ボツ企画シリーズ②ヤリチンクソ野郎、地球を救う

ボツになった企画書シリーズ。ボツになったけど、わりと頑張ったので誰かにみせたくて投稿します。

OKになる場合でも書き方自体はこんな感じなので、
企画書ってこんな感じなのかー、と思う人の参考になれば幸いです。

新作企画書
制作 喜友名トト
タイトル案
:ヤリチンクソ野郎、地球を救う

概要
:イケメンでヤリチンなチャラ男が、地球を侵略しに来た異星人の美少女を一晩で惚れさせて地球を救う話

あらすじ
:イケメンでヤリチンで筋金入りの女好きな大学生レイジは、夜の街で男たちに追われている美少女リルルに出会う。美少女のルックスが好みだったことから、レイジは彼女の手を引いて走り出して男たちを巻き、少し落ち着いたところであらためてリルルを口説き落としにかかる。その会話のなかでレイジはリルルが追われていた理由を尋ねると、リルルは答える。

「自分は異星人であり、地球人類の価値を見極めるために使わされた諜報員である。その期限は明朝、この星の人類に生存の価値無しと判断した場合、全人類を殲滅する予定となっている。さきほど自分を追っていた者たちは地球側の対異星人特殊部隊であり、私を殺すつもりである。だがそれは無駄である。私が死んだ場合、自動的に地球人類への攻撃が開始される予定だ」

 リルルの告白にレイジは呆気にとられ、もちろん信じることが出来ず、リルルのことを「妄想癖のある不思議ちゃん」と判断すると、彼女の手を取り、いつものような軽口で「じゃあ俺が君を守ってみせるし、恋を通して地球人類の素晴らしさを教えてあげるよ」と答える。
 リルルはこれに対して、笑み、「そのようなことが可能であれば、地球への攻撃は停止させる。そして、何故か自分はそれをあなたに期待している」と答える。
※この際、リルルはレイジに対して未知の感情を覚える(恋愛感情の芽生えはじめ)
※また、レイジはリルルが一瞬だけ見せた微笑みに惹きつけられる。

 その後、リルルの生い立ちなど(銀河諜報員として生きてきた辛く冷たい過去)などを聞きつつ、レイジはリルルを連れてラブホテルに移動しようとするが、途中で街のチンピラに絡まれる。対応に困ったレイジだったが、リルルは超科学兵器を宇宙空間から転送させ、それでチンピラたちの乗っていたバイクを一瞬で粉砕したうえに彼らを叩きのめす。

 その様子からリルルの言っていたことが真実だったと理解したレイジはパニックになりかけるが、そんなレイジの様子をみて、リルルがほんの少しだけ寂しげな顔をみせる。それに気が付いたレイジは女好きのイケメンチャラ男としての意地によってある決意をする。「この俺が、このどこか寂しげな可愛い子を一晩で落として性的な意味で幸せにする。そうすれば地球人類の価値を教えることが出来るからついでに地球も救う」と。

 その後、対異星人特殊部隊やさきほど叩きのめしたチンピラのバックであるヤクザに追われつつ、レイジとリルルは夜の渋谷で逃避行を繰り広げる。途中バーガーショップで食事したり、ラブホテルできわどい状況になったりしつつ、様々な話をして距離が縮まっていく。また、渋谷で暮らす様々な人たちの描写を挟む(地球人には色々なヤツがいて、ダメなところもあるけど皆精一杯生きているという伏線)

夜明け目前になり、対異星人特殊部隊とヤクザ、両組織に追い詰められるレイジたち。二人は渋谷に建築中のビルに忍び込み、屋上へと逃げる。(この屋上は、レイジのお気に入りの場所だということを前段で示唆しておく)

朝日が渋谷を照らしていき、その光景を二人で眺める。眼下を行くたくさんの人たち、太陽に照らされて目覚める街。逃避行の途中で出会った人たちも懸命に暮らす世界。レイジは心から、「この星も捨てたもんじゃないよ」と呟き、リルルがなにか答えようとしたところで特殊部隊が屋上へやってくる。

もう時間がないため、特殊部隊はリルルに銃を向ける。しかしレイジはリルルを抱きしめ、銃に背中を向ける形で彼女を庇う。撃たれかねない状況でレイジはリルルに想いを告げ、朝日の中で彼女にキスをする。リルルはキスを受け入れる。次の瞬間、リルルは空からの光に吸い込まれて消えてしまい、特殊部隊やヤクザたちは気絶、しかも記憶も失っていた。リルルの母星の宇宙船がやってきて、それをやったのだ。

後日。地球人類は今日も生きている。レイジはリルルが人類の価値を認めてくれたんだな、と理解する。かくして、人類でただ一人しか知らない地球の危機は去り、ヤリチンクソ野郎は人類を救ったのだった。
レイジは、「俺は宇宙飛行士になる。そしてリルルにもう一度会う」と決意して、その第一歩として真面目に大学に行く、とそこにリルルが。彼女は言う。「もう少し地球人のことを知りたくなったので、留学に来ました」

登場人物
主人公:レイジ
:イケメンで軟派で軽薄なチャラ男大学生。非常に女好きだが、女の子に優しく、傷つけるようなことはけっしてしない。そのためとてもモテるが、特定の恋人はいない。やっかみ交じりで「ヤリチンクソ野郎」と呼ばれているが、モテることに命を懸けている本人はむしろそれを誇りに思っている。可愛い女の子はぜんぶ好き、というスタンスだったが、作中でリルルのことを本気で好きになる。モテるため=カッコよい自分であるための努力を惜しまない男であり、そのため、高偏差値の大学に通っており、運動能力も高い。
 
ヒロイン:リルル
:無表情系でどこか儚げな美少女。で、ありながら地球人類殲滅を検討している異星人兵団の諜報員。幼い時から諜報員として育てられており、かつ異星人であるため一般的な常識に欠け感情表現が苦手。レイジとの逃避行のなかで、暖かい感情を始めて覚えていく自分に戸惑いつつ、レイジに恋をしていく。めったに表情を変えないせいもあり、笑った顔が大変印象的で可愛らしい。

作品の狙いと売り
:ライト文芸としてはかなり攻めたタイトルで『これどういういこと?』と手にしてもらうキャッチーさを狙いつつ、タイトル通りの内容で読後感を良くする。
 
:物語は一晩の出来事のみを書くため、章ごとに時刻を表示し、アメリカドラマの「24」的な臨場感とスピード感を演出しつつ、主人公とヒロインの恋愛感情が高まっていくところを劇的に描ける。
 
 
:「女の子の手を引いて大人たちから逃げる」「女の子との関係が世界の運命に直結する」という新海誠的セカイ系の話を、ちょっとバカバカしく軽く書くことで読みやすさの向上を図る。


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