見出し画像

Q. カツオの刺身を食べたら舌がピリピリしました。食べても大丈夫ですか?

A. ちょっと待ってください。
もしかしたら、ヒスタミンが含まれているかもしれません。
鮮度が悪くなっていないかよく確認し、少しでも不安な時は思い切って捨てましょう(飲食店で食べている場合も不安がある場合は残しましょう)。

ヒスタミンとはいったいなんでしょうか?
実は、ヒスタミンとは花粉症やアレルギー性鼻炎を引き起こす化学物質で、生体内で分泌されます。

しかし、最初から食品に含まれていることがあります。それは、温度管理ができてない赤身魚やその加工品です。

赤身魚(特に、マグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジ)には、ヒトの必須アミノ酸であるヒスチジンという物質が多く含まれており、このヒスチジンは微生物の働きで、ヒスタミンに変化するのです。


「ヒスタミンによる食中毒について」(厚生労働省ホームページ)ページ内の図を使用

微生物は、低温では働きが鈍くなりますが、20℃~40℃くらいの温度では非常に活発に活動し、どんどんヒスタミンを作ってしまうのです。

漁獲後の魚を、しっかりと低温で流通し、新鮮なうちに食べれば問題はないのですが、低温管理ができていなかったり、流通や製造の過程で多くの時間がかかってしまうと、ヒスタミンが増える危険性が高くなります。

一度増えたヒスタミンは、なんと加熱では分解できないんです。細菌なら加熱でやっつけることができるのに、ヒスタミンは厄介ですね。

これを気づかずに一定量食べてしまうと、1時間以内にアレルギー様反応が発生し、口の周りや顔がしびれたり腫れたりすることがあります。また、頭痛や吐き気、最悪の場合は意識障害などを生じることもあります。

ヒスタミンは細菌と違って、それ自体がピリピリして異変を感じることができるため、生の赤身魚を食べて舌がピリピリしたときは、要注意!!
悪くなっていないかよく確認し、心配があれば食べるのはやめましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?