見出し画像

第二の自分

「人手が足りない」という言い方をしたことはありませんか。経営者の中には、本来は事業の大切な協力者である従業員を「人手」と呼び、生きた道具くらいにしか思っていない人がいるものです。

従業員を道具として扱い、コストとしてみなしてはいませんか。優秀な従業員ほど、単に賃金のためだけに働いているのではありません。時間は誰が等しく持つ限りある資源であり、人生そのものです。労働とは、そんな重要な資源をあなたの事業に投資する営みです。

「賃金を払っているのだから、どう呼ぼうと自由だ」と思ってはいませんか。だから、あなたの商いは大成しないのです。

お客様に愛される事業には、お客様という善意の愛すべき人たちに喜びを与え、幸せを守る「心」の働きが欠かせません。なぜなら、商いは単に物とお金を交換する作業ではなく、そこに真心を添える営みだからです。単なる「手」に、真心を添えることなどできるはずもありません。ところが、あなたは「手」が欲しいという。

従業員とは本来、自分と同じ心を持つ「第二の自分」です。大切な家族のような存在であり、価値創造の担い手です。だから、一人を見いだすためにも、育てるためにも愛情が欠かせません。どんなに立派な待遇よりも、その従業員を心ある人として遇し、尊敬するほうが本来持つ能力を発揮してくれるでしょう。

大切な家族なら、彼ら彼女たちとコミュニケーションをとり、もっと知ろうと努めるのは当然のこと。

たとえば、北海道帯広市の菓子の名店、六改定には「1人1日1情報」という社内制度があります。すべての社員、パートナーが仕事の改善・提案やお客様からのご意見、その日の出来事などを自由に発信できる制度です。翌朝にはトップがすべてに目を通し、日刊新聞「六輪」にそのまま掲載されて記事になります。改善の取り組みやスタンダードの基準が職場をこえて広がり、商品開発のヒントになったりと有効に活用されています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?