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なんでイエーを入れたらお湯が沸くんですか?

前回のnoteで書いたように、僕は空前絶後超絶怒濤の座付き作家になりました。

そして、初めてのネタ作り。
忘れもしません、西武新宿駅高架下のイタリアントマト。

初めて人のネタを考えるという作業。
相手は、そこまで話したことのない先輩。
作家人生の第一歩として、面白いネタを書けるんだってところをアピールしなくては。

そんな事を考え緊張しながら、ネタ会議スタートです。

今、どういうネタ作ってこうとかってあります?

ん〜とね、今考えてるのはね、、、、

先輩のアイデアを聞き漏らすまいと、全力で聞く僕。先輩風に言えば、リミッター解除です。

リミッター解除。レディガガ。ジャスティンビーバー。俺の乳首がセレブリティ。なんでもないOK。

そうして、全力で聞く態勢の僕に先輩はアイデアを話し出しました。

ん〜とね、今考えてるのはね、、、、

俺が客で、コンビニでカップラーメンを買ってお湯を入れるのね。

でも、ポットの中はお湯ではなく水なのね。

だから俺はポットに、イエーをサンシャinしたんだ!って言うのね。

すると、あっという間にポットからお湯が溢れたんだ。イエー!!って叫ぶっていう、、、

こんな感じのネタかな!




ん??

強めの聞き間違いしたのかな?




どういうネタだ?
そもそも、このネタはオチてるのか?
ネタって、叫べばOKなんだっけか?


弱パニックに陥る僕。

先輩はまっすぐな目でこっちを見ている。

僕から出た言葉は

なるほど、、、、ん〜、、、、なるほど、、、、

今でこそ、先輩後輩の垣根を超えて遠慮なく意見を言えますが、当時は

なんでイエーを入れたらお湯が沸くんですか?

この一言が言えませんでした。

今思えば、彼のネタに対して

どういう意味なのか?
なんでそうなるのか?

そんな事を追求する方がナンセンスなんです。

追求したところで、こんな答えが返ってくるに決まってます。

なんかおもしろくない?

当時僕が芸人としてやっていたネタは、しっかりしたルールや設定があるネタでした。
作家としての経験値が低い僕は、自分の守備範囲外の未知との遭遇にあわあわしてしまい、テンパりました。

結局、その日はそこそこ長時間会議をしましたが、僕からは芯を喰ったアイデアを出すことができませんでした。

またよかったらネタ作りしましょう!

そう言ってその日は終了。

それ以来、お互いにネタ作りしようと声かけることはなく、僕は違う芸人の座付き作家になりました。

次は、お笑いとしての会話が合う人を探そう。
こうして僕は、次なる芸人の座付き作家になりました。













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