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メイクレッスンが最悪だった話

以前モデルの撮影をした時に、プロにメイクして頂いたことがあって。1つ1つの工程が全て丁寧にされててさ。特別な道具を使ってるようには見えないのに、スキンケアだけでもすっごく綺麗な肌作り、アイシャドウのグラデーション、全てがプロ仕様だった。やっぱりプロは違うなと思った。私ってこんなに目大きかったんだ!!って感動したんだよね。一生に一度はプロのメイクさんに習うといい、みたいなツイートを見たことがあるから、自分磨きの一環で行ってみることにした。

素人がマンツーマンで受けられるメイクレッスンを調べてたらストアカにたどり着いた。


ストアカとは
ストアカは「学びたい人」と「教えたい人」が集い、個人間でスキルを教える(教えてもらう)という形で売り買いするマーケットプレイスです。

ストアカご利用ガイド

ストアカのメイクカテゴリで1番人気だった講師に申し込んだ。他の講師よりダントツで申込数が多かったと記憶している。価格も他より安かったし、口コミも良かったので迷いなく決めた。やりたいイメージをメッセージで伝えたら、スモーキーメイクは2時間くらい使うから2枠取ってとのこと。かっこいいメイクをしたいと言ったのにスモーキーメイク…?と疑問に思ったが、言われるがまま2枠分購入して当日臨んだ。

指定された場所に着き、挨拶をした途端、終わった……………と思った。講師が自意識イカれBBAだったから。酷く若作りしたシワシワの白い肌、不自然な黄色い爬虫類カラコン、顔と全く合ってないフリフリレースのワンピース。本当にメイクアップアーティストですか???と思わざるを得ない。その人の造形がブスだとかそういうことではなく、本当にセンスがなかった。全く似合っていない。シワがあってはいけないわけではない。ただ、それを無視して塗りたくったベースメイクは本当に汚かった。

私は経験上、メイクや服のセンスがおかしいと感じる人とは関わらない方が吉と考えている。だってまともな人を見たことがないんだもの。地雷メイクして目尻をありえん延長したアイライン引いた人のファッションセンスが良かったことがありますか??


講師の第一印象は最悪だったが、もう逃げられない。メイクレッスンは進んでいく。
私が送った理想のメイクのコラージュ写真は韓国ジェンダーレスっぽいものが多かった。
私はかっこいいメイクをお願いしていたが、塗られていくアイシャドウは真っ黒のもの。それで幅広く囲み目にされた。aespaとか韓国アイドルのアイラインで描く細い黒の囲み目ではない。涙袋からアイホールまで、全て黒で埋め尽くされた。送ってくれた写真こんな感じですよね✨って。私が送ったコラージュの誰一人、黒シャドウの囲み目の人はいなかったのに。お似合いです〜!✨と言われたが、鏡を見ると化け物が映っていた。

もうその後のことは覚えていない。黒黒としたパンダのような酷い顔で、泣きそうになりながら、人目を気にして俯きながら電車に乗って帰った。あんなに惨めなことってない。誰にも顔を見られたくなかった。失礼だとしても、クレンジングシートをもらってその場で落とせばよかった。もう二度と会うこともないんだから。でもできなかった。言い出せず、足元を見て帰った。

帰りの電車で改めて見た講師のアイコン写真は画質が悪く、言われてみればBBA感もあるが、加工もあってそんなにわからない。これを事前に避けるのは難しかったなと思う。評判も良かったので、きっとこれを絶賛する生徒たちは皆本当にセンスのないBBAばっかりなのだろうと想像する。

また一つ思い出した。黒々メイクの終盤、マスカラやアイシャドウの黒いカスが頬に散っていた。ベースメイクの時点で頬にパウダーをたっぷりはたいておき、アイメイクなどで汚れた後、仕上げに頬をサッと払う、という技術があることは知っていた。だから途中から黒っぽい頬になっても何も言わずに耐えていたが、完成です!と言われてもなお頬は黒いまま。これは流石に指摘した。頬の黒いのが気になるんですけど…あらごめんなさい、とすぐ払ってくれたが、その目立つ黒い粉汚れにすら気が付けない老眼なら、メイクアップアーティストはやめた方がいいと思う。美しい物を作ろうとしない人はメイクアップアーティスト失格だ。そんな美意識の人にメイクされて喜ぶのも、また老眼ということか。

1つ弁解しておきたいのは、「いい年して若作りしたメイク・ファッションなんて!」と言う気はサラサラない。エイジズムは嫌いなので。好きなものを好きに身に纏えばいいと思う。ただ、似合ってないんだよ。似合わせる努力も見えない。そういうセンスのない人間がメイクアップアーティストを名乗っていることに寒気を感じた。

プロにメイクを習うのはいい経験かもしれないが、教えてもらう人のことはよく調べてしっかり選んだ方がいいという教訓を得た。思えば、撮影の時セルフメイクでもアイシャドウのグラデーションが綺麗だと褒められたし、すごくメイクに困っているわけでもなかった。なんか自分に合うメイクって他にもあるのかな〜くらいの気持ちだったから、目的意識の低さも反省点かもしれない。

今はトップメイクアップアーティストの動画がYouTubeで見られる時代。案外独学でも技術は手に入る。メイクに限らず、今は独学プロ野球選手まで活躍しているようだし、なんだって今はネット学習ができる時代になったのだろう。だから無理に、憧れでプロに習う必要は無いと感じた。最低限の技術はそれで身につく。それよりもっと、センスや審美眼を磨くことのほうがよっぽど大切だ。どんなにアイシャドウのグラデーションが綺麗に出来ようと、瞼を真っ黒で塗りつぶすことがないように。

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