木谷 修

blenderを中心に、Unity など 3Dグラフィックス に関する情報を提供します…

木谷 修

blenderを中心に、Unity など 3Dグラフィックス に関する情報を提供します。http://piccell.co/

マガジン

  • 文系の blender

    物理/光学シミュレータとしての側面も持つ blender は、理系の専門用語が頻出し、ときどき文系の頭を揺らします。そんな文系のわたしが理解できる範囲で、ライティングやマテリアルといった要素を整理しています。

  • はじめての Geometry Node

    blender のジオメトリノードについて、基本機能を中心に紹介します。

最近の記事

blender 4.1 はじめてのフォトリアル

「はじめて」とつくと、やはりローポリーからはじめることが多いようですが、ここではあえて、フォトリアル系のモデリングからレンダリングまでをタイムラスプ風に紹介してみようと思います。 すこし迷ったのですが、フォトリアルは「はじめて」とし、まったくの初心者ではなく、基本操作はすでにマスターされてるかたを想定し、こまかな操作の説明は省きました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 01. モデリング コーヒーカップ 頂点 18 半径

    • 文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | If 条件分岐

      もちろん用途にもよりますが、幸いなことに、プログラムを組むのに必ずしも高度な数学は必要ありません。 プログラムを構成しているほとんどの要素は、比較的単純な、条件分岐(If)と、繰り返し(for, while)です。それだけで、この note のウェブアプリケーションですら主要部分を構築できるでしょう。 そこで、ここでは、ジオメトリノードの条件分岐についての基本を簡単に紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Node

      • blender 4.1 知らなくて損をしていた 基本機能

        blender はまったくの独習で、なんどか中断期間もあり、基本知識があいまいで、誰もが知っている機能を知らず、ひどく偏っているような気がしていました。 今回の中断も長く(ほとんど3.xは使っていない)、この note を書き始めた理由も、忘れかけていたこれまでの知識の拾い出しと、新しい知識の習得がひとつです。 そのなかで、いままで知らなくてずいぶん損をしていた基本機能を下に書き出します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4

        • 文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | プロシージャルに花束を

          われわれのような面倒くさがりでなくとも、コンピュータに任せたい仕事のひとつは、やはり地味で繰り返しの多い作業で、ジオメトリノードはそのような作業に最適です。 ここでは、実用性が高くチュートリアルでもよくみかける Distribute Points on Faces ノードを利用し、手作業では時間のかかりそうなフラワーアレンジメント風の花枝を生成してみます。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 準備 最初に、下の3オブジェクトを作

        blender 4.1 はじめてのフォトリアル

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        • 文系の blender
          26本
        • はじめての Geometry Node
          4本

        記事

          文系の blender 4.1 | HDRI 照明

          ライティングの手法のひとつとして、HDRI 画像による環境光(背景光)を用いる方法があります。 通常のライティングのように、ライトの強さや位置などをそれぞれ調整する必要がなく、現実の環境を用いて簡易に照明を構成できるのが特長です。 ここでは、HDRI の画像のタイプ別に、そのレンダリング結果を試験しました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 3点照明 まずは比較のための、ごく通常の基本の3点照明。キー、フィル、バックライトの3

          文系の blender 4.1 | HDRI 照明

          文系の blender 4.1 マテリアル | 陶器 磁器 土器

          コーヒーカップのマテリアル作りにじっくり時間をかける機会はあまりないかもしれませんが、すこし手間をかけると比較的リアルなそれらしい雰囲気が出ます。 ここでは、焼きもののタイプ別に、器のマテリアルを整理してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 陶器 陶土、いわゆる粘土を用いた焼きもの。 デフォルトのプリンシプルBSDFから、粗さを 0.1 となめらかめに設定したのみ。これだけの設定でほぼ焼きものに見える。 釉薬の雰囲

          文系の blender 4.1 マテリアル | 陶器 磁器 土器

          文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | 円を描く

          文系のわれわれにとってジオメトリノードの数式ノードは鬼門です。 そこで、数式ノードに少しでも慣れるため、遠回りにごく普通の円(Circle)を描画してみます。それだけではつまらないので、ちょっとおもしろい円のアニメーションも制作します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 準備Curve > Nurbs Curve を追加する。(カーブ > NURBSカーブ) Geometry Node 上部メニューの Geometry N

          文系の blender 4.1 はじめての Geometry Node | 円を描く

          文系の blender 4.0 モデリング | フォークのトポロジー

          簡単にモデリングできそうなのに、意外に沼にはまってしまうオブジェクトのひとつが、わたしの場合、フォークでした。試行錯誤のすえ、わたしなりに辿りついたフォークのモデリング方法を紹介します。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 STEP 1 平面オブジェクトを追加し、後にミラーモディファイアを適用するため、右半分を削除し、下のスライスをいれる。 STEP 2 3面を削除し、下の頂点をやや下に下げる。 STEP 3 下のたて3辺を「

          文系の blender 4.0 モデリング | フォークのトポロジー

          文系の blender 4.0 マテリアル | ケーキ

          CGでフォトリアルなたべものを作るというのは、すこし難題で、丁寧な設定なしでは、なかなかCG感を拭い去ることができません。 これは、モデリングの良し悪しにもあるとは思いますが、鍵は、よりマテリアルにあると思っています。わたしなりに、これまでのノウハウを動員し、ケーキ周りのマテリアルを作ってみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 ストロベリーショート クリームのマテリアルが意外にむつかしいので、主役のイチゴを効果的にみせる

          文系の blender 4.0 マテリアル | ケーキ

          文系の blender 4.0 はじめての Geometry Node | お手軽モダンアート

          数字に弱いわれわれには少し敷居の高そうなジオメトリノードだが、手作業ではむつかしいモデリングができるなど魅力的な側面も多い。ここでは、できるだけ簡単なノードを使い、モダンアート風の図形やオブジェクトの作成を試みた。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 準備 最初に、直径 0.05 m の平らな円のオブジェクトを作成し、黒色のマテリアルを適用して、名前を Circle とした。 Geometry Node 上部メニューの Geo

          文系の blender 4.0 はじめての Geometry Node | お手軽モダンアート

          文系の blender 4.0 クロスシミュレーション 基本動作まとめ

          布のモデリングに便利なクロスシミュレーションですが、あくまで物理シミュレーションであることにはかわりなく、設定もやや複雑で多岐に渡り、思うような結果が出にくい面もあります。 ここでは、そんなクロスシミュレーションを動作別に、比較的失敗のない方法を整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 初期設定 ほぼどのシミュレーションにも共通の初期設定を下記に記述する。必ずしも必須ではなく、設定値も場合によって正しい値は異なるが

          文系の blender 4.0 クロスシミュレーション 基本動作まとめ

          文系の blender 4.0 コンポジットによるイラストレーション

          イラストレーションの作画に blender を使っている方も少くないと思いますが、ここではおもに、通常のセットアップでレンダリングした画像を、コンポジターを使い、イラスト風に加工する方法を紹介します。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 cycles イラストレーションには、EEVEE でのレンダリングが通常だが、ここでは最初に cycles のレンダリング画像のイラスト化を試みる。 ほぼデフォルトでの cycles でのレンダ

          文系の blender 4.0 コンポジットによるイラストレーション

          文系の blender 4.0 python で作る 奇妙なアトラクタ

          Strange Attractor (奇妙なアトラクタ)は、カオスやフラクタル理論でよくみる曲線のことで、それじたいは単純な数式で生成されていますが、繰り返しを重ねることで、確かに奇妙で複雑な紐のような図形が現れます。 書籍などでみる図の多くは2次元上のプロットですが、3DCGらしく3次元上に生成してみます。ここでは、python で作ってみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 Lorenz Edward Norton

          文系の blender 4.0 python で作る 奇妙なアトラクタ

          文系の blender 4.0 マテリアル | フルーツ

          草花などとならんでインテリアシーンの雰囲気づくりによく貢献する果物ですが、適当にマテリアルを当ててしまうと、つくりものの置物にしかみえないことがほとんどです。 そこで、形状はあまり作り込まなくても、マテリアルのみで比較的リアルにみえるフルーツを、いくつかのタイプ別に整理し作成してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 タイプ 1 表面がなだらかで、ベースカラーを本物らしく設定することで、比較的フォトリアルにみえるタイプ。

          文系の blender 4.0 マテリアル | フルーツ

          文系の blender 4.0 プリンシプル BSDF 全解説

          すこし偉そうなタイトルですが、ここでは、blender のマテリアル作成の中心機能である プリンシプルBSDF について索引的にすべての機能を整理してみました。 なるべく専門用語を避け、可能なかぎり平易なことばで説明することを心がけました。 ただし、あくまで理系能力の極端に乏しいわたしの理解範囲内になります。間違いがある場合はお知らせいただければ幸いです。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 プリンシプル BSDF とは これ

          文系の blender 4.0 プリンシプル BSDF 全解説

          文系の blender 4.0 映画に学ぶ、照明と色彩補正

          作成した作品をより良く見せるには、やはり照明は大切な要素です。 また、blender のコンポジットノード上で、一般の画像加工ソフトウェアと同様の色彩補正/加工を行うことが可能で、この補正によっても雰囲気をおおきく変化させることもできます。 タイトルはややおおげさですが、ここでは、照明とコンポジットノードでの色彩補正について、映画のワンシーンを参考に、気楽にその効果を試してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本の

          文系の blender 4.0 映画に学ぶ、照明と色彩補正