狐火

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  • ライトハンドマーカー

    10代の頃に描いた物語。

最近の記事

#11 S先生の苦悩 朝は必ずやってくる

合法や非合法という壁がある。 死を恐れない心が逆向きにここにある。 私の中に2人の意志がある。 面と向かって向き合っても死んでしまったり、更生出来なかったりする。 それでも翌日からまた患者と接する事への心配事が絶えない私にアキがひとつの提案をした。

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    • #10 S先生の苦悩 ガラス柄の破片たち

      5月の連休明けから、私は特別隔離病棟に配属となった。 正直、不安と緊張でゆっくり休んでいる暇などなかったわけだが。 病棟と着くと即戦力として早速4人の患者の担当となった。 まず、一人目。 罪の意識のない犯罪者。 名前はスギタ ススム。

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      • #09 S先生の苦悩 次の人生

        (人格アキが眠りについてから3年後…) 私はアキの夢でもあった精神科医になる為に大学院を出て、臨床心理師の資格を取った。 アキのような人を一人でも多く救いたい。 私の人生はそれに尽きる。

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        • #08 S先生の苦悩 誰かのために

          (2年前) 俺の名前はタカシ。 父親は学会でも有名な心理学者で精神病院の院長でもある。 近年の傾向として精神科には特に若い女性が良くカウンセリングを受けに来る。 商売繁盛かと思われた。 しかし、中には父のカウンセリングを受けながら自殺してしまう人もいた。

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        #11 S先生の苦悩 朝は必ずやってくる

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        • ライトハンドマーカー
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        記事

          #05 ライトハンドマーカー 今のワタシ

          1997年 8月 都内某所 ワタシは遺体の見つからないままのお姉ちゃんの御葬式で涙一つ見せずに、ただ泣き崩れる父と母を見ていた。 年が6つ上のお姉ちゃんは強くてやさしくて、しっかりしていてワタシは両親よりお姉ちゃんを尊敬していた。 ワタシの憧れだったわ。 御葬式が終って1ヶ月。 両親もじょじょお姉ちゃんの死を受け入れ、以前と変わらない日常生活に戻っていく。

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          #05 ライトハンドマーカー 今のワタシ

          #07 S先生の苦悩 瞳の奥の住人たち

          描いたり消したりの繰り返しの毎日。 『あはは。』 何気なく入った大学の学科は心理学科、数学とか苦手だし、心理がわかれば男ともうまく付き合えるし、人間関係円満じゃん。 大学入って1~2年間は勉強もせずにもっぱら酒と男と後は水商売に夢中だった。 どれだけ男を引き付けるかが女の価値でしょ?

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          #07 S先生の苦悩 瞳の奥の住人たち

          #06 ライトハンドマーカー 母の子 父の子

          2002年12月 朝、目が覚めるとまずは音楽を流し、テレビを消音状態でつけ、湯を沸かす。 その間、顔を洗い、コーヒーカップにインスタントコーヒーを適量、沸いた湯を注ぎ、一口飲み深呼吸。 東京はさっぱりした晴れ模様。 昨日の夜の内に詰めておいた荷物をドアの前に集めておき、初心者用の英会話ブック、マーキングセット、後は何が必要か? いや、本当は何も必要じゃないんだ。

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          #06 ライトハンドマーカー 母の子 父の子

          #04 ライトハンドマーカー チケット

          2002年 秋 暑かった今年の夏も終わり一息入れるアイスコーヒー。 半分飲んだらミルクとガムシロップを適量。 凛ちゃんへ あれからちょうど5年の月日が流れたよ。 優柔不断な僕は何も変わらず、ただ壁に絵を描いてて。 現実を見たら、僕もいい大人だし、世間の同世代の奴らはみんな就職して必死に働いてて。

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          #04 ライトハンドマーカー チケット

          #02 ライトハンドマーカー 直感感性のジャーナリズム

          2000年 春 私はフリージャーナリストの斎藤と言います。 どこにでもいる平凡なジャーナリストで、「なぜジャーナリストになったのですか?」 などと聞かれても答えはいつもこうです。

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          #02 ライトハンドマーカー 直感感性のジャーナリズム

          #03 ライトハンドマーカー ピースメイカー

          2002年 春 ひさしぶりに母親の顔を見るため3年ぶりに日本に帰って来た。 オレは米軍基地育ちのクオーター。 アメリカでグラフィックアートの仕事をしている。

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          #03 ライトハンドマーカー ピースメイカー

          #01 ライトハンドマーカー 不変的才能

          「僕の右手は世界を相手にしている。」 右手でペイントマーカーを強く握り壁に描く。 それは世界で僕にしか描けない絵。 自信はないけど、確信があった。 いや、確信はないけど、自信があったんだ。 死のうとしている人間に命を与え、また、死んでしまった人間が最後に目にする絵。 壁に絵を描き終えた僕にジャーナリストが言った。 「なぜここにこの絵を描こうと思ったのですか?」 僕は言った。 「自殺する人間がどんな状況で何を考えているかなんてわかりません。僕にわかる事はこの絵

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          #01 ライトハンドマーカー 不変的才能