。

他にも、いつも利用している近所のコンビニで用を足しながら、ふと「多分トータル1000回くらいこのトイレ使ってるのに一度も掃除したことないな」と思って、勝手にむちゃくちゃ綺麗に掃除したところ、心と身体の調子が良くなり、その掃除癖は、買って以来ほぼ一度も洗車したことのなかった軽トラに向かい、家の中に向かい、最近はテキパキとこまめに掃除をするようになった。

そして今日、開店してからしばらくして「ガザへの祈りをちゃんと目に見えるカタチにしよう」と思い立って画像をつくり、店頭に貼った。

何ができるのかはわからないし、平和が訪れない限り「これをやったからOK」という行動も無い。でも、たくさんの善いと思える「ふと」の訪れになるべく素直に従い、行動していきたい。

2023年、ありがとうございました。2024年も多くの善き「ふと」が訪れますように。ばいちゃ!


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