小田桐あさぎさんぶっちゃけトークライブ!


4月26日、小田桐あさぎさんの著作『嫌なこと全部やめたらすごかった』の出版を記念して、はあちゅうサロン出版部内でFBライブが行われました!
今回は許可をいただきまして、その模様をお伝えいたします。

著者:小田桐あさぎさん
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聞き手:門田瑠依子さん
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━━今回は、出版に至るまでの経緯、書く上での大変さなどを伺っていきたいと思います。
  まずは本の紹介をしていただいてもよろしいですか?

「はい。4月24日に、『嫌なこと全部やめたらすごかった』という本を出版しました。今、全国の書店で展開していただいてます」

━━反響についてはいかがですか?

「なかなか情報がリアルタイムに入ってこないんですけど、Amazonでは在庫切れになってしまってるみたいです。いつ補充されるのかはわかりません…!
初版は5000部でした。気合の入った作品だと8000部だったりするようですが」

━━とても良いスタートですよね!

「ありがとうございます! 今回、お世話になったWAVE 出版さんでは、発売日前に300部以上の予約が入っていると“これはくるぞ!やばいぞ!”と気合が入るみたいですね。出版社さんにもよりますが」

━━「出版社さん側でこの本を売っていくことに、より投資していこう!」と思ってくれると、売りやすくなりますよね。

「そうですね。1冊目の本って、本屋さんがなかなか置いてくれないんですよね。担当編集者さんと営業の方って別にいらっしゃるんですが、担当さんから営業さんに

これは絶対良い本なので!売れるので!

とアピールし、次に営業さんが取次さんに

これは新人の本だけど、絶対売れるらしいんで!

とまたアピールし、それをさらに書店さんにアピールしていかないと、なかなか1冊目の本を置いてくれるケースは少ないです」

━━ちょっと話が戻りますが、最初に本を書こうと思った動機は何だったんですか?

「動機! 正直わたし、本を書こうっていうか……。まず、ブログを書き始めたのは、恋愛で試行錯誤してきた経験を世の中の人に伝えたい! と思ったことがきっかけなんですよ。

本を出すときって、絶対に自分から企画書を持ち込むものだと思ってたんですけど、同じようにブログから本を出版した著者の方から、「それはやらない方がいいよ」と言われてすごくびっくりしました。

真面目に面白いブログをちゃんと書いていれば、絶対いつか出版社側から連絡がくるから、それを待った方がいいと言われたんです」

━━へえ! ちなみに、その理由は何だったんですか?

「出版社さん側には、一日たくさんの企画が届くんですよね。数が多すぎるので、いちいちその一つ一つを見ないんです。それよりは、編集者さんが自分で“この人は面白いものを書く”と判断した人にお願いした方が良いものができるじゃないですか。

なので、そもそも企画書待ちをしていない。

万が一、企画書が通ったとしても、担当編集者さんの気合が違いますよね。
その方の場合は、自分のブログをずっと読んでくれていた編集者さんが、機を見て企画書を持ってきてくれたんだそうです。

真面目に書いていたら、絶対にそういう編集者さんが現れるよ!」と言ってもらえて、信じてコツコツ書き続けました。
そうしたら、1年ほど経った頃、ついに大手の出版社さんから連絡がきたんです!
最近は女性の本が流行っていますし、あさぎさんのブログを読んでいて是非、本にしたいと思ったので」と言ってくれました。

そのお話を受けて打ち合わせをしたのですが、結局、そちらで出版することは取りやめたんです」

━━どこがダメでした?

「大手の出版社さんだったので、個人の裁量が少ない気がしたんですよね。
勝ちのセオリー”がもう既にそこにはあって、企画ありきのところに“合う人”を探している。そういった雰囲気をすごく感じました。

一旦お話を持ち帰り、出版報告をしていた数人に相談してみたところ、
それはやめたほうがいいかもね。知り合いの編集者さんに連絡してみようか?」と言われて。
そこで紹介していただいたのが、今回お世話になった方なんです」

━━なるほど! そこで繋がるんですね。

「この方も、『あさぎさんのブログ毎回読ませてもらっています』と言ってくださったんですが、読んでいたとしても、自ら連絡をくれる編集者さんってやっぱり少ないんだな、ということを痛感。

本を出したいです!』と常にアピールしていないと、向こうから連絡なんて絶対に来ないんですよね。

著者側にも“書きたい! 出したい!”という心意気があり、さらにその気持ちにコミットしてくれる編集者さんがいることで、良い企画になるんだと思います。
これだけは、皆さんに強く伝えておきたい」

━━本の企画がまとまるまでに、どれくらいの時間がかかったんですか?

「お話をいただいてから本を出すまでにかかった期間は、約1年半です。
ライターさん等を交えずに、すべて1人で書くことを決め、出版社側にもそのように伝えました。書くコンテンツも作りこむ、と意気込んでいたのですが、それから放置期間が……(笑)

どうせ出すなら良いものを出したい!っていう職人気質が出ちゃったんですよね。

すごく恥ずかしいじゃないですか、本を出すのって。
何を成し遂げたわけでもないのに……!」

━━いやいや、そのチャレンジ精神が大切なんですよ!

「実は同時期に入っていた箕輪編集室内で、私の電子書籍を出そうと盛り上がっていました。
タイミングを同じくして、とあるパーティで担当編集者さんとお会いした時に、『あさぎさん、本の件どうなってます?』って訊かれて。

私、『やっぱりこれからは紙の本じゃなくて、電子書籍じゃないですか?』って偉そうに話したんです。

その時に言われたのが、『電子書籍(のユーザー)はまだまだ(小ない)、一般の方とは見え方がぜんぜん違いますよ』と」

━━そうなんですね。実は質問をいただいていて、
あさぎさんの目から見て、電子書籍と本のメリットとデメリットを教えてください』というものなんですが。

「実は、Kindleを始めとした電子書籍のシェアって一割もないんですよね。
一般の書籍でも、売れるのは95%が紙の本です。
これから売り出そうとしている著者が、1冊目を電子書籍で出してしまうと目も当てられないことになっちゃうんですよね」

━━最近、イケハヤさんが『売上のことを考えるとnoteの方が良い』と発言していましたが、そのあたりについてはどう思いますか?

「それは確かに、間違いありません!
紙の本よりも電子書籍の方が、売り上げの取り分が多いという面もたしかにあります。
紙の本は作るのが大変な割に、利益になりにくいし。自分でコントロールや修正もできないですしね。

ただ、例えばイケハヤさん・はあちゅうさんのように、すでに紙の本を出版してからnoteで電子書籍を出すケースは、また捉え方が違ってきます

どんなビジネスでもそうですが、自分で積み上げてきたノウハウではなく、人から聞いただけのノウハウでは“必死になれない”と思うんです。

紙の本を出版し、「こんなに頑張ったのにちっとも売れない」ということを学んだあとで、noteで同じノウハウを使って成功していく場合。
そして、最初からnoteで挑戦して「やっぱり売れないんじゃん」と諦めてしまう場合。

双方のことを考えると、やはり後者では自分の踏ん張りが効かないんです。
商業出版にこだわる必要はないですが、より自分の名前を売りたい・意見や気持ちを幅広く伝えたいという思いがあるのであれば、商業を目指すのは良いと思います」

━━本を出そう、と決まってから、企画はどのようにまとまっていったんですか?

「今回出版した本に関して、私自身も最初は1人で書けると思っていました。

それでも、1年間書けなかったんです

遂に観念して、ライターさんをつけてもらうことをお願いしました。
1回4時間ほどの取材が3日間続き、それを基にした企画書が1ヶ月後くらいに届きましたね」

━━それは、要旨をまとめたような?

「いや、もうすでに原稿でしたね、あれは。200ページくらいのものが、どーんと。
それを見て、“全然書きたい内容と違う!”って思ったんですけど、いざ聞いてみたら『あれ全部あさぎさんのブログのコピペですよ』って言われちゃいました。

それからまた、自分で企画を練り直しましたね。
5W1Hをつかって、自分が何を書きたいのかを再度、洗い出しました。
自分の人生を時系列で振り返って、グラフ化してみたり。
作業がすべて終わるのに2~3日かかりましたね

そうやってブラッシュアップを重ねていく中で、“私じゃなくても語れる話”になってしまっていたものが、“私にしか語れない話”になっていったんです。

ターゲットには過去の自分(2011年5月/28歳)を据えて、“あの頃の自分”に届けたい、という思いで書きました。
これが企画案や目次の基になったんですが、最初にみた編集者の方からはダメ出しが!

そこから何度も作り直して、やっと合意が得られた後、ターゲットを想定しながら原稿を直し始めました。
最初にヒアリングしていただいた原稿をたたき台として、それをさらに修正していく作業でしたね。

あらためて、3年間書いてきたブログを全部1から読み直してみたんですけど、確かに言われた通り、全部私が書いた内容でした。でも、切り取るポイントが違うんですね」

━━期間としてはどれくらいかかったんですか?

洗い出し作業に2~3日、第1弾の原稿直しに3日、第2弾も3日くらいかかりました。実働1週間くらいだったんですけど、これが普通みたいです。
本って半年くらいかけて書くものだと思っていたから、びっくりしましたね」

━━なるほど、すごいなあ……。

「そうだ、ここで絶対に伝えたいことがあるんですけど、いいですか?
なぜ1週間で本が書けるか、って話なんですけど。
元ネタ、私の場合はブログがあったからなんです。

3年ものあいだ、1日3時間ぐらいかけて毎日のようにブログを書いてきたので、この原稿にはそこにかけてきた“何千時間分”という時間が詰まっているんですよ。
そこからいいところだけ出してくれば、確かに3日でそれなりのものが書けますよね。

やっぱり、ゼロから始めて3日で本を書くというのは難しい。
すごくスパルタな事を言うようですが、“ブログも書けないようでは絶対に本は書けない”と私は思います」

━━なるほど、今きいていて(心に)刺さっている人は多いでしょうね。

「私、3年間毎日のようにブログを書いていましたけど、この本の一章を書くことが一年分くらいの辛さに匹敵しましたもん。本の執筆ほど辛いことはなかったです」

━━本の執筆をする上で、どんなことが一番つらかったですか?

自分の思うように書けないことですかね。あとは、不安との戦い。
ブログは書けばすぐに反応があるけれど、本はそうではない。
1週間なら1週間、ずっと不安との戦いで、ひたすら書いているのに“これが本当に良いものなのか”が全く分からないんです」

━━不安って、具体的にはどんな不安ですか?

「自信がない……。
今となっては恥ずかしい悩みですけど、書いている間は、「どうせ本なんて売れないし」って思ってました。
私なんかが本を出したって、重版が1回でもかかったら良い方なんじゃないの、って。

かと言って、つまらないものを出すのも嫌だから、そこはプライドでそれなりのものにしますけど。
でも、何でこんな労力をかけてやってるのかなって、疑問に思っちゃうことも。

きっと、“書きたい!”って強く思っていたわけではなくて、甘い考えでいたからなんですよね」

━━これからどんなプロモーションをしていきたいですか?

「私のブログって、1日1万PVくらいなんです。ということは、1万人の方が毎日ブログを見てくれているってことなんですよね。
そう考えると、予約開始のリンクを貼るだけでも、数十人くらいは買ってくれるかな、なんて思ってもいました。

それで最初にAmazonの予約リンクを貼ったら、結果、売れたのは1週間で15冊だったんですよ!
無料と有料のあいだには、すごく大きな壁があるって知りました」

━━本を買って読むって、それほど大変なんだってことですね。

「西野亮廣さんのブログで、『人が(もの)を買うのは確認作業だ』と書かれていたのを見て、それがすごく心に残っているんです。
本だって、何が書かれているか前もってわかっていないと、絶対買われないんだ、って。

だから、ただブログで『Amazonの予約開始しました!』とか言ってリンクを貼るだけでは、誰も買わないんだな、と。
そのあとブログで第1章だけを公開してみたら、その日だけで20冊ぐらい売れました。

やっぱりどんな内容が書かれているか分からないと、人は手を出しにくいんですよね」

━━最後にメッセージをお願いします!

「本を企画したり、実際に書いている最中は、こんなに辛いことがこの世にあるのか、と思うくらい辛かった。毎日、朝起きるのが嫌で、3度寝しちゃうくらい辛かったんです。

なんですけど、やっぱり売り始めてみたら、皆さんの応援をすごく感じることができました

本を出してよかったな!』って。

こんなに応援の気持ちをいただくことが出来るんだなって。すごいなって思いました、本当に。
だから、まずは是非ブログなどで、発信・書く練習をやってほしい
人生の中で、一度は自分の本を出すっていうのは本当に素晴らしい経験だったので、ぜひ出版部の皆さんも、これからどんどん出版をして頂ければ、と思います。

聞いてくださった皆さま、ありがとうございます」

━━今日はありがとうございました!



ディレクション:すずきかなさん
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文字起こし・編集:ゆうゆう



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