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ワタリ119という男

明日、R-1ぐらんぷり2020の決勝戦と敗者復活戦が行われます。
その舞台に立つのが、ワタリ119という男。
このワタリ119という男、なかなかにして、なかなかです。

以前の記事で少し書きましたが、前回のR-1から一緒に参戦していますので、今年で二度目の参戦です。

たった二度目の参戦なのですが、R-1に対しての意気込みはすごくて

「今年はマジで優勝しないとダメですね・・・」

とか本気で言うんです。

これね、何年も連続で決勝に進出しているおいでやす小田さんとか、ルシファー吉岡さんが言っているならまだしも、去年一度だけ参戦した男の言うセリフではないよなぁ〜と思いながら、さすがワタリと微笑んで聞いてました。

他にも、準決勝進出が決まった際のLINEでのメッセージ。
ネタとかフリップの準備とか手伝った僕に、わざわざお礼のLINEをくれるんです。

「ほんとに感謝の言葉を考えても、ありがとうしか出てこなくてすみませんが、ほんとにここからよろしくお願いします!(原文ママ)」

『ありがとう』だとタメ口なんだよなぁ〜と思いながら、さすがワタリと微笑んで返信しておきました。

確か、向上委員会のモニター横の相談から始まったのがワタリとの始まりだったと記憶しています。その前からコンビの方向性の相談などには乗っていたのですが、具体的にネタとかの事を話したのはその時が初めてでした。

その流れで去年のR-1のネタ会議をして思った事。

あれ?ワタリってお笑いの脳みそは賢いんだな。

でした。これは去年・今年とR-1予選を観たお客さんも、同じ感想を持っているのではないかと思っています。

向上委員会などの印象から、ワタリといえば天然でポンコツのようなイメージが付いていると思いますが、ネタや構成などと言った部分に関しては、実は賢いんです。少なくともイヌコネクションよりもわかっていると思います。

だから、ワタリ=ポンコツのイメージでいる予選のお客さんは意表をつかれるんだと思います。

余談ですが、半年ほど前のWELのネタ見せの直前に、入学したての31期生のネタ見せの授業をしていまして、それ終わりでWELのネタ見せに遅れて参加しました。
そこで他の作家さんにダメ出しをもらっていたのがイヌコネクション。
そのダメ出しの内容が、その直前に31期生に言っていた内容と全く同じでした。
コントで最初の方に教わる「そんな変な店員のいる店、出ればいいじゃん。」のやつです。

余談ですが、イヌコネ杉浦はダメ人間です。戸川はクソ人間です。最高のコンビですね。

余談ですが、イヌコネ戸川とWEL終わりでご飯行ってましたが、一度も出待ち対応してるのを見たことがありません。なので、一度も待たされたこともありません。最高の後輩ですね。

話をワタリに戻します。

去年の準々決勝、終わった瞬間にこれは絶対に受かった!と思いましたがまさかの不合格。

そして今年は3回戦・準々決勝・準決勝と全ての予選で「これは受かっただろうな。」と思えるくらいの笑いをかっさらって、決勝までコマを進めました。

正直に言うと、今の勢い・イメージとネタのギャップなども加味して、50%くらいの確率でワタリは優勝すると思います。

思ってました・・・

そう、無観客になるまでは・・・

今年と去年の二本。この二本のネタを引っさげて決勝の舞台に行けたら予選の手応え的にもブロック通過して、そのまま優勝できるって本気で思っていました。

今年のR-1の決勝戦の顔ぶれですが、大きく分けて二つのルートで決勝に進んで来た人達だと思います。

予選の笑い声を説得力に決勝の舞台に進んだ人。
予選の芸を説得力に決勝の舞台に進んだ人。

ワタリは間違いなく前者です。

はっきり言います。おいでやす小田さん・ヒューマン中村さんと、「芸」を比べられたら勝てません。

そりゃそうです。芸暦も舞台経験も圧倒的に違いますし、何よりも生粋のピン芸人のお二人。R-1の決勝に何度も立ち、ネタも年間に何本も作ってきている。芸人人生で一体何本のピンネタを作っていらっしゃるのか、想像もつきません。

それに比べてワタリの持ちネタ数


2本


去年の1本・今年の1本。計2本です。

歴代の賞レースの決勝に行った芸人の中でも一番少ないんじゃないでしょうか?

そんな要素もあって、R-1の決勝が決まりめちゃくちゃテンションが上がっていた僕ですが、安倍首相の会見を見て僕は一気にテンションが下がったのを覚えています。

奥さんも、「あ、こいつ完全にやる気なくなった。」と気づいていたそうです。

無観客ではワタリの優勝はないだろうなぁ・・・つまんね

そう腐っていた僕のところに唐突にLINEがきました。

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僕が腐っている空気を感じたのか、自分で自分に気合を入れ直したのかはわかりませんが

「絶対に優勝しましましょう!」

「逆に燃えてきました!」

君は消火する側だから燃えちゃあダメよ。

なんてことも思いながらも、熱い思いというか、ここ数年感じてなかった、うぉ〜!っていうやつ。そんなんを思い出させてくれました。

ワタリという男は、とにかくまっすぐ進む男です。良くも悪くも、不器用です。

一年のうち三ヶ月しかピンで活動していなくて、それもまだ二年目。ネタ二本しかないのに優勝を本気で信じてます。

芸がどうとか、タイプがどうとか、確率がどうとか、しゃらくさい計算とかしてる自分がね、アホらしくなるんです。近くにいると。

なので、明日はワタリと話し合って、特に無観客対策とかせずに今できるベストなネタを思いっきりやりきろう!ということになりました。

是非みなさん、ピンネタ二本しかない王者の誕生を期待してください。絶対に優勝します!!


追記「サンシャイン池崎という男」

サンシャイン池崎という男の話

3年ぶりに参戦のR-1ぐらんぷり。
大阪の準決勝の舞台で、反って板付きののち、イエー!!!と叫んで目の前が真っ白になり舞台上で記憶が飛んで倒れかけ、心配したMCが登場し、ネタをやり直し、その後やり直したネタで再び反って板付。ネタ中に叫べば叫ぶほどお客さんに心配をさせた男。

舞台降りた後に後輩の僕に「あんたは絶対決勝ないから、大阪のうまいホルモン屋探しておけ!」となじられ探してきたホルモン屋が本当にうまい店だった男。

本当にうまいホルモンとお酒飲みながら、いい一日だったな。とぬかした男。

そんな男は、自分への怒りで震えているそうです。勘の鋭い方はどういう状態で敗者復活のネタに挑むのかわかるかもしれませんね。

この人はずっと一生懸命真面目にふざけています。最高です。

もしも、敗者復活で池崎さんが勝ち上がったらCブロックはこんなことになります。

ヒューマン中村
おいでやす小田
ワタリ119
サンシャイン池崎

こうなったら、このCブロックの瞬間に日本で一番R-1を楽しんでいる人間の自信があります。

もしも実現したら、無観客で静かなスタジオの中にケタケタと笑う不愉快な笑い声が響くと思いますがご容赦ください。

あぁ楽しみだ。








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