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NO.9『事件①“散らかった部屋…”part1』

梅雨に入りジメジメした日がつづくとなんとなく気分も重くなる。それに加え母との毎日は事件だらけ。
こんな事件がありました。長くなったので3週に分けて。ちょっと聞いて~

へっぽこ娘

先日、母と向き合うようになってから最大の事件が起きた。母が2泊3日のショートステイから帰ってきた日のことだ。今思うと迎えに行った時から少し様子がおかしかった気もするが、今までもあまり機嫌よく帰ってきたことがないのと、ステイでの記録にも割と落ち着いて過ごせたと記載されていたので気にも留めていなかった。母の口からは「つまらなかった」「もうあそこへは行かないわ」との言葉がチラホラと出てくるが、これもいつものことなので流していた。ところがその日はそれで収まらなかった。夕食の時間に呼びに行くと真っ暗な部屋の中で座り込んでいて「ご飯なんていらないわよ!」と口調が強い。「どうしたの?何かあったの?」と聞いても理由を説明することはできず、返事もしない。こんな態度もよくあることなので、「そう、わかった。じゃあ先に食べるね。」と言い残し、私は2階へ上がった。その日は主人が出かけていたので、一人夕食を食べ始めたその時、ガチャ~ン!!と食器が割れる大きな音がした。続けてガタン、ピシャンと大きな音が下の部屋から聞こえてくる。これはただ事ではないと急いで降りていくと、母があらゆるものを床に投げつけていた。「まったく!」とか「もう!」とか何か怒りの言葉を発していたと思う。とにかく食器やハンガー、飾ってある物やそれを置く台のような家具まで手に取れるものすべて投げつけ、床には割れた食器が散乱していた。「どうしたの!!」と言ってもやめようとしない。母の顔を見ると何かスイッチが入ったようなすごい目つきをしていた。「どうもこうもないわよ!」と止める私の手を振り払い、まだ何かを投げようとする。しまいには植木の鉢まで抱えて私に向かって投げようとしたのでさすがにそれは取り上げた。「いい加減にして!どうしたのよ!」制止するためにケガしない程度に母をベッドに押し倒す。それでもやめようとしない。すごい力で今度は私に向かってきた。どうしよう。警察を呼ぼうか、それとも救急車?!色々な思いが湧き上がる。そうこうするうちに今度は「もうこんな家出て行くから!」と言いながら外へ出ようとする。「割れた食器でケガするよ!」と言っても「ケガしたっていいんだよ!」と叫ぶ母を止めながら、すがる思いで姉に電話を入れた。電話口から聞こえる怒鳴り声と大きな音にただ事でないと察した姉は「とりあえずそっちに行くから」と言って電話を切った。姉の家からはどう頑張っても1時間半ほどかかる。それでも姉が来ると言ってくれただけで少し気持ちが軽くなった。その間に手を振り払い外へ出て行った母の後を追って「もう暗くなるから家に入ろうよ」と言うが聞くはずもなく、今度は庭の方へ行って私に向かって植木鉢やホースのリールを投げようとする。私は近所の手前もあるので、母に反撃したくなる気持ちを必死に抑えた。すると今度は駅の方に歩き出し「踏切に飛び込んでやる!」などと大声を出すので、まるで老人虐待のように母の体をギュッと抑えながら、どうしようかと考えたそのとき、ふと近所のおばちゃんの顔が頭に浮かんだ。

今日はここまで。聞いてくれてありがとう。


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