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2023年4月16日

犬吠埼への旅行中、病院から着信があった。
運転中で気が付かなかった。
子宮頸がん精密検査の結果を予定よりも早く伝えたいとの旨、留守電で確認する。
ああ悪い予感がする。折り返して担当医師と電話で話した。

CIN3(高度異形成)という結果が出ているので4月18日に市立病院で診察、子宮頸部円錐切除手術を受けられるよう手配する。予定を空けるように言われる。

「渡英は見送る必要があります、医師としてはこのまま予定通りに送り出すことはできません。
18日に手術を受けられればなんとか予定の出発日に間に合わせられると思いますが、手術担当の医師のスケジュールや術後の身体の状態にも左右されるので渡英については予定を変更することを勧めます。

延期できるんでしょう?」

誕生日までに渡英しないと私はYMSの対象年齢ではなくなるけど大丈夫なんだろうか?2年間のビザを失うのでは?

矢継早に最悪なことばかりが頭に浮かぶけれど、進めるべきことを進めなきゃいけない。
取り敢えずに母に電話をし、現状の報告。保険のことなど確認。
手術費用や入院費用など、どこまでカバーできるのか確認し折り返すというところで一旦わかれた。

再度担当医師と電話。
18日に手術を受ける意思を伝える。渡英は延期し、健康状態を最優先に考え、基本的に医師の方針に従う姿勢を持つことを伝えた。
「よかった。こちらはもうそのつもりで手配しています。」

その後何度か(多分3回くらい、計5回程)担当医師と電話で話をして、飲んでいるピルの服用を直ちに止めるように指示を受ける。

「子宮頸がんはウイルス性の為、生理を抑えると体外にウイルスを排出する自然な力が弱まります。生理を抑制することはおすすめしない。そのせいで病状が悪化したということを断言するわけではないけれど。
貴女が今飲んでいるピルは薬の性質上、こういった状況でなかったとしてもお勧めはできないから。」

担当医師が私に伝えようとしていることは終始理解できた。
指示を受け取って、その日から服用をやめることを明瞭に伝えた。


そもそもピルを飲み出した理由を思い返して少し馬鹿らしくなる。


この時、私は同級生と後輩と3人で車で旅していた。後輩の誕生日のお祝いを目的とした旅行だった。

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病状を宣告されて真っ先に浮かんだのは、これから起こることをできるだけ記録しようということだった。
それは元々、渡英したら文章と写真を毎日発信しようと思っていたことにとって変わった。
特に何も自分に課してはいないけれど(そもそもいつまで続けられるのかわからない)これに取り組むのは

文章を長らく書いていないから(学生の頃はよく書いていた。課題のレポートやエッセイを書くのが好きだった。)、その行為を思い出すという目的が1つ。

誰かの為にという大義はないけれど、もしとても暇で(暇に違いない)こんな拙い文章を読む人がいるのだとしたら、他人の私が経験した人生を覗き見して反面教師にでもしてもらえたら幸いだな、ということが2つ目。

この病気が発覚して予定が変更されて沢山連絡すべき人はいたけれど
その中の誰かに本音を丸ごと話したことがない/話せる人がいない自分に本音を吐き出す場所を与えること、これが3つ目。


他にもいくつも理由なんて見出せそうなものだけど、これはそんな大層な物語にはならない。

つまり自分のために書いてるんだし。

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この文章を書く際に自分に課したルールは3つ。
必ず写真か画像を一緒に掲載すること。
できるだけ毎日続けること。
本音を書くこと。

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というわけで、私の渡英は延期になり、今もまだ神奈川のとある街でパソコンに向き合っている。



27th April 2023



13th May 2023
一部削除


参考
子宮頸がんについて がん情報サービス

子宮頸がん 治療 がん情報サービス

子宮頸部異形成について

ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン


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