2023.11.1
金木犀

我が家は、主人と義母と私の3人家族。主人は海外出張が多く、結婚して45年の半分は離れて暮らしていました。昨年末、主人が定年になり、一緒にいる時間が増えました。中学生の頃からお互いを知っているので、些細な事で口論になります。

先日、私は台所の流しで野菜を洗いながら、コンロでお湯を沸かして、夕食づくりをしていました。主人が手伝おうとし、コンロと流しの間にある食洗機の中の食器を取り出してくれました。その時、鍋のお湯が吹きこぼれてしまいました。

主人が「こぼれている！」と怒鳴りました。その瞬間、“どうして今、食洗機を開けるの？”と思っていた気持ちが爆発し、「お父さんが食洗機を開けたままにしているから、そちらに行けない」と言ってしまいました。主人も「こんなに一生懸命手伝ってあげているのに、なんて自分勝手なんだ！」と怒って、夕食を食べずに寝てしまいました。

私は「やっちゃった」と思いながらも、家族の喜ぶ食事を一生懸命作ろうとしていたので「自分勝手」という主人の言葉が受け入れられませんでした。

義母と一緒に食事をすませ、主人と二人でしているご供養を1人でしました。いつも、義母の介護や家事を一緒にしてくれる主人の優しい心を受け入れられず、思い通りに動けないことに腹を立てている私は、主人の言う通り本当に自分勝手だと、つくづく思いました。

次の朝、毎日している「（主人の名前）さん、おはようございます」を言いました。そのおかげで、昨日のことを謝ることができました。朝のご供養も二人ででき、「今日も一日よろしくお願い致します」が言え、とてもすがすがしい気持ちになりました。

相手の気持ちがわかると、こんなに温かい気持ちになれることを実感できました。「〇〇さん、おはようございます」は魔法の言葉です。