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ケントメア400をミクロファインで現像してみた

ピッカリコニカ×ケントメアPAN400

 前回使ったケントメア100がなかなか好印象だったので、常用フィルムはこれになりそうだ。普段は割とISO100のフィルムを使うことが多い。微粒子にこだわっているという訳ではなくて、持っているカメラのシャッタースピードが遅いものが多いので、高感度が使いにくいためだ。かと言って100だと夕方すぐに撮れなくなってしまうので、やはり400の常用フィルムも欲しい。でもプレストは無くなってしまったしトライXやT-MAXは雲の上へと昇って行ってしまった。そこでケントメア400である。100と同じテイストのフィルムだといいなぁ。という訳で早速試してみた。

 テスト機として白羽の矢が立ったのはコニカC35EF、ピッカリコニカってヤツだ。実は今回がこのカメラのファーストロールである。テストなら使い慣れた機材でないと意味がない。その写りがフィルムに起因するのかレンズに起因するのか分からないからだ。ところが、思いがけずやってきたカメラを早く使ってみたい誘惑に負けて、コニカにフィルムを入れてしまった。ジャンク品だからレンズはカビっぽいし、そもそも正常に作動するかも分からないのだ。このゆるい性格、本当にA型なのだろうか。

ゾーンフォーカスは楽しい

 使う前は絞りが選べないこととピントが目測という事が、楽しみでもあり、不安でもあった。今までは撮影の前に必ず絞り値を決めていた。そして、何か一味足りないなぁという時でも、背景をぼかして作品ぽく見せるなんて事をやっていたのである。その技が封印される・・・。これは何かに似ている。そうだ、写ルンです道だ。f11、1/125のブレッソンな世界だ。もっともこのコニカは自動で絞りが開くからもう少し入門編という事になろう。そして、実際撮影し始めると、これがとても心地いいんだな。被写体に向き合った時、あれこれ迷う要素が一つも無く、目の前の光景を残したいかどうかだけを判断して、シャッターを切ってゆく。思いのほかコマが進んでしまい、日が暮れても写真が撮れるなどと思って入れた400のフィルムは夕陽の頃にEを指した。予備に持ってきていたフィルムは常用となったケントメア100・・・。

ケントメア400の現像時間は

 さて、早速現像してみようという事になったが、例によって現像時間に関する情報が少なく、20℃で8分と書いてあったり16分と書いてあったりで、あまり参考にならない。前回のケントメア100が割と好みの濃さに現像できたので、これを基準にした方が良さそうだ。ID-11ストックの現像時間は100の9分に対して、400は9.5分とある。つまり5%程時間を延ばせば良さそうだ。もっとも1:1希釈の場合は、100の11.5分に対して400の16.5分となっているが、これは見なかったことにしよう。という訳でケントメア100は22℃13分としたので、ケントメア400は22℃13.5分。1回使ったミクロファインなので、少し伸ばして、14分でいいだろう。

今夜もあの叫び声が

 さて、今回も現像タンクへのフィルム装填は押し入れで行う。前回家族に部屋の電気を点けられ戸の隙間から光が差し込むというインシデントが発生しているので、今回は「これからフィルム巻くよ!」と高らかに宣言してから押し入れに入る。ところがフィルムをリールに巻いている時何となく違和感を感じ、いったんほどいたりしてもたもたしていると、再び隣の電気が点灯!やはりダークバッグくらいは必要かもしれないな。

 感光の不安を残したまま、とにかく現像を開始。洗面所の気温は7℃。冬の現像は液温管理が面倒だ。そこで今回は試しに、風呂のお湯をバケツによけて、そこに現像液のボトルを放り込んでおいた。そのまま2時間ほど放置しておいて液温を計ってみると27℃になっている。それをメスカップに入れると24℃になり、更に現像タンクに入れるとジャスト22℃となった。神がかっている。まぁ次回同じようにしても絶対22℃にはならないと思うが、液温調節を楽にできるような気はする。余ったバケツのお湯をバットに入れて、タンクの保温にも使おう。

 気になる現像の結果は、大体狙った通りの、ちょっと濃い目ネガが出来上がった。ただ、粒子はISO400としてはちょっと粗めの印象だ。前回のケントメア100のネガと比べてみると、絵柄の濃さは同じように見えるのだが、コマ数を示す数字は少し濃いようだ。もしかしたら、露光が不足気味のネガを押し気味に現像して、実質的には増感現像してしまっているのかもしれない。やはりカメラを同じにしないと比較は難しいな。

KONICA C35EF HEXANON38mm

指名手配ポスターに、この粗粒子はちょっと似合い過ぎか。


KONICA C35EF HEXANON38mm

やはり出番は夜スナップだよね。

まとめ

 毎度参考にならない感じで申し訳ないが、今回も数少ないケントメア関連の考資料として、書き残しておこう。

使用カメラ:KONICA C35EF
フィルム:KentmerePAN 400
現像液:フジ ミクロファイン
停止液:クエン酸(100均)
定着液:フジ スーパーフジフィックス
水洗促進剤:フジQW
水滴防止剤:ドライウェル
現像タンク:キング片溝式
温度計:料理用

現像液の温度:22.0℃
現像浴:13.5分(最初の1分は連続撹拌、以降1分毎に10秒撹拌)
停止浴:1分(連続撹拌)
定着浴:10分(最初の1分は連続撹拌、以降1分毎に10秒撹拌)
予備水洗:1分(流水)
QW浴:1分(連続撹拌)
水洗:10分(弱めの流水)

 このような手順で、ちょっと濃い目のネガとなった。実は現像時間はケントメア100と同じか、少し短いくらいでもいいのかもしれない。

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