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20230620。世界難民の日。

2023年6月20日
世界難民の日

世界難民の日を前に発表された、
UNHCRの年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート2022」では、2022年末時点で、紛争、迫害、暴力、人権侵害により避難を余儀なくされた人は、1億840万人を記録。過去最大の数字となりました。

データのグラフを見ると、2011年のアラブの春をきっかけとする、シリアでの紛争が始まって以降、急激に数字が伸び続けていることが一目瞭然かと思います。

自分自身、難民支援の関わってから、特にこの2011年以降から現在の2023年に至るまで、世界がこのまま壊れてしまうのだろうかという不安と懸念を抱かない日はありません。

今年は、世界難民の日を前に、文京区主催の【見て・聞いて・知る「世界の難民」】にて、関連講演会にモデレーターとして登壇。UNHCR駐日代表の伊藤礼樹さん、ファッションデザイナーで国連難民サポーターの渋谷ザニーさんとの対談でモデレーターを務めました。

ザニーさんは、私が難民支援を始めてから最初に日本で会った、ミャンマーからの難民の方でした(現在は、日本へ帰化)。私が30代、ザニーさんが20代のときから存じ上げてきましたが、今回は久しぶりにイベントでご一緒できて、原点に戻ったような気分でした。

ザニーさんが様々な葛藤を抱えて生きてきたことを見てきているので、今のザニーさんが、本当にポジティブな力と明るさで未来を切り拓いてきたことに胸が熱くなると同時に、話の熱量が上がると、初めて会ったときのような瞳の潤み方をしていたこともまた、様々なことを感じました。

帰りに、ザニーさんがデザインしたブルーのこいのぼりを見に行ったときに、講演会に来てくれていた親子(お子さんは小学生)が難民キャンプテントの展示も観に来てくれて、UNHCRへの寄付も始めてくれていました。思わず「今日はありがとうございました」と話しかけたら「とてもわかりやすかったです!」と笑顔で応えていただけて、嬉しかったです。

過去最大という1億840万人という数字と、伸び続けているグラフを前に、私は一体何ができるのだろかと、例年以上に考えました。その親子の姿を見ていて、私にできることはやはり難民支援を始めた当初と変わらず、ラジオDJとして培ってきたトークの力で、この声で、言葉で、一人でも多くの人に伝えることだと思いました。

ラジオは「みなさん」という多数の人たちに語りかけるのではなく、「あなた」という一人に語りかけるメディアです。その中で生きてきた私は、大きな世間に向かうことよりも、一人ひとりに伝わるように世界の難民のことを伝えていく。それがこれまでも、これからも変わらない、私自身のできる難民支援なのではないかと思います。

世界中のあらゆるところで、難民と呼ばれる状況に置かれている人がいる。
そして、実に様々な方法で、難民支援に携わっている人がいる。
はっきりと目に見える活動もあれば、沈黙を守りながら確実に進めている活動もある。
多岐にわたるそれぞれの行動が、少しずつ現実を変えていく力となり、もはやまったなしとなっているこの世界の状況が希望へ繋がることを、決してあきらめずに、前を向いて願い、私は私の行動をしていきます。

幸いなことに、最初はたった一人で向き合った難民支援も、今では本当にたくさんの大切な仲間がいます。理解をしてくれる人たちが多くいます。

世界は必ず変わる。
人と人は助け合える。
笑い合える。

良き未来を心から願います。


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