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カタールW杯最終予選、日本VSオマーン

間違いなく、近年では最低な内容の試合

最終予選第1試合は、ホームでのオマーン戦。

FIFAランキングや近年の対戦成績、そして選手のネームバリューから、多くの日本サポーターが勝利はほぼ確実と思っていたはず。

自分のようにネガティブな人でも、「普通にやる事ができれば勝てるはず」とは考えていたと思う。

でも、結果は0-1での敗戦。

オマーンが想像より良かったから?

日本が相手を格下と思って十分な対策を怠ったから?

それともホームの重圧があったから?

色々な、本当に色々な要素が重なっての結果だったとは思うけど、見ていて思った事をちょっと書いてみたい。


かなり仕上げてきたオマーン

開始数分でまず思ったのは、オマーンの選手の動き、要はフィジカルコンディションがもの凄くいいという事。

DAZNで解説をしていた戸田和幸さんが「オマーンは1ヶ月の事前合宿を組んでいた」と言う情報を伝えてくれたけど、この日本戦に向けて相当仕上げてきていた。

前線からプレスを仕掛け、プレスバックも怠らず、カウンター時には一気呵成に駆け上がる。

そして、それらの動きに一切の迷いが無かったのも、長期合宿の成果だったはず。

このオマーンの動きを見て「これは、後半まで持つのか…?」とも思ったけれども、あまり無理して走り回っているようにも見えない。

そしてその嫌な予感は当たり、オマーンは90分間走り回り、日本を苦しめ続けていた。

ハイボールなどの球際の体のぶつけ合いも、かなり強い。

この仕上がったフィジカルに、日本は本当に苦しめられていた。


そして、おそらくここが日本にとって最も想定外だった部分だと思うけど、オマーンの選手の個々の技量が結構高い

解説の戸田さんが再三触れていたように、狭い局面やプレスの掛かっている場面で、日本相手に普通にボールを保持できている

そのせいもあって、日本はボールの獲り所を上手く設定できない…というか、獲れると思ったところで獲れない

普通に剝がされて、数的不利やら突破を許す場面やらがかなり見られるという、相当苦しい展開になってしまう。

その結果として、どちらが「格下」か分からないような状況、主導権は握れていないような状況になっていたと思う。


日本に策はあったか

オマーンがコンディションを仕上げてきていた一方で、日本の選手は体が重そうに見える。

コンディションの良いオマーンと比べて…ではなく、明らかに日本の選手は動きや反応が鈍い。

まぁ、これは近年の日本代表では割とありがちな現象ではある。

「ヨーロッパ組」が代表メンバーの中心となった現在では、やはりその移動距離の問題でどうしても万全な調子の選手ばかりではない事は、ある程度は致し方が無いとは思う。

ただ、この試合のコンディションは…恐らく近年では最悪レベルだった。

体のぶつけ合いで負け、こぼれ球へのリアクションは遅れ、スピードで競り負ける…。

これでは、どんなに個々の技量で上回っていたとしても苦戦を免れる事はできなかった。

「落とせない」初戦という事で「手堅い」メンバーを選ぼうとした結果、コンディションの良い選手よりもこれまでの実績を重視して出場選手を選んでしまった、そんなような気もする。


もう一つとても気になったのは、「崩し」の拙さ。

ファイナルサードでは中央を固めるオマーンの動きは、試合後の会見で森保一監督や柴崎岳選手がコメントしていたように、ある程度予想が出来ていたはずだ。

中央を固める相手に対しては、サイドから崩すなり、ミドルレンジから狙うなり、常套手段はいくつかある。

ただ、今の日本代表にはあまりミドルシュートが得意な選手はいない。

強いて挙げるなら久保建英選手と堂安律選手だけれども、どちらもベンチスタートだった上に、後半途中からのチーム全体が「前掛かり」な状態での出場だったので、「崩す」事に拘っていたように見えてしまった。

そうなると、どうにかするにはサイドアタックが基本路線なんだけれども…、正直言って攻め方が整理されていないし、工夫が足りなすぎる

アウトサイドとインサイドにどのように選手を配置して、どこのスペースを使いたいのか。

「仕掛け」のスイッチとなるパスは、誰がどこに向けて入れるのか。

その辺りが全く整理されていないので選手が場当たり的に判断をしていて、そうするとどうしても判断が遅れている上に、選択肢のチョイスも悪くなりがち。

もう少し具体的に言うなら、伊東純也選手がゴールライン際まで縦に抉ってから折り返す、長友佑都選手を大外に張らせて1列内側を走らせた原口元気選手を使う、中央でマークの厳しかった鎌田大地選手を外に流れさせて数的有利を作りハーフスペースやポケットを狙う、などなど、やりようはいくらでもあったはず。

局面が固まってしまってサイドチェンジで打開したいような場面でも、横パスを繋ごうとしていて相手のスライドが間に合ってしまっていたし、挙句の果てにはその横パスを奪われる場面もチラホラと…。

崩せない上に、手痛いカウンターも食らてしまうという、考え得る中で最悪に近いような状況に陥ってしまっていたと思う。


とにかく、厳しい言い方をするなら、ひたすらに準備が足りていなかった。

「オマーン相手なら大丈夫」という気持ちがあったのかは分からないけど、見ていた人間にそう思われても仕方がないぐらい、「何も無かった」ように見えてしまった。

対するオマーンは前述の通り、この日本戦に向けて並々ならぬ備えで挑んでいた。

その結果が、この0-1という敗戦なんだと思う。


さあ、切り替えて次の中国戦だ

兎にも角にも、この第1戦目を落としてしまった事実は変えられない。

個人的には次の中国戦と合わせて「2試合で勝ち点4」が最低限のノルマかなと思っていたので、かなり残念ではある。

それでも、いやだからこそ、中国戦は快勝を期待したい。

選手達も監督もスタッフも、当然ながら並々ならぬ気持ちで臨むはずだ。

敗戦を糧に、問題点をしっかりと修正して、中国戦を迎えてくれる事を期待したい。

カタールW杯に向けて、頑張れニッポン!!

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