見出し画像

2022年、創作系AIの世界変革を感じる考察 -Voicy & note & YouTubeまとめ-

Voicyという音声スタートアップで新規事業開発や代表PRの担当をしている堤と申します。

新規事業やPRの仕事していると、新しい技術やトレンドの話を目にしたり、雑談で話したりすることも多かったりするのですが、今年一番わくわくしたのが創作系AIのニュースでした。

あとから振り返っても、「この2022年が節目だったな」と思えるくらいの大きな変化だったように感じています。

この変化の最初の波は、夏頃の「イラスト生成AI」の登場でしたが、自分も当時「これは実際にいろいろ試してみないと!」と思って、8月の頭から9月の末までの2ヶ月間、どっぷりとハマってました。

創作系AI 専用のInstagramやTwitterを新しくアカウント開設して、イラストを何十枚もつくっては投稿してみる、ということを繰り返しながら、「こんな感じで呪文入れていけばいいのか」「もっと違う作り方したらどうなるんだろう」と楽しんでました。その当時つくったのが下のイラストです。

昔、ゲーム業界にいてプロデューサー・プロモーター的な仕事をしていたこともあり、「ゲームのコンセプトアートやアイテムをどこまで表現できるか試してみるのも面白いかもなぁ」と思い。「異世界のワンシーン」をテーマに、いろいろとつくってみていました。

SNS上では、世界中、いろんな言語圏の方々もAIを使ったイラストを投稿されていて。そんな方々とのイラストを通した交流も面白かったです。

実際にさわってみると、「ここが、創作の転換点だ」というのをまざまざと見せつけられているようで。どんどん創作系AIへの興味も増していきました。

そんな中、他の方々の「創作系AIに対する考察」をVoicy、note、YouTubeなど、熱心に探して見るようにもなっていったんですが、いろんな視点から見た考察は刺激的ですごく面白いんですよね。

過渡期だからこそ、「これから何が起きるのか」「ぼくらはどのように使いこなしていくべきなのか」、思い思いに語られている言葉に、いまだからこその現場感と時代性を感じます。

これより下では、そんな考察の中から、自分がとくに「参考になるなぁ、面白いなぁ」と思ったものを10本ほど絞って共有させてもらえたらと思います。この年末、よかったら見てみてください。



note CXO 深津 貴之さんの考察

"世界変革の前夜は思ったより静か"

イラスト生成系AI「StableDiffusion」が無料公開される直前に公開されたnote。ここまで創作系AIに世間の注目が集まる前に書かれた記事で、社会がどのように変わっていくか?そこからどんな問題が起きるか?を予想されています。読みながら、すごいわくわくした記事でした。

[公開日:2022/8/22]


メディアアーティスト 落合陽一さんの考察

"シンギュラリティは2025年に来る"

AIによって自動生成される自然「デジタルネイチャー」を昔から提唱されていた、落合陽一さんのいまの考えを語られている動画。最近の創作系AIの動きを踏まえて、もともと想定していた技術革新のタイミングが一気に前倒しになって、2025年にはそれがくるんじゃないかと話されています。

[公開日:2022/11/22]


エンジニア 中嶋聡さんの考察

"シンギュラリティとは何かを中学生にも分かりやすく説明してみる"

インターネット創世記、マイクロソフトでWindows 95を開発されたエンジニア 中嶋さんによる、「そもそもシンギュラリティってなんなのよ」という解説です。技術的な面だけでなく、世の中で具体的に何が起こるのかという予測まで話されています。最近いろんなところでシンギュラリティという言葉が使われるようになってきたので、言葉の定義にちょっと不安ある方は一度この放送を聞いて振り返ってみてもいいかもしれません。

[公開日:2022/12/10]


Brighture CEO まつひろさんの考察

"今年のトレンド大賞は、実はAIです"

元アップル米国本社でも働かれていた、まつひろさんがこの2022年のAI界隈の動きを振り返って語られている放送です。AIの現在地とあわせて、これからのAIがどのように各業界で活用されていくかを、丁寧に事実をおさえながら話されています。まつひろさん自身、AIを使ったイラスト生成の過程をnoteでずっと発信されていたこともあり、とても実感値あるお話でした。

[公開日:2022/12/13]


コルク代表 佐渡島庸平さんの考察

"AIエンジニア作家誕生!?"

編集者の佐渡島さんがAIエンジニアと一緒に物語をつくっているという話。もともとは「AIで作家のサポートをしよう」と考えられていたそうですが、途中から物語自体をAIでつくることに方針転換されたのだとか。佐渡島さん自身が物語のアイデアをエンジニアに話して、それをAIでテキストに起こしていくという新しい物語の作り方。「知識が必要なものほどAIが強くなっていくだろう」という考察も「確かになぁ」と思わされて面白かったです。

[公開日:2022/12/10]


短編作家 反面クリエイターさんの考察

"100点を120点にできるクリエイターしか残らない厳しい世界。0点を20点にできる全ての創作を賞賛する優しい世界。"

2025年に創作系AIが世の中に浸透しきったあと、クリエイターの世界がどのようになっているかを未来予測したショートショートです。プロとアマチュア、それぞれのクリエイターが直面するであろう事象を物語の形で描かれています。ある一面では残酷で、ある一面ではユートピアとも言えるようなクリエイターの将来の姿は、実際に起こる可能性が高い未来で。これからに備えるためにも参考になるんじゃないかと思いました。

[公開日:2022/11/27]


アル代表 けんすうさんの考察

"AIにより無難な仕事は消えるし、使いこなせる人とできない人が出てくるよね"

けんすうさん自身がテキスト生成AIを試して感じた、「どんな仕事がAIに置き換わっていくか」という考察です。AIは無難な正解っぽいものを数秒でつくってしまうからこそ、そういった最適解をつくる仕事はなくなっていく。だからこそ、そんなAIをうまく活用して、アウトプットを引き出す技術が大事で、それをどう学んでいけばいいのかという話をされています。けんすうさんの話きいてると、「やっぱり遊びながら学ぶのが一番早いよなぁ」といつも思わされます。

[公開日:2022/12/7]


プロダクトマネージャー たいろーさんの考察

"生成型AIを便利ツールとして活用しよう"

メルカリやスマニューなどでプロダクトマネージャーをされてきた、たいろーさんによる「こうやってアウトプットを出すといいのでは」という話です。テキスト生成、画像生成、それぞれのAIのいまの特徴をふまえて、このように使ってみたらどうだろうかという具体例を出されています。「いま出来ることをちょっと試してみたい」という人は参考にしてみるといいかもしれません。

[公開日:2022/12/5]


マーケター マナブさんの考察

"AIツールで「記事量産」をしつつ、自動的に「SEO収益」を生み出す方法"

バンコク在住のマーケター マナブさんによる、テキスト生成AIを使った記事作成のやり方に関する放送。海外のAI事情なども踏まえた話をされています。このAIによる記事生成は、良い面・悪い面、あるにせよ、今後広がっていくことになると思われるので、その使い方をいまのうちから知っておけるとよさそう。

[公開日:2022/12/7]


Voicyエンジニアの考察

"画像生成「拡散モデル」の技術はいつ生まれ、どのように広がってきたのか"

Voicyエンジニアチーム いしけんさんによる画像生成 技術の歴史に関する放送です。2022年に流行った「StableDiffusion」などの拡散モデルの技術が、2015年に世の中にあらわれてから、2022年に広がるまでの話をされています。テック寄りの部分をもう少し深堀りして知りたい人は聞いてみてください。

[公開日:2022/12/9]




ここまでの10本は1人の方が発信されてる個人の考察でしたが、以下は対談形式でより発展的な話をされています。「AIによる創作とはどういうものか」といった、基本的なことは分かってる前提で話が展開されていくので、上でご紹介していたいくつかを見たり、聞いたりしてからの方が楽しめるかもしれません。



宇野常寛さんと落合陽一さんの対談考察

"魔法の世紀, デジタルネイチャー, そしてマタギドライヴへ"

落合さんが2015年に最初に書いた著書「魔法の世紀」の編集者 宇野さんとの対談です。人間的なプロセスではない作り方でモノがつくられるようになっていき、「モノをつくる」ということが人間の仕事ではなくなったときに、「人間はどう生きればいいのか?どう乗り越えればいいのか」という話をディスカッションされてます。下に貼っているのは、一部 無料公開されているYouTubeの動画です。本編もより突っ込んだとこ話されてて面白かったのでぜひ。

[公開日:2022/12/14]


深津貴之さんと横原大和さんの対談考察

"クリエイティブAIとアーティストの未来を探る。"

雑誌 CGWORLDで企画された、3Dアーティストの横原さんと深津さんとの対談。クリエイターは「どこをAIにまかせて、どこを人間がやるといいのか」という話を、具体的に事例をあげながら話されています。この動画のキャッチにも表示されているドクロのアートを3DモデリングとAIを組み合わせて生成していく過程など、聞いてて面白かったです。

[公開日:2022/12/16]




おわりに

この記事を書こうと思ったのは、VoicyとDIMEが一緒におこなっていた #トレンド大賞2022 という企画がきっかけでした。「自分にとっての2022年のトレンドニュースはなんだったかなぁ」と考えた結果、やっぱり創作系AIだったなと。

今後も実際に、いろいろと新しいAIをさわりながら、この変化を楽しんでいけたらと思っています。もしよかったら同じようにAIを試されている方は、考察をぶつけ合ったり、交流させてもらえると嬉しいです。

堤のTwitterはこちら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?