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文系の blender 4.1 マテリアル | 28年後..

はじめて、映画「スターウォーズ」をみたとき、登場するホバーカーや宇宙船が汚れていて、「すごい、リアルだ」と思った記憶があります。それまでのSF映画の乗り物といえば、ピカピカなのが当たり前だったからです。

そのようなことで、ここでは、経年劣化用のマテリアルを作ってみました。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



Happy Birthday


誕生日プレゼントの Villac 社 幼児用プッシュバイク、クラシックレースカーバージョン。箱から出したばかり。

ボディ部分マテリアル

マテリアルは、デフォルトのプリンシプル BSDF の 粗さ(Roughness)を 0.1 となめらかに変更したのみ。ベースカラーは左の画像を作った。HSVノードですこし画像の彩度を上げている。


8 days later


8日後。毎日のように楽しく乗り回したため、塗装がすこし擦れた。お決まりのステッカーも貼った。

前述のベースカラーノードは、グループ化した。

ノイズテクスチャを、プリンシプル BSDF の 粗さ(Roughness)に接続。出力されるパターンの、黒寄りの色がなめらか、白よりの色が粗くなり、微妙ではあるが。表面の反射に不均一性がうまれる。

鏡面反射に若干の変化が加わる。


Group Node

複数のノードを選択し、⌘(Ctrl) + G でグループ化できる。Tab キーでもとの画面に戻る。ノードが多くなってくると整理できて便利。

ノードグループ化。右上のアイコンで展開。



28 days later


すこしはやいかもしれないが、徐々に色もあせてくるだろう。各パーツのベースカラーの色の彩度(Saturation)を落とし、必要に応じ、ベースカラーにノイズを加えた。

ボディ部分。彩度を 0.6 とした。ゼロとすると、白黒画像になる。
車輪部分表面 カラーミックス(Mix Color)で、上で作成したベースカラーに、粗さ用のノイズテクスチャをミックスした


28 Weeks later…


半年後。すこし飽きて、やや放置気味。その間、あちこちにぶつけ、擦り傷もできた。

バンプ用の画像は、ambientCG Metal001 を使用した。

Metal001-JPG_Roughness 画像をカラーランプで調整し、バンプを経由して、プリンシプルBSDFの ノーマル に接続した。

下はカラーランプのプレビュー。

バンプは表面の凹凸を擬似的に表現する機能。白寄りが高くなるので、上では、バンプの「反転」にチェックを入れ、逆(白が低く)とした。


28 Years later…


28年後。物置にしまったままだったのを発見する。

サビは、適当な画像を探して、ベースカラー用の画像を加工した方が自由に合成できるかもしれないが、ここではノイズテクスチャで表現した。

サビ用のノードグループ。グループ出力の、上がベースカラー用、下がバンプ用の出力。

ベースカラー。これまでのベースカラー「BaseColor」グループと、上の「Rust」グループを、カラーミックス(暗い方)でミックスした。

みやすくするため、他の入力は一時的に外した。

バンプ。これまでのバンプ「Bumps」グループに、さらに「Rust」グループの下のバンプ用出力を合成した。

上の接続で、複数のバンプノードを合成できる。


まとめ


模型の世界では、組み立てたモデルに塗装などで経年劣化的な汚れを加えることをウェザリングといい、これを腕のみせどころとして楽しむひとも多いようです。

CGでは、ディストピア的なSFやホラーの一場面をレンダリングしようというような特殊なケースでないかぎり、あまり上のような派手な汚しはしないのかもしれませんが、通常のシーンでも、ある程度のウェザリングはオブジェクトの現実感を増すのに役立ちます。参考までに。



もちろん蛇足ですが、「28日後…」(28 Days Later) は、2002年のダニー・ボイル監督による、ゾンビ映画の佳作。別監督で08年に「28週後…」(未見)が作られ、さらに「28年後…」も制作予定とのこと。

映画.com


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