見出し画像

帰省中に地震に遭い、今思うこと。

2024年1月1日午後4時10分。
能登にある実家に妻、息子と共に帰省中に大きな地震に遭いました。警報アラートに目が覚め、なかなか眠れないままこの文章を綴っています。

石川県は地形的には北部の能登地区、南部の加賀地区に分かれ、さらに能登地区は北側から奥能登、中能登、口能登と呼ばれます。
今回一番の被害が出ている珠洲市や輪島市があるのは奥能登です(自分の実家は口能登にあります)。これらの街まで走っていた鉄道は20年近く前に廃線になったため、交通手段は専ら車です。

中能登の中心、七尾市までは鉄道が走っていますが現在復帰の見通しは立っていないようです。そのため金沢方面から向かうには車しかないのですが、中能登から奥能登に繋がる道は道路が寸断され、ごく限られた道路しか通行できない状態です。 

昨日の夕方、兄家族を大阪に帰す為に車で金沢駅まで送りました。その途中で救護、支援に向かう数多くの警察車両とすれ違いました。

被災地に赴き、独自に支援活動を開始しようと考えている方もいる事と思います。そのような人たちに今お伝えしたいのは、もう少し状況が明らかになり行政側からゴーサインが出るまで動き出すのを待ってほしいということです。

金沢と能登を繋ぐ、のと里山海道という自動車専用道路がズタズタになった現在、これらの地域に向かうには限られた幹線道路しかありません。そこをみなさんが利用すると確実に警察や消防、自衛隊の方々の活動の妨げになるのです。

金沢駅から輪島市まで約120km、珠洲市までは約140kmあります。これは東京駅から静岡県の伊東市、大阪駅から徳島県の鳴門市、博多駅から長崎市への距離に近いです。そんな距離を繋ぐ僅かな道路を塞がないでほしいのです。

距離だけの問題ではありません。能登は元々宿泊施設が少ない上に、今回の地震で被災したり停電、断水しているところが殆どです。
これからの時期、日中は10℃に届かず夜は0℃付近まで下がります。先ほどから雨が降り出しました。そのような中で健康を保ち活動するのは難しいのではないでしょうか。

今まさに被災地で耐え忍んでいる人のことを思うと1秒でも早くアクションを起こしたい気持ちは皆同じです。しかしヒーローになろうとしないでください。支援には色々な方法があります。今できる最善の事は何か、冷静に考えてほしいです。

偉そうな事を言ってすいません。
能登に生まれ、育った者の意見の一つとして聞いて頂ければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?