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遠ざけの法則

「ビジネスとは共感してくれる人との出会いを創造する行為」

そう記すのは、言葉のマエストロこと中山マコトさん。「売れるヒントは人から訊き出せ」を人生訓に、独自のインタビュー術を駆使した独自のマーケティング戦略“キキダスマーケティング”開発・実践されています。

『遠ざけの法則』は、中山さんが記した「万人受けを狙わない熱狂的なファンのつくり方」の指南書。冒頭の一文は、そのイントロダクションに記されています。

お客さまを選ぶ、いえ、選ばれたいお客さまに選んでもらう“在り方”の確立――それが本書のテーマです。
 
確かに今日、生活者の購買意識は大きく変わっています。買物とは、自己を開放する根源的な営みです。もはや「なんとなく買う」ということはほとんどなくなり、購買を通じて人は“生き方”を表現しているといってもいいでしょう。
 
買物とは、売り手の哲学・在り方を支持する信任行為なのです。そして、財布の中にあるお札は共感できる商人を選ぶ投票券といっていい。

ならば商人に必要なのも“在り方”です。自分が商いを通じて“誰を”“何をもって”“どのような価値を提供するか”という旗印をはっきりとさせこと、それがいま求められています。
 
それを中山さん流に表現すると「遠ざけの法則」となります。誰からも好かれようとすれば、誰からも好かれない時代です。自分が大切にしたい対象を明らかにして、それをはっきりと伝える――その方法を中山さんは“踏み絵”と表現されています。

たとえば、激辛ラーメンで知られる「蒙古タンメン中本」の看板はなぜ赤いのか? 「一度も行ったことがない人であっても、看板を見れば蒙古タンメン中本が辛さを売りにしている店であることは分かります」(31ページ)と、ここでは視覚に訴えることでお客さまに選ばれているのです。
 
何をもってお客さまの記憶に残り、共感してもらうのか、あなたの場合はどうでしょうか。それを考えるとき、本書は力強い味方になるでしょう。

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