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(Small talk)10キロばぁちゃん

昔の日記から

私が子供の頃、地元で有名だった人の話

「10キロばあちゃん」

「10キロばあちゃん」とは、

キティちゃん的な異常な体重という

わけではなくkm/hのほうです

10キロばあちゃんは、
いつもvivioという軽自動車に乗っています

年齢はあの時で70歳くらいで
なので今ご存命なら90くらいのお方で

ばあちゃんと言うくらいだから
女の人なんですけど
うーん
なんというかボーイッシュ
中世的な方です
とてもよく言うと
えっ どうして10キロ?

お察しのとおり、
公道で軽自動車を10キロで走行する
究極の安全運転を目指していると
言ってあげたいところですが
周りの車の方は非常に迷惑であったことはいうまでもありません。
けたたましいクラクションの音がしたとき、
大半先頭にいるのが
10キロばあちゃん

そして、たちが悪いのがそのクラクション鳴らされているのにもかかわらず
満面の笑みを浮かべて、10キロ運転を続けるところです。

子供の頃の私にはそれがとても怖かった

しかし

こんな超が付くへそ曲がりばあちゃんを
警察が放っておくわけがありませんでした。
10キロばあちゃんの運転免許は停止させられてしまい
私の町からあのけたたましいクラクションの音を聞くことはなくなり
あのvivioも見ることがなくなりました。

10キロばあちゃん・・

「迷惑が好き じゃない
みんなに見てもらいたい 話を聞いてもらいたい」

「後ろから聞こえてくる 
私に向けられたクラクションだけが
わたしがここにいるという証明」


きっと 素直になれなかったんだ

ああ なんて 鬱くしき人なんだ

もしかしたら 私たちは彼女を追い込んでしまったのかもしれない・・・

10キロばあちゃん・・・


vivioが消えてから1週間後

連打されるクラクションの音が聞こえた


10キロばあちゃん!?



すぐに 車道を確認する・・・

車道のど真ん中にチャリに乗った
10キロばあちゃんを見ました


その顔はニタニタした金正日そのものでした


10キロばあちゃん

もし、僕が生まれ変わったら

僕はあなたのことを・・・

好きになることはないでしょう  さよなら


武勇伝 武勇伝 武勇でんでんでででん

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