親の衛生観念が壊れてる

電子レンジで温めたっきり忘れていた牛乳に挑むのに、何時間放置までなら許せるだろうか?

私は、3時間くらいかな。小学生の時、朝温めた牛乳を放課後に飲んだことがあるが完全に風味が飛んでいた。幸いお腹を壊した記憶は無いが、それでも今なら絶対にしないだろう。

母は。私の母は、何も考えずに飲むだろう。何時間経っていようと。気温が低ければ、...何日経っていようと。

あの歳にもなって、まだ、食べられるものと食べられないものの区別ができていないのだ。あるいは、食品を捨てることに対して異様に反発するのだ。幼き頃の私が何度とばっちりを受けたか、両手では足りないのがすごく惨めだ。私に言わせれば、賞味期限切れの食材しか使わない酸っぱい匂いのする温かな手料理を食うくらいなら、毎日コンビニ飯を食ってた方がいくらかはマシである。極論だが、本心だ。

愚痴りまくってなんだが、ここで母を擁護しておこうと思う。できたての母の手料理は美味しい。キャベツが萎びてるだの、乾物の賞味期限が私と同い年だの、食器を使い回すだのは事実なんと言うことはない、焼きそばと、トマトと卵の炒め物と、ヘチマと卵のスープが、好物であった。肉じゃが、玉子焼き、シチュー。冷凍食品を使うことを極端に嫌い、自分の手で作ることにこだわった。

問題はそのあと。

気温、湿度に限らず常温保存。刺身もスープもケーキも何もかも。しかも大量に作るもんだから数日間常温のまま。毎晩加熱しているらしいが、では都度作った方が毎度美味しい料理にありつけて良いのでは?と、一人暮らし経験済の私は思う。多分、1人分で楽だからだろうな。

コストコの白い四角い、バカでかいケーキを買ったことがある人はどれほどいるのだろうか。見るだけで食欲が失せるが、母は買ってきた。一度、食べてみたかったんだと。可愛らしいところもあるじゃないか。あれは常温で10日経ってもカビていなかった。恐るべしアメリカ(?)、恐るべし我が家族の胃袋。

そう、我が家族は揃いも揃って衛生観念がぶっ壊れている。
あ、私以外。

反面教師になってくれたのには感謝するが、もういい、十分だ、度が過ぎている。一般的にミニマリストに分類されるであろう私だが、ひとえに、モノが多いなとちょっと感じるだけで途端に息苦しくなり、定期的に断捨離しているだけだ。実家には帰らない。あれは倉庫だ。いや、ゴミ屋敷だ。「足の踏み場もない」を実現させている。数年前に実家に帰ったときに一念発起してでかいゴミ袋3つ分のガラクタを捨てたが、ハチドリのひとしずく...ではないな、焼け石に水であった。何も変わらない、何を捨てたのかも思い出せない。

訳あって今は母と暮らしているが、期待に胸膨らませて帰ってきた私は浅はかだった。一言も話さず1日を終えることが無いのは心底幸せなことだと気付いた。だが、もう出たい。出る。すぐ出よう。今さら何も言うまい、親の再教育ほど不毛なものは無い。

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