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洛陽三十三所巡礼

考えてみれば落陽三十三所巡礼が、はじめて満願となった巡礼だった。去年の秋のことである。
そもそも落ち着いた気持ちで参拝は挑むものなんだが、あといくつ、ここから次の寺まではなどとあわただしくしてしまい、静かな、なんてことにはならない。自分のせっかちさがでる。落陽の場合は市内で近場をめぐるので、今日はここまで、でなくあと一時間(寺が閉まるのが四時とか五時で)へとへとなのに貪欲に行こう行こうとした。
汗だくで朱印をもらう、とか、なにかのツアーで参加してるんじゃないんだから。しかも有名なところ、ひっそりとしたろころが入り乱れ、はっきりいって無名なところを見つけるのはなかなか大変だったGoogleマップを駆使しての巡礼である。
え、ここいつもバイトに行くのに通っていた、けど一度も入ったことなかった、なんて場所もしばしばである。
ガイドブックに大きく載っている寺ならともかく、京都に寺社は無限にあるのだ(気持ちの測り)。
そうそう、満願したとき、一息つこうと缶コーヒーをあけたらこぼしてしまい、大事な御朱印帳にシミをつけてしまった。
なんだかもうしわけない。遠足は帰るまでが遠足、とあるように、巡礼もまた、家に帰るまで慎重でいなくてはならない。
朱印をもらうことにやっきになったせいで、写真を撮っていなかった、という場所もあるので、再び出向いたりもした。
廬山寺やら新長谷寺(真如堂のなかにある)など。どうも東山周辺はとくに撮影することが頭からすっかり飛んでいたらしい。
再びGoogleマップを手にしながら歩く。歩きながら、ほかの寺社に寄る。
巡礼、ということでなく、ただ散歩しながらのんきに歩きたかったのだ、と思い出す。やっぱりのんきに落ち着いてめぐるのが、いいのだ。

(写真は金戒光明寺。御朱印をもらったあとで『燃えよ剣』読んでいたらでてきてびっくりした。やっぱりいろいろ下調べしておいたほうが、観光は楽しいのかもしれない。)

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