#05 ライトハンドマーカー 今のワタシ

1997年 8月 都内某所

ワタシは遺体の見つからないままのお姉ちゃんの御葬式で涙一つ見せずに、ただ泣き崩れる父と母を見ていた。

年が6つ上のお姉ちゃんは強くてやさしくて、しっかりしていてワタシは両親よりお姉ちゃんを尊敬していた。

ワタシの憧れだったわ。

御葬式が終って1ヶ月。

両親もじょじょお姉ちゃんの死を受け入れ、以前と変わらない日常生活に戻っていく。

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