アートボード_1

私が自分をデザイナーと呼べない理由

つい先日、スタートアップにCXOが必要な理由 | CXO Night #2  っていう勉強会があってたみたいですね。Twitter のハッシュタグで見てましたが、スタートアップにおけるデザイナーの役割についてあれこれ議論されていてとても楽しそうでした。

私自身、デザイナーという仕事についてしばしば立ち返って考えることがあります。

私は人に自分の役職を紹介するとき「デザインやフロントエンドをしてます」という言い方をします。「デザイナー兼フロントエンドエンジニア」という言い方もしていましたが、最近控えています。

なぜかというと、自分の中で「デザイナー」という言葉の重みが大きすぎて背負いきれないからです。

今日、世間的にデザイナーというと「グラフィック屋さん」とか「見た目整え屋さん」とか「体験考え屋さん」とかそういう認識があると思います(プロダクトデザイナーとか入れだすとキリがないので割愛します)。

「背負いきれない」のは、これらを中途半端にしか出来てないなあという気持ちがあるのもそうなんですが、この気持ちはそれよりももっと別のものから来ていました。

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会社の中のデザイナー

ここで話は変わりますが、 DeNA さんの行動規範に「球の表面積」っていうのがありました。

よく会社はピラミッド型組織に例えられますが、私は当社を“球体”のように捉えています。イメージとしては、上下のヒエラルキーのない完全な球体。当社では社員一人ひとりがその球体の表面積を担って、陰に隠れる人は一人もいません。

――株式会社ディー・エヌ・エー 南場 智子 |ニッポンの社長 |

この会社を球体に捉えるメタファーを見て、「デザイナーってスライムみたいじゃないとダメなのかも」とふと思うようになりました。

会社には様々な人がいます。とがった才能を持っている人、頑固な人、色々なタイプの社員が集まって球体をつくっています。

すると当然、価値観の違い、認識のズレ、コミュニケーションエラーといった、ギャップや摩擦が生じます。

そこでスライムみたいにそういうギャップや摩擦をなくすことができる人が、真の「デザイナー」なのかなあと思ったわけです。

スライム型デザイナーに必要なこと

そういうデザイナーになるためには何が必要か、スライムになぞらえて考えてみました。

・柔らかさ
・粘り強さ
・広く渡りきること

柔らかさ

頭の柔らかさ・物腰の柔らかさなど、多様な価値観を受け入れてそれを皆に伝えきる能力が求められると思います。頑固だったり人にものを伝えるときにトゲがある人などは向いてないかなあと感じます。

粘り強さ

人と人との間に立って目標を実現するために、人を粘り強く説得できる我慢強さが必要です。大きな企業になればなるほど、思い通りにならないことが多いと思うので、よりその素質が求められるかと思います。

広く渡りきること

デザインが関わるべき領域は広すぎるので、デザイナーも横断的に組織に関わっておく必要があります。人との関わりはもちろん、深くはなくても広い知識を身につけることが求められると思います。

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ハードルが高い

ということを考えると、自分をデザイナーと呼ぶのはおそれ多いなと感じるようになりました。。

私は beigie さんのブログ記事で紹介されていたデザイナーのカテゴリーでいうと、挑戦的でちょっと感覚寄りの「理想実現型」でチームプレーがそこまで得意ではないタイプだという自覚があります。

そういう性格なので本気で「広く渡りきろう」とするとストレスが溜まってしまう気がして、「ああ、自分ってデザイナーには向いてないのかな...」と感じてしまいました。

ただ、「デザインはデザイナーだけに任せるには重要過ぎる」という言葉があるように、デザイナーかそうでないかを考えること自体ナンセンスなのかもしれません。うまくいってるチームは「チーム全員がデザイナー」みたいな話も聞きますしね。

とりあえず小さいこと、チームメンバーのやる気をなくさないようなちょっとした気遣いとかから始めてデザイナーに近づきたいなあと思っています。

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