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地球最後のフロンティアに挑もうぜ!

 メタンハイドレート開発に関しては賛否が激しく議論されているけど、僕は失敗しても良いからやるべきだという立場に立つ。 理由はそれが有る場所が地球最後のフロンティア(不確実性の塊)だからだ。
 「資源大国になる」などの甘すぎる夢を言い過ぎるのはさすがに問題があるけど、 日本には深海という地球最後のフロンティア(不確実性の塊)を沢山抱えており、これを有効活用する努力はどう考えても必須だろうと思う。
 正直、メタンハイドレート、レアアース泥、コバルトリッチクラスト、これらは、全部失敗しちゃう可能性は高いと思う。 だけど、日本国内の深海(不確実性の塊)にアプローチする知見や技術力を高めるのは本当に重要な事なのだ。
 例えば、知見や技術力が高まれば、深海に武器を設置することも可能に成るだろうし、その武器は敵が取り除くことが不可能な最強の防衛に成り得るものだ。
 さらには深海への実地調査能力そのものが、地震予測を正確にしてくれる可能性だって非常に高い。
 深海の生物だって研究することは重要だ。ちなみに最近、北極海でのメタンハイドレート採掘を研究する過程で、ディクラテリア・ロタンダという藻類を発見した。ガソリンと同じ成分を作り出せる植物の発見は世界初である。これの養殖化や改良化も始められているようだ。以下のリンクでは内容が上手く纏められている。
https://www.erestage.com/seabed/gasoline/

 だいたい自分たちの国の中に、良く分からずアプローチも不可能な場所(不確実性の塊)が大量に存在しているってこと自体が凄く恐ろしいことだと、僕は思っちゃう。日本国土内にある「分からない」に向き合い戦うアニマルスピリットは、どう考えても持たなきゃいけないだろう。
 採算ベースに乗るかって言ったって、地球最後のフロンティア(不確実性の塊)という分からないことだらけの場所のことを銭計算だけやって見せ、反対しても、正に無駄そのものだろう。銭計算なんて現在分かる範囲の短期予測以外できやしない。不確実性が高く、長期の問題になるものに対してはどう考えても無力なのだ。
 あと利権誘導だと叩く人間も居るけど、どうみても育成が必要不可欠なジャンルに、国がお金をゼロから作って人材と技術育成を行うことに悪い点なんて一つもない。
 政府の金が格差を形成したり、利益集中が起こるなら問題だけど、何でもかんでも利権誘導と言ってしまえば、政策で必要な育成を選択する行為自体が不可能になる。
 深海に対する知見やアプローチ技術が高まっているかを、僕たちがしっかりチェックすることは凄く大事だと思うけど、まだ、採算性を理由に止めろなどと主張が成り立つ案件じゃない。
 戦艦大和を作った技術者たちが、戦後、新幹線を作り上げたのだし、アポロ計画から生まれた技術からアイフォンが出来たのだ。困難に立ち向かって苦労して生まれる技術こそが尊いのであり、短期予測で金だけ考えるのは、人間として一番愚かなのである。
 この問題は地球最後のフロンティア(不確実性の塊)を大量に抱える国の必然なんだと思う。だいたい日本は投資(アニマルスピリット)不足でずっと不況だんだから、やっといた方が絶対良いよ。
 表層型メタンハイドレートは多分出来るだろうけど、分量も少ない。地産地消の地域エネルギーぐらいは可能だと思う。
 砂層型は分量はあるけど、取り出し技術が大変な上。大規模にやらないと採算性が無いみたいなので、まだまだ厳しそうだ。
 固体物を産業レベルで大量に深海から引き上げるのはまだまだだいぶ厳しいみたいなので、コバルトリッチクラストや海底熱水鉱床、マンガン団塊はまだ先だろう。
 ゴールドの含有量が極めて多いモノなど高額な資源なら労力をかけて海底ロボットでの採掘は行われる可能性はあると思う。深海調査を同時にやっているなら無駄じゃない。
 一番面白いのがレアアース泥だ。 レアアースは蓄電池やモーターなど環境問題にキーなるデバイスに使われる。
 ただ現在中国に主導権を大きく握られてしまっていて 尖閣問題の時に、レアアースを輸出を止められてしまったように、今後、状況によっては大きな問題を起こす可能性がある。
 しかも、世界の多くのレアアース鉱山は放射能物質を含んだ形で存在していて、残ったゴミの処分(テーリングダム)に困ることになるのだけれど、中国は基準を緩くすることで、環境問題を引き起こしながら無理矢理レアアースを生産している。(中国のレアアース資源は確かに放射能も少なく、ネオジムやジスプロシウムも産出する場所ではあるが、大地に直接、酸を流し込む形で行っているので、決して環境負荷が小さいとは言えない。)
 ただし、南鳥島レアアース泥は放射能物質を含まず、世界最高品位の「超高濃度レアアース泥」であり、揚泥に成功すれば、環境問題解決に大きく貢献できる。 環境負荷が少ない極めてクリーンなレアーアース資源は貴重である。(リンクから寄付も可能です。)


https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt124

 揚泥は大きな固体の他の鉱物よりはマシだろう。 極めて大きなエネルギー投入(二酸化炭素排出)しなくて済むならやるべきだ。 ただし価格面では、環境破壊を続けながら行う中国には勝てないと思う。 でも、お金の問題なら政府の助成金で下駄を履かせてもやるべきだと思う。正直、中国の無茶な動きは止めておいた方がいい。
 何故なら環境問題とは実物の問題であり、実物の問題を出来るだけ起こさない滑らかなサプライチェーン(流れ)こそが重要になる。 その技術(製品)が生み出すサプライチェーン(流れ)の中で他国であっても環境破壊する過程があったり、二酸化炭素排出量が増える過程があれば、環境破壊や二酸化炭素排出量が増大する。現在BEV技術のサプライチェーン(流れ)は無茶ともいえるほど中国がマイナス面を背負っている。鉱山からのリチウムの生産工程の二酸化炭素排出部分や、レアアースの大地の酸性汚染も、中国国内で行われているのだ。
 ユーロやアメリカの環境活動家たちもどのようなサプライチェーン(流れ)で、その技術ができるのかをしっかり考えないと環境破壊はどんどん進む。地球環境問題はあくまで地球全体の問題なのだから、中国など一部の存在に負荷を押し付けて良いわけが無いだろう。中国のBEV技術などレアメタルやリチウム生産で、最も悪質なレベルの環境破壊を行っているし、それをサプライチェーン(流れ)に組み込まねば成り立たない地点で、強引なBEVの普及計画は誤りだ。自動車はBEV一辺倒で良いわけがないし、中国の尻馬に乗っかて、出来の悪い綺麗事を並べるユーロやアメリカの環境活動家たちは本当にいい加減にするべきだ。地球環境問題も経済問題も良き「流れ」を作り出そうと努力しないと状況は悪化してしまうのである。


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