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プレデモデイ直前に大きくピボットした話【気づきと学び】

株式会社kitafukuです。
現在、IoTデバイスの開発を行っています。


タイトル通り、プレデモデイ直前にピボットしました。
ピボットとは事業の「方向転換」「路線変更」のことです。

なぜピボットしたのか

2/19(金)にプレデモデイを行うこととなりました。
3/26(金)のデモデイ前に練習がてらプレゼンする、という場です。

そこをターゲットに資料を作って、原稿を作って、
ピッチ前に発表の質を高めるために練習・・・
とその前に資料と原稿を見てもらえないかメンターの方へ相談しました。

資料はアイデア段階のプレゼンで作り込んでいたので課題の定義や解決策、
作りたいモノ、今後の事業展開・・・
採択いただいたこともあり、我ながらきれいにまとまっていたのではないかと思います。

作りたてなのでつっかかりながら「どうでしょう?」という感じで見ていただきました。
そこでいただいたコメントが
「熱中症予防を推すんですね。ニーズあるんでしょうか」
でした。
そもそもの本質から考え直さなければならないコメントをいただきました。

課題の本質とは?
を根本から問い直すきっかけになりました。

コメントをいただいた日の夜に改めて課題の前提を見直して
今回、ご協力いただく共創企業の担当者にヒアリングさせていただけないか
アポをとり、軌道修正を決断しました。

このあたりの細かい経緯は、前回のnoteに詳しく書いてみました。

今回は、ピボット前と後でどのような変化があったか。そこで得た学びについて書きたいと思います。

ピボット前

「工場ではたらく人をまもる」をコンセプトにアイデアを磨いて
アクセラレーションプログラムのプレゼンコンテストで採択いただきました。

・夏場にマスクを外せない作業員を熱中症から守る。
・周りに助けを呼べない状況から作業員を守る。

これらが求められてる機能だと思い込んでました。
この時点では
採択いただいた=求められてる機能
と勘違いしていたことに気づいてませんでした。

活動してる中で色々と話を聞いてくれる方にも
「それいいね!」
と言っていただいたこともあり、採択企業の方からも反応が良かったため
“梅雨〜夏場の熱中症を組織で予防する
を前面に出した開発を続けてました。

ピボット後

「誰」の「何」を解決する課題なのか、そこにニーズはあるのか。
この問いに自信を持って得られる回答はなく、
「誰」の「何」を→「工場ではたらく人」の「熱中症、不慮の事故」を予防
までは即答できましたが、ニーズについては曖昧でした。

そもそも倒れる人がいる=企業にとっての甚大なペイン(課題)
は仮説ベースでの課題でした。

採択企業へヒアリングしたところ
「そもそも熱中症は発生させない環境づくりを徹底している」
「体調不良を予見した段階で、朝からラインに入れない」
とのことで、採択企業のニーズはほぼありませんでした。

そもそも、プレゼン審査のときに
“位置情報が取れるなら人流データが見れるかも”
というフィードバックをいただいており、
求められているデータのヒントはずいぶん前からあったのです。

いいね!」と言われる機能や褒められる機能にばかり気を取られ
欲しい」機能をどこか疎かにしてしまっていたことに気がつきました。

そこから舵を切って、「位置情報を知ることで提供できる価値」
を見出し、企業ニーズを探ることとしました。

開発の優先を「位置情報をある程度、正確にとって表現すること」とし、
それによって
「誰」の「何」を解決する課題なのか
を仮説を立てつつ、現場ヒアリングを行っている状況です。


得られた学び

今まで自分たちが開発してきた機能やこれから進めていこうとしてる機能は
あくまで仮説ベースで課題を立てていた時点からブラッシュアップできていませんでした。

ニーズを精査せずに「それいいね!」と言われ、自分たちが作りたい機能を作ってしまってました。

「いいね」と「欲しい」には大きな壁があることは気づいてました。
その上で自分たちも気をつけていたつもりでしたが、
“つもり”だったことに気がつきました。

今回、ご協力いただくトヨタ自動車九州様との実証実験直前、プレデモデイ直前に
そもそもを見直すことから始めることになってしまったのです。

スケジュールを考えると大きな痛手にはなってしまいましたが、
「今気づいて良かった。手遅れになる前で良かった。」
と自分たちに言い聞かせて、もがいています。

リーン・スタートアップや起業の科学、その他文献を読みあさって
知識として知ってはいたものの、そのまま実行はできないもので
行動して手痛い教訓を得ることになりました。

まとめ
〜繰り返さないために〜

課題の仮説検証をしつつ、現場のニーズをしっかり拾っていくところに一番時間をかけるべきだったかと反省しています。

今後、自分たちももちろん気をつけますが、
「これからスタートアップに挑戦する」
「アクセラレーションプログラムに参加する」
といった立場の方に同じ失敗をしてほしくないかなぁ、と思ってます。


どうしても自分たちが作りたい機能や「いいね」の反応が多い機能に目がいってしまいますが
課題の本質にアプローチして「欲しい!」と言ってもらえる機能や事業構想をしっかり固めて、強みを磨いていかなければ・・・と思ってます。


(とはいえ、熱中症予防についてもニーズはありそうで、どこかのタイミングで実装したいなぁ、という気持ちを捨てきれずにいます)

===

今回お話した事業のプレスリリースです。
検証した機能からは変わっていくと思いますが、企業の課題を解決する「本当に必要なデバイス」になるよう開発を続けます。


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