見出し画像

今まで読んだ歌集についての備忘録

こんばんは、通りすがりの腐女子です。

今日は私が現代短歌というものを学ぼうと思って読んだ歌集のことを、メモ程度に書き記しておきます。先に言っておきますと、とても書評と呼べるものではないです。読んだ時に思ったことを記しておく備忘録のようなものでございます。新鮮な気持ちってすぐ忘れちゃうからね。
ちなみに私が歌集を選ぶ基準としては、「笑える」って意味での面白さがありそうだったり、何となくおどろおどろしいものを感じたり(失礼)するものを手に取っています。

・コンビニに生まれ変わってしまっても/西村曜


私がいちばん最初に読んだ歌集です。これまで歌集というものに触れたことがなく、何か一冊くらい読んでみたいと思ってネットで色々見ている中でタイトルに惹かれて買いました。収録作の中には期待していた方向性の面白味を感じるものもありましたが、全体的には何気ない日常とかを描いたものも多くて、透明度の高い雰囲気の一冊でした。作品の中では百均を走るやつが印象に残ってます。ユーモアがありつつもすごく爽やかというか、ふわっとながらイメージしてた現代短歌という概念にすごいぴったりくる印象だったので、最初に読んだのがこれで良かったと思いました。


・鬼と踊る/三田三郎

今まで買った歌集の中ではいちばん好きです。自分が求めてたものと合致する面白さで、しみじみ共感もしましたね。私はそこまで酒飲まないけど、身内にガバガバ酒飲んでる人がいるので酒の歌読みながら妙にしっくりきてしまった。特に漏らす時期の歌と肝臓のことが大好きな歌が印象的でした。あと電話叩っ切る歌も。すごく良かったので第一歌集も買おうと思ったんですがアマゾンだともうコレクターズ商品しかないらしくて断念しました。


・煮汁/戸田響子

小学生みたいな感想で申し訳ないですが、面白かったです。詩と短歌が混合になった形式の作品をはじめて見たのでちょっと戸惑いましたが、二回読んだらちょっと慣れて、すべてとは言えないけどちょっとずつ良さが分かってきた気がします。


・老人ホームで死ぬほどモテたい/上坂あゆ美

表題に惹かれて買いました。作者の方の色とか人生がめちゃくちゃ出てて興味深かったです。ハードなのに悲壮感がなくて突き抜けてる印象。浅い感想で申し訳ないけど求めてた面白さがあって、おいしい幕の内弁当食べた気分です。海物語の連作は作者の方の実話なのでしょうが、臨場感と情動がすごいバランスで両立されてて短編映画を観てる気持ちになりました。


・了解/平出奔

短歌研究社の本って基本カバーついてないんですかね。日記と短歌が混ざってるような形式が印象に残りました。私は短歌に触れて歴が浅いのでまったく分からないんですが、こういったタイプの作品を読んだのは初めてです。ちょっと息苦しい日常を綴ってる雰囲気の歌が多いのに、たまに眩しいものが混ざってるような不思議な感覚もあります。音信不通になってたネット上のご友人が生きてたという話に他人事ながらホッとしました。表紙の絵をどこかで見たことがあるな~と思って選びましたが、担当の方の名を見て数年前にネットで漫画を読んだことがある方だと思いだしてスッキリしました。


・世界学校/フラワーしげる

二次創作界隈でよく見かけるほうの同人誌みたいな仕様でびっくりしました……カバーがついてなくてざらざらした紙で……腐女子としてこういう本を何冊も手にとってきた身としては結構仰天しました。内容としては自由律っていうんですかね、五七五七七の枠を飛び出したものが多くて自由だなあと思いました。告白はできないけどボーカルには誘えるという歌に「なるほど」と何となく共感しました。私音楽やってないのに。


・世界で一番すばらしい俺/工藤吉生

実体験を元にした連作が、悲惨なようでかけがえのない青春を感じるようでやっぱり悲惨、という不思議な感覚の作品です。全体的にまとまりがあって何となく爽やかな感じもして、でもテーマとか内容自体には悲壮感があるという、なかなか味わえない感覚に陥ります。振られて飛び降りた作品も衝撃的ですが、どちらかというと車ではねられた連作が印象に残りました。私も身内が二回車にはねられてるので(自分語り) ところで映画版は剛力彩芽氏が飛び降りる方の役だったんだろうか。

・平和園に帰ろうよ/小坂井大輔

たまに他の歌人の方の歌集に出てくることがある『平和園』って何だろうって思ってたので、この一冊を読んで謎が解けた。伏線が回収された気分です。スナック棺おもしろかったです。短歌研究賞受賞作だそうですね、確かにインパクト強かった。


・渡辺のわたし/斉藤斎藤

全体的に興味深い視点というか、そういうものの見方をしたことはなかったなあという気づきが得られました。作者の方の実体験を元にしたのであろう連作が色んな点から濃厚に印象づけられました。ものすごく昔にネットで触れた、ぶちまけられたのり弁の歌しか知らなかったので、イメージが結構変わったかもしれないです。


他にも色々読みましたが、今回はとりあえずここまでといたします。また気が向いた時にメモを書き記そうと思いますが、予定は未定です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?