2024/2 バンコク旅行記 ep7:新宿のおすすめはアルペン
前回までのあらすじ
6回もかけてようやく旅程の1日目を書き終えました。
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本編
朝から腹パン
バンコク旅行者の朝は早い。1日目ほどではないが、2日目も予定が詰まっているので7時前に起床。前夜、床に入ったのが早かったので寝不足感はなし。往路フライトで多少は眠ったが、実に40時間ぶりくらいに体を横たえるとやはり最高の気分であった。
基本的に筆者一行の旅行は、朝にまず体を痛めつけるところから始まる。要するに朝食ビュッフェである。前夜どれだけ腹いっぱいで入眠しても、朝起きたら腹が減るというのは非常に不思議である。まあ、7時間くらいしたらそりゃ腹も減るか。
宿泊したJWマリオットホテルバンコクは、1Fレストランで朝食ビュッフェを展開している。タイ料理はもちろん、アラブ系の料理、中華に和食までそろっている。みそ汁やシシャモまであって驚いた。筆者がかつてカタール空港のラウンジで食べて感動した「Madame」なる料理もあった。
この料理、調べてみるとそら豆を煮込んだものらしい。ラウンジで食べたときはわけもわからず、とりあえず口に入れてみるとうまく、かつ刻みネギを入れると塩分と油分が全くない家系ラーメンのスープみたいな風味で、結局よくわからないのだがやっぱりうまかった。今回は、最初に食べたほどの感動はなかった。
その他、まあ一通り気になるものは食べ、マンゴースムージーも飲んでみる。前日に行った店よりうまい。さあ、十分に栄養を取った。いざ出発。
天国と地獄
この日最初の予定は、BTSアソーク駅付近の「タイムズスクエア」という商業施設にある「マイスパ」なるマッサージ店。パンッパンの腹をむきだしにしてマッサージしてもらうのもしのびないので腹ごなしに歩く。
タイムズスクエアと聞くとそれは大仰な商業施設を想像したが、なんてことはないオフィスビル的な建物であった。ちょいと早く着いてしまったので、1Fのセブン-イレブンを閲する。総菜や弁当的なものがとにかく安い。こんな店がボンボコその辺で営業しているのだから、バンコクライフも悪くないかもと思わせる。
さて、予約した時間に近づいてきたので3Fにある店に行かん。しかしここで私を便意が襲う。マッサージは3時間のロングロングコースである。よくわかんないけど、マッサージされたら内臓も元気になってより、便意が強くなりそうだ。しかしマッサージ中にトイレなんか興ざめである。マッサージする人もそんな奴を揉むのは嫌だろう。
うーん、でもトイレが汚かったら嫌だなあ。筆者はトイレには一家言、いや十家言はある。大学時代は常にキャンパス内の特定トイレで用を足していたし、よく使う駅近辺の清潔なトイレは押さえている。ちなみに新宿の場合、AlpenTOKYOがおすすめである。こんな文脈で名前を出されるアルペンはたまったもんじゃないだろう。
話がそれた。いろいろ考えて、マッサージ店にトイレがあるんじゃないか? しかも日本人がやっている店らしいし、きっと祖国を思い出すような清潔なトイレに違いない。妙案だ! と思って足早に店へ向かった。
開店前ではあったがちょうどスタッフが入り口で準備をしており、予約の旨を告げて入店。スタッフの方は日本人。ああよかった。タイ語で「トイレ貸してください」なんてどう伝えれば良いか分からない。英語なら何となく伝えられそうだが、聞き取れる自信がない。
筆者の理論では、便意はトイレとの距離に反比例で増加する。もうこの時点で「勝ち確」でありながら限界バトルだった筆者は安心して便意を告げたところ、すげなく店外にあるタイムズスクエアのトイレを使えといわれた。え、ないの? トイレ。やばい、急げ!
告げられた場所にあったトイレは、まず暗い。そして異様にジメジメしている。どうも水をまいて清掃した直後らしい、着座すると明らかに便座が濡れており気持ち悪い。さらに改装中なのかなんなのか、「取り壊し中真っただ中!」みたいな感じで壁が崩落しており内部の配管などがむき出しである。熱帯の国であることから、建物内部で異様に繁殖・成長した巨大な昆虫などが出てこないかヒヤヒヤものである。さっきまでは清潔なトイレで落ち着いて用を足せると思っていたのに、天国から地獄へ落ちた思いがする。
予約は9時から。あらかじめ、説明のために15分前にきてくれとアナウンスされていた。トイレに座したのは確か8時40分。昨日から食べまくっているので腹の調子は良くない。やれやれ。
笑えば……良い場面は結構少ない
湿ったトイレットペーパーと格闘しながらなんとか時間通りに店に戻った。こういうとき、どんな顔をすればいいかわからない。まさか笑えば良いわけでもあるまい。あいまいな日本の私らしく「待たせてすみません」みたいなニュアンスで適度にへらへらしながら戻り、病院で処方されるガチうがい薬みたいな真っ青な液体をあおる。バタフライピーティーらしい。あくまで個人的な感想だが1万倍希釈でもしてるのか? というくらいに薄味だったが、そもそもこういうものだったらすみません。
特に凝っているところは? とかカウンセリングを受けて、マッサージルームへ。シャワーを浴びて、用意したものを着用するように指示を受ける。てっきりナイトガウン的なものと思っていたのだが、コットンでできたブーメランパンツみたいな極小パンティのみが準備されていて笑ってしまった。まあしょうがないので黙って履いて、うつぶせになる。
それから3時間、身を任せた。何か考えようにも体を触られていると、考えがまとまらない。それでもあっという間だった。足に腰に背に首に肩に、顔になんか塗られたりもした。前日は歩き詰めだったところ、足も軽くなった気がする。総じて満足な3時間だった。
答え合わせ
しっかり下調べした水準のチップを渡して受付に戻ろうとしたところ、マッサージしてくれた方が「トイレは大丈夫ですか?」と聞いてきた。おい、店の中にトイレあるのかよ! しかもやっぱりキレイだった。
受け付けに戻って、しばし冒頭の日本人スタッフの方と雑談。最初は愛想がある風に見えて奥底では心を開いていない、何となく冷たい人だなと思ったのだが、それは自分の思い違いであった。バンコクでの暮らしや、おすすめの料理などを親切に教えてくださった。
ちょうどいいので、前日のタクシーぼったくり事件(詳しくはリンクのエピソード5をご覧ください)について話を振り、現地の人がタクシーに乗る場合の適正価格を聞いてみた。すると、やはり700バーツ(高速料金抜き)はそこそこのぼったくりだったようだ。まったく。
というか話がエンドレスに続くし「帰ってくれ」みたいな雰囲気も全く発されないので、店を出るタイミングに困る。話が途切れたタイミングをなんとか縫ってお暇しようとしたところ、先ほどのぼったくり話で心配してくださったのか、次の目的地までのアクセス方法をめちゃくちゃ丁寧に教えてくださった。どうも鉄道駅からはアクセスが悪く、タクシーがおすすめのようだ。
「なんなら私が一緒に行って、タクシー運転手に話をつけましょうか?」とまでいってくだすって恐縮である。あまりにも恐れ多いので丁重にお断りして、配車アプリでタクシーを手配した。異国の地で味わう日本人の親切は、えもいわれぬものがある。
タクシーでの道中、めちゃくちゃなスコールに見舞われた。当初は鉄道で行く考えもあったが、それだと駅から10分は歩くし、この雨にやられていただろう。エンジンもイカれていただろう。マイスパのスタッフさんに改めて感謝。
今回はここまで。お読みいただきましてありがとうございました。
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