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マザコン。

11時くらいまで寝てた。
「家」の夢を見てたけど、「妻」は「妻」ではなく、私の母だった。「妻」のことは「怖く」て思い出したくないのかもしれない。あるいは、あまりに「妻」に会わないのでもう思い出せなくなっちゃったのかもしれない。

「家」を「追い出さ」れるとき、甘えたことばかり言う私に対して、「妻」が、
「私はあなたのお母さんにはなれないから!」
と言ったことを思い出す。

 ***

起きてラジオを付けたら「子ども電話科学相談」だった。これ、以前は時々だったから楽しかったんだけど、最近は「やたら」なので、あまり聴く気が起きない。聞き逃しで、昨日の「文芸選評」を聴く。撰者は歌人の寺井龍哉さん。

日盛りを猫ゆれながら駆け抜けて古書店街に古書は溢るる

寺井龍哉さん(歌の表記は不明)

今週の兼題は「鍵」。良い歌が多い。

今日もまた月の輪郭なぞりつつ閉ざす日記の鍵の小さし
どこかにはあるはずなのに鍵はなく私が私の職質をする
地下鉄のホームの下の暗がりを照らす誰かの自転車の鍵
鍵なんてないよとは義母(はは)は笑いたり長ネギ農家の土間は広くて
かずひろよ海へ行こうよ和博の胸ポケットの鍵を盗んで
ある程度同じかたちなら鍵は開く二人めの恋人の泣き方
好きな人の心の鍵を開けられず星降る街の道端に吐く(73歳)
真鍮の鍵を差し込みこじ開ける夏でもこんなに冷たいピアノ
三毛猫のキーホルダーが泣いてるような気がして夜の玄関
完全に鍵の掛かった密室で僕らは別々の本を読んだ

表記は不明。(「(73歳)」は作者の年齢。)

鍵と言えば、前に何度か書いたかもしれないけれど、「家」を出るとき、アパートの「部屋」の鍵を「妻」に差し出したら、「はぁ?」みたいな顔をされたことを思い出す。「妻」は別居の最初に「答え」はなかったと言うが、いやいや、あのときにはすでに帰れないことは決まってたんじゃないか。

無言なる二人の間にアパートの鍵が置かれて始まる別居

こじか、詠む。

昼を挟んで、午後は「のど自慢」を聴く。これも好き。鐘にツッコミを入れるのが楽しい。「ユー*ンより上手いのに不合格?」とか、「今日のゲストのM*Xより上手いよね?」とか思いながら。

小雨が降るが、洗濯物をベランダに出す。