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日本語を学習しているインド人学生と話をした

昨日、日本語を学習しているインド人とトークするという面白い体験をした。
お相手は、チェンナイ郊外にある工科大学で日本語を学習している学生たちである。

私の同僚が、日本とインドを橋渡しする活動をしているというインド人(Kさん)と知り合いで、その伝手で彼が運営する日本語教室まで遊びに行ったという経緯なのだが、1日を通していろいろと思うところがあったのでそのことを書く。


インド人にとって日本語の習得はそこまでメリットが高いのか

私の母語である日本語を、外国人が学んでくれるというのは素直に嬉しい。
しかし今の時代、日本語を習得する経済的なメリットはあまり高くないような気がする。

彼らは日本語を学習する動機として、日本で職を得たり、日系の会社や工場に就職するのを目標としているらしい。
この大学は工業系の単科大学で、近くには日系企業の工場が集まる工業団地もあるような立地だったので、恐らくそれらに就職するのが最終目標になるだろう。

普段の授業の様子も見させてもらったが、授業は全て英語で行われていた。
英語を自由に使いこなす彼らが、日本でしか用いられない日本語をわざわざ学習するのは果たして得なのか、疑問が残った。

それならば、日本語の学習にかける時間や労力を他の技能の習得に割いたほうが、より高い賃金を得られる可能性が高いような気がする。
もしかしたら金銭面以外の理由で、外資ではなく日系企業に勤めるメリットがあるのかもしれないが、それが習得の難しい日本語を学習するコストと見合っているかは謎だ。


日本人とビジネスをするつもりなら日本のマナーもしっかり守るべき

昨日は非常に長い1日だった。
当初は、日本語を学習する学生たちと少しだけ話をして、彼らのモチベーションを上げるというあっさりした予定だったのだが、想像していたよりも長い1日になってしまった。

まず、8時に家を出発する手筈だったのだが、実際に送迎のタクシーがやってきたのは8時40分。
10時に大学に着いて、それから待合室で2時間近く待たされる。
その後、学生たちとの対面となるのだが、私たちの自己紹介の時間はかなり短く、主催のKさんがひたすら喋り倒す。
昼食後に、ようやくメインの活動である学生たちとのフリートーク(1時間)。
じゃあ、昼からのスタートでいいじゃんって感じ。

フリートーク後は、市内にあるKさんの事務所に連れて行かれる。
事務所に着いたのが15〜16時。
Kさんはビジネスパートナーたちと面会をするのだが、ずーっとダラダラとおしゃべりするばかりで、私たちはひたすら放置される。今になって思えば、私たちが事務所に行った意味は全くなかった。
先の見えない待ち時間にイライラが募ってきたところで、「19時になったら食事に行きましょう」とKさんが言う。
もう彼の言葉は何も期待できないのだが、実際にオフィスを出たのは20時。
しかも、目当ての日本食料理屋に行ったらその日は定休日というオチで、中華料理屋に行き先変更。
料理は美味しかったし、ここでの雑談はまあまあ面白かったので、最終的に私の機嫌は直ったのだが、それにしても長すぎる1日だった。
家に着いたのは22時半で、14時間も費やしたわけだが、凝縮すれば4時間くらいで終わってしまうようなスケジュールだった。

これがインドのやり方と言われたらそれまでだし、私は「郷にいれば郷に従え」をモットーにしているので普段はとやかく言わないが、彼が日本をビジネスパートナーとしているのならこのやり方はまずいんじゃないかと思った。
学生とお話しするのはとても楽しかったが、それより1日のタイムロスが多すぎて、残念な1日という印象が残ってしまった。
Kさんからは、定期的に日本語ボランティアをできる日本人を紹介してくれないかと言われたが、彼らが同じような経験をさせられてしまうのなら、申し訳なくて紹介することができない。


というわけで、日本語を学習しているインド人学生とお話をしてきたという話でした。

ネガティブな感想が多くなってしまったが、学生たちとのトーク自体はとても楽しかった。
日常で日本語を用いる機会がないからか、残念ながら学生たちのモチベーションはあまり高くないように感じた。
我々の言語や文化を学んでくれる人のことは素直に応援したいと思うし、私もインドの文化に興味があるので、今後もこういう機会があれば積極的に協力したいと思う。

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