kitazima

小説家を目指しています。他にカクヨムに投稿しています。LGBTではおさまりきれない、も…

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小説家を目指しています。他にカクヨムに投稿しています。LGBTではおさまりきれない、もっとマイナーな性的少数者です。LGBTQIAPKという言葉があるそうですが、このKにあたる「キンキー」に属すると思われます。これは、他とは違った特殊な性的嗜好を持つ者の事です。

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プロローグ

「うぐうううう……むうううっ……」  原口翔は分娩台の上で陣痛と戦っていた。といってももちろん体は女である。  胎児が急激に下に降りてくる感覚。いきまずにはいられない。分娩台のレバーを壊れるかと思う程強くにぎり、必死でいきむ翔。  なぜこんな事になったのか。結論から言えば、今翔は翔との子を身籠った妻の早紀の体と入れ替わっているのだ。イブという神様の手によって入れ替わった。 (なんという強い痛みなんだろう。鼻からスイカなんてなまぬるい物じゃない。体内からエイリアンがお腹

    • 第8章 いよいよ出産!

      第1話 トキメキのバースプラン  妊娠8ヶ月になると検診が月2回となる。今日は2回目の検診。バースプランを組む日である。  産休を取っていた美波が復帰していた。 「カトミナ、もう復帰したんだ。よろしくね」 「もう身体はバリバリだからね。早紀、私がいない間ちゃんとマタニティビクスさぼらないでしてた?」 「もうバッチリ。ぜったいあなたに取り上げてもらいたいから」 「嬉しい事言ってくれるじゃん。まかせてよ」  翔の本心だった。この人に任せれば大丈夫だと。  バースプ

      • 第7章 出産に向けて

        第1話 もう一つの夢へ 「早紀、こないだ子供の頃に男の身体に人工子宮を作って、男が出産するなんていう小説を書いたっていう話をしたでしょ」と、翔は早紀に言った。 「うん。入れ替わろうって言った日だよね」 「今でもそういう話を書きたいと思う。いや、前よりももっと書きたい。だって本当に出産出来るんだから。この経験は小説を書くのに生かせるんじゃないかな」 「そうだね……でもちょっと奇想天外過ぎるんじゃない? そんな話読む人いるかなあ」早紀はちょっと不思議そうな顔をして言った。

        • 第6章 命がけの出産

          第1話 承諾可能性1000%の誘惑 「何だよ、そのもっと面白い願いって」 「まあ、そうあせらずに聞きなよ」  イブはあいかわらず笑みを浮かべている。 「ところであんた、女優の古橋エリの大ファンだったよね」 「なぜ君がそんな事知ってんの?」 「あったり前でしょ。なんてったってあたいは神様なんだからね」 「何でもありっての嘘じゃなかったっけ?」 「そうだけど、やっぱり神様だからね。すべての神はすべてを知っているの。つまり神は全知の存在」 「へー」 「ところが、

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        プロローグ

          第5章 子作りも大変

          第1話 子供が欲しい…… 「早紀、子供欲しいよね」 「そうだね」  しかし、翔と早紀はこれだけ仲が良いのに、まだ一度もセックスをした事がなかった。子供を作るにはセックスしなければならない。 「ちょっとためしてみよう」  翔の指が早紀の下半身に触れる。  甘美な刺激に、体が反応してしまう。 「あ…いや」  言葉では拒否するものの、体は素直だ。 「こんなに濡れてるのに?」 「ダメ……」  翔は早紀の愛液を指にからめ、その一番敏感な突起にかるく触れた。 「ん

          第5章 子作りも大変

          第4章 クマノミとイソギンチャクの結婚

          第1話 イソギンチャクの献身  翔と早紀が水族館に行った時の事。 「早紀、見てみて。クマノミとイソギンチャク。お互いに助け合って生きてるんだよね。なんか僕達みたいだと思わない?」  クマノミとは、オレンジ色ベースの身体に白い帯のあるかわいらしい魚だ。  良くテレビ等でイソギンチャクの中に隠れている映像が流されている。  このクマノミとイソギンチャクは、生きもの同士が「共生」の関係にある典型的な例として知られている。 「共生」とは、ある生きものが別の生きものと一緒に

          第4章 クマノミとイソギンチャクの結婚

          第3章 イクイク病発症す

          第1話 ヰタ・セクスアリス 目覚めの時  いつ頃からだろうか。オーガズムのあの素晴らしい感覚に魅せられるようになったのは。  早紀は、まだ自分が絶頂を楽しんでいた頃の事をしみじみと思い出していた。  まるで、おしっこを限界まで我慢してから放出するような感じで始まり、その後体中に電流が走ってビクンビクンと震え、頭の中が真っ白になる。終ってからもうっとりして暫くは何も考えられず脱力し、余韻を楽しむのだ。  もう物心ついた頃にはあの感覚を堪能していた。確か3歳か4歳ぐらいの

          第3章 イクイク病発症す

          第2章 最愛の人との出会い

          第1話 セックスよりもオナニーが好き  翔はセックス出来ない身体となり、オナニーの見せっこでしか達する事が出来なくなってしまっていた。  でも、まさか好きになった女性にいきなり「君が一人でしてる所を見せて欲しい」なんて言えるはずもない。だから翔は好きな娘が出来ても、結局何もする事が出来ないのだ。たとえ自分の部屋で女性と二人きりになったとしても。  そんな中で出会った神谷江梨香という女性がいた。  江梨香との出会いはいわゆる「逆ナンパ」つまり江梨香が翔をナンパした事で始

          第2章 最愛の人との出会い

          第1章 女に生まれたかった

          第1話 そもそものきっかけ 翔は物心ついた頃から、人には言えないある願望があった。  それは「男ではなく、女の子に生まれたかった」という願望である。  幼い頃はすごく単純だった。翔は男友達と遊ぶよりも、女の子とおままごとをする方が楽しかったのだ。  でも、厳格な翔の父は、そんな翔に「もっと男同士で遊びなさい」と勧めてくる。  また、動物が好きなので、キティやミッフィーのぬいぐるみをたくさん持っていたのだが、これも「男ならそんな物よりプラモデルとかやらないのか」と言われ

          第1章 女に生まれたかった

          あらすじ・主要登場人物紹介

           密かに女に生まれたかったという願望を持つ男、原口翔。  決して男が好きとか、女の服を着たりお化粧したいという事はない。また、女を愛せないという事もない。実際、深山早紀と大恋愛の末結婚する。  しかし、早紀は持続性性喚起症候群(persistent sexual arousal syndrome、PSAS、別名イクイク病)という不思議な不治の病に冒されていた。この病気は1日に100回以上もオーガズムに達してしまう。普通の生活を不可能にするこの病気のために夜眠る事すらままな

          あらすじ・主要登場人物紹介

          北島 悠  プロフィール

           幼い頃からずっと、自分は他の普通の人とは少し違うという、漠然とした違和感に悩み続けてきました。思春期に性に目覚めてからは更にその違和感は加速して、社会を恨んだ事もあります。  今はこの経験を生かして、主にセクシャルマイノリティの悲哀、特に恋愛についての問題提起をした作品を書いていこうと考えています。  私の場合は、いわゆるLGBTではおさまりきれない、もっとマイナーな性的少数者です。これにQIAPKを加えたLGBTQIAPKという言葉があるそうですが、このKにあたる「キンキ

          北島 悠  プロフィール