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天才たちの作品展

としまえんが閉園してから長いこと工事をしていたが、いよいよオープンした。

ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター

少し前に、内覧会に行った。
招待状が届いたとき、せめて1話(賢者の石というやつ)だけでも観てから行こうと夫と話したものの、結局前日の夜に私だけがやや早送りしながら観て、ポイントをかいつまんで夫に共有、という流れになった。映画はふつうに面白いし、きれいだし、女の子の演技は上手だしかわいかったが、ストレンジャーシングスみたいなドキドキ感はなくてなんていうの、ファンタジーだった(世界的にそう言われてるわ)。どうして世界中で老若男女に大ヒットしているのかは、私にはよく分からなかった。

内覧会当日。「ハリー&ポッターのさ」とまちがえ続ける夫を訂正しながら施設に向かう。

とりあえず3人いるだろ。

結論から言うと、施設は(映画よりずっと)面白かった。素晴らしかった。
内装デザイン・展示作品・カフェメニューなどのビジュアル・クオリティが劇的に高いのだ。外観はあんなにプレハブっぽいのに。才能あるクリエイターたちが全力で、お金をふんだんに使って仕事をしたのだと感じた。ああ、少しうらやましいな。と思った。

ハリーさんようこそ練馬区へ。

入り口を入ってすぐ、天井に巨大なドラゴン(?)がばーん!といた。ここがまず最初のフォトスポットなのだろうがなんとなくカメラを向けられない私たち。このばーん!氏をどなたか存じ上げないからだ。
夫「この鳥は?」
らに「映画の第一話でたまごからかえったドラゴンかも。ここまで大きいのはわたしも初見」小声でひそひそ。

…よし、グッズを見ようか! いいねそうしよう!
入って3分で気を取り直すノン・ハリー夫婦。

しゃれおつなグッズ売り場

キャラクターをプリントしているだけではもう勝てない。そういうキャラグッズ事情はわかっているけど、圧勝だと思った。あらゆるグッズが、映画内のシーンを思い出せるようになっていることが第一話しか観てなくてもわかった。杖を売っているコーナーでは、普通ならバックヤードにあるだろう杖の在庫(箱)たちが棚にうずたかく陳列される。これは、ハリー少年が最初に杖を買う店のシーンに合わせている(のでしょ?)。そして杖は、安全性において疑問視されるのでは…と思うくらい先が尖っていた。映画にとても忠実につくられているのだ。一方で、いわゆるアニメっぽいイラストでキャラが描かれたグッズもあった。「こういうの欲しいでしょ」の全方位攻撃である。私もつい「百味グミ」とやらを買ってしまった。グミ、1900円。は?

デザインクオリティの高さに感動しながら見ていたら、その熱心さを勘違いしたのか店員が近づいてきた。店員さんにとっても内覧会はリハーサルだから、積極的なのである。彼らは、目の前の40代男女が「賢者の石」だけ早送りしながら見た妻と、その妻からすべての情報を得ようとする夫であることを知らないのだ。なるべく目にとまらないように逃げていたのだが、お客が少ないこともあり逃げきれなかった。私の「店員に見つけてもらえない呪い」はホグワーツ仕込みの魔法を前に全く効かなかった。「この杖、手にとってみてくださあい!」つかまってしまった。店員「この杖は(外国人の名)のお父さんが(なんかえらいことした)ときのシーンで使われていたものですよ。ここ、抜いてみてくださあい!」

シャキーン! 

なんか短い棒でてきた…!
「うわー(短いですね)」
「1万3000円ですか(高いですね)」
もうほんと話すことなくて、汗をかきながら逃げた。

しかしほぼ知らないものばかりのショップで30分も楽しんでしまった。おしゃれなんだもの。私はハリポタの基本情報を夫に伝えつつ(子供たちは魔法学校の寮に分かれて住んでいる。動物はそれぞれの寮のモチーフ。スポーツユニフォームっぽいのがあるのは球技みたいな試合のシーンがあるから。以上)カフェに行った。休憩である。

有名なお食事のシーンの再現をしているカフェ

メニューも、見た目からかわいくてわくわくする。考えるの楽しかっただろうな。夫「としまえんの(哀しい)食堂思い出すと涙でるな…!」

いつもながらおいしそうな私の料理写真

賢者の石がのっているティラミス(写真左)、かなりのおいしさだったそう。夫はあだ名がティラミスになるくらいこのケーキが好きで「これを食べるだけに入場してもいい。」と言い切った。いったい誰がティラミスに7000円支払うのか、マリーアントワネットに改名したらいい。

さて、ではツアーに参加するか。1時間もツアー前に遊んでしまったな。
この施設の本番はツアーである。映画のセットや衣装を展示し、撮影裏話などを見ることができる。つまりハリーポッターシリーズをつくった天才クリエイターたちの作品展なのです。しっかり見ると4時間くらいかかるらしい。最初にとおされる部屋で見せられた映像で「どんどん写真を撮って、SNSにアップしてくださいね!」と言われたあと、巨大なセットに案内された。お客さんが興奮してキシーキシーと写真を撮りまくりながら歩き回るそばでスタッフが「オープンまではSNSにアップするのはご遠慮くださーい!」などと言っている。絶対みんな聞いてないと思った。

街を歩く。途中で夜になったりもする
ね?

街も、電車も、お城も、小道具も、すごいなこりゃ。だった

魔法っぽい!ねるねるねるねとか言わないでたのむ


なんのシーンか全然わからないけどハイクオリティ

この世界を文章でいちから書いた人もものすごいが、ひとりの人が書いたものを膨大な人数の人が同じ絵を頭に描いてビジュアル化したのもすごいと思った。

デザイナーさんお待たせ、いろんなロゴまとめたコーナー(写真…)
誰かんち。お皿はヴィンテージの本物だそう
こういうシーンがあるんですよね
タイルのイラスト、かわいい〜


館内、電波がしんでるのが気になった。昔のTDLみたいに全然つながらないのだ。
話しかけてくるスタッフから微妙に逃げ続けたからか、帰ってきたらすごく疲れて気絶するように寝てしまった。
お口直しに(失礼だ)起きたあと、池袋のジュンク堂書店に行った。本屋さんに行くとなんだかリセットされますよね。こんな非・ハリーな私たちをご招待してくれるワーナーさんは器が大きいです。
ありがとうございました。


夫「あれ誰?」らに「しっ!あれがハリー&ポッターだよ」


ツアーに来られる方に、この地が誇るおいしいお店をひとつご紹介しておきますね。

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