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小説とエッセイ(2022)

いつまでたっても新人賞を受賞できないし、このまま誰にも読まれずにいるのもしゃくなので数年前からカクヨムに小説を載せだした。運よく賞を受賞して、本を出している。キャラクター文芸部門の大賞をいただいてデビューした。でも受賞するまでキャラクター文芸、をまともに読んでこなかった。なのであわてて数冊読んだ。なるほどこういうのが売れてるのか、とたいへん勉強になったけれど、自分はこういうふうには書けないな、と素直に白旗をあげた。
たまに「この人のはキャラ文だから(とかライト文芸だから)」と言われ、読みもしないで難癖をつけられたり、「これはキャラ文じゃねえだろ」と愛好家にそっぽを向かれたりもした。それ以上に気に入ってくれている人もいて、とてもありがたい。

なのでどっちつかずの人、みたいになって書いている。はじめのうちは、どうもそういうのはいけない気がする、と思ったけれど、でもやっぱり自分の書きたいように書こう、と決めた。20冊くらい出したら、なんとなくどこかに居場所ができるんではないか、なんて楽観的に思った。まあでもいまのところ次作の依頼もないので、このままだと居場所が見つかる前に自分が消えるかもしれない。なので編集各位、依頼してください。でも何処の馬の骨どころか、よくわかんないやつに依頼したくない、というのもわかる。そこをなんとか。
デビュー作が「ケータイ小説コーナー」に置かれてたのを見た時はたまげた。ケータイ小説も読んだことなかったので。最近は文芸書のコーナーにひっそりとある。見つけるとほっとする。

エッセイもそうだ。最初はカクヨムに書き散らしていたんだけれど、あんまり読まれない。エッセイを書きませんか、なんてあまり言われない(ごくたまに、言われると飛び上がるほど嬉しい)。なので、noteに書き散らしている。いくつかマガジンを作ってはいるけれど、過去現在未来とびとびで、いちいちまとめる、ということもない。とりとめがない。書きたいように書いているから。noteの場合はちょっと気の利いたことを書くとその回はぐんとPVは伸びるのだが、別のエッセイにいったりフォローとかいいねなどは、もう壊滅的に少ない。まあいつか有名にでもなったら増えるのかもしれない。未来に期待したい。

Web出身というと、ちょっとひかれるときがある。でも別に、Web出身でも紙媒体に活躍を伸ばしている人はたくさんいるので、多分僕の知名度が「Web出身」と書かれる程度にとどまっているからだろう。昔大学で小説の書き方を教わった人にも遠回しに「文芸誌でデビューしないと」と言われた(というか苦言を呈している動画を見た)。なんだか申し訳ない気持ちになったのだけれど、そもそも俺、あまりいい生徒でもなかったし、まあしょうがないかな、と思う。尊敬は変わらないけど。なにか文学賞でもとるまでは認めてくれないだろう。認めてもらってどうなんだ問題もあるんだけど。

そうそう、鎌倉のある店の学生バイトに「あなたの小説なんて時間の無駄なんで読まないでもいいって言われました」「なにか成し遂げたことでもある口ぶりですねえ」みたいなことをほざかれ鼻で笑われた(いまだに根に持っている、なのでわざわざ「鎌倉」と書いた)。とりあえず、他人の仕事を尊重できないやつはいくら自分の仕事に誇りをもとうとだめだよ。

まだまだ先は長い。先は長いけど、寿命は有限なので、ひとまずせっせと書いています。

そのうちなんとかなるだろう、と思いつつ、明日はどうなるかわからん、これが最後になるかもしれない、と思いながら書く。だいたいみんなそんな感じなんだと思う。
わざわざ言われても、書いている。

先日、ファンレターをもらい、少し泣いた。


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