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エッセイ『結婚式で二万円包むか三万円包むか問題』

結婚式とは良いものですね。
若い頃はそんなに思わなかったのですが、最近は新婦さんのお父さんが涙ぐんでるシーンを見るだけでもらい泣きしそうになる。
そして呟く「ええやん、結婚て」…ベタで糞おもろない人間に成長してしまいましたわ、はい。

まあ、しかし、結婚式の祝儀っちゅう文化はなんとかならんもんかね?
こちとら36歳年男じゃけぇ、無論祝儀は奇数にせなアカンことぐらいわかってるよ。でもな、わし全く売れてへんし、がっつり帯でバイトしてるしそのへんの36歳とは稼ぎが違うんよ、貯金額が違うんよ、一万円の価値が違うんよ、恥ずかしいこと言わさんといてよ!
そりゃ常識的に考えれば包むのは三万よ。でも聞くところによると最近ではペアという意味で二万円の場合でも許されるケースが増えているそうじゃない?インターネットで調べたの。私、不安だから、なんてったって不安だったから。

不安で不安でネット依存の図


そしたらネットっちゅうもんはええ加減なもんで、ハッキリとした答えは書いてくれてないんですよね。祝儀は二万円で良い派の意見と同じ数だけ三万円が良い派がいるんです。なんかコメントみたいなのも書いてあって二万円派は、

「景気も良くないし、私たちがやりたくてやってるから金額なんてどうでもいい」

とか、

「昔の価値観で偶数はダメとか古いと思う。こうゆうのって気持ちだから全然気にしないでって思う」

などなど、貧乏な二万円派の私にとっては、とっても心強い背中を押してくれるような意見もあって頼もしい。

でも画面をスクロールして三万円派の意見を見ると、

「私の友達でも一人だけ二万円包んできた人がいました。正直お金じゃないけど常識を疑いました。いい歳して。金の切れ目は縁の切れ目って言うじゃないですか、結婚式以降その友人とは会っていません。」

とか、

「結婚式って本当にお金がかかるんです。料理もそうだし引き出物もそうだし色々計算して皆さんに満足してもらえるプランを考えてやってるのに、正直二万円って相当得して帰ってますよ、こっちは大赤字。ありえないと思う。」

などなど、打って変わって辛辣な意見が多いこと多いこと。
二万円派は朗らかでポジティブなコメントが多いのですが、三万円派は、
・基本文章が長い。
・怨みが文章に滲み出ている。
・言葉一つ一つが重い。
・ネガティブ。
・とっても怖い。
僕の行く結婚式が三万円派の人だったらどうしよう、今後も変わらぬお付き合いをと思って呼んでくれたはずなのに、翌日からガラッと態度が変わったらどうしよう、とか、とにかく悪い方悪い方に考えを導くコメントが多いのです。

えっ?そんで結婚するその友達って誰やって?
それによって二万か三万か判断したらぁって?
…これがねバイト先の年下の店長なんですよ。
はい、むずい。
金ないから俺アルバイトしてるし(二万!)でも年齢は7個下だし(三万!)めっちゃ融通きかせてくれる良い人だし(三万!)でも俺が金ないの知ってるし(二万!)

接戦の図


とにかく微妙な関係性なんですよ。

モヤモヤ悩んでてもしゃあないやんけ!祝い事やからどーんと払ったれ!三万!ってな感じの調子良い日もあれば、
二万でええやん二万で!手取り18万程度の人間がその月二万出すだけで表彰もんやん。普段から夜のスーパーで安くなってから惣菜買ったり薬局でドリンク買ったり努力してんねんから二万でええて、みたいな感じの悪魔が囁く日もありまして。

日頃の努力の図


結果、結婚式当日の日は調子の良い日だったから三万円包みましたけど、えらいもんで直前まで悩んだなぁ。あんなに袋を出たり入ったりする福沢諭吉見たのは初めてでしたよ、ええ、まぁ、自分でやってんねやけど。

袋を出たり入ったりする福沢諭吉

まあ、盛大な披露宴でしたし式場も綺麗でしたし立派な引き出物も貰ってしまったし、これ三万包んどいて良かった〜ってなったので結果オールオッケーでしたが、なんか、面倒ですよね、大人の人間と大人の人間が付き合うのって。

こんなたったの一万円の差を勝手に問題化にしてるくらい金に困ってる自称俳優をダレカタスケテー!お金もらえる仕事ちょーだーい!

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