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【ソシガヤ格闘記・第6週】コントロールから生まれない糊代を大切にしたい。

こんにちは。初めまして。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科修士2年、
休学中の吉田凌太(よしだりょうた)といいます。

昨日は移動をテーマにしたプロジェクト会議を開催しました。
モヤモヤや事例、これまでの経緯を踏まえて、どのような議論がなされてきたのか、整理したいといった思いで急遽開催しました。急遽だったこともあり、不安もたくさんでしたが、開催した意味が十分にあり、予想以上に色々な意見が出た回でした。格闘だらけでした。
加えて、今回は試験的に以下のことにも挑戦。

  • オンラインと対面での同時配信

  • 事前インプット情報の共有

  • スライドを作りすぎない

  • 話の流れの具体性を深めすぎない

  • 事前の流れ想定をしすぎず、ファシリテートしようとしない

これまでの司会のやり方・スタンスを変えようとした上、会議自体も設計しようと欲張った結果、かなり疲弊しました。一番の反省は、一人で抱えすぎてしまったこと。もちろん事前に内容をお伝えはしていたものの、もっと運営側の流れを整理して、事前にいってほしいことをアシストしてもらってもよかったなと反省しています。

テーマは移動。移動自体、かなり意味を含む中で、どんな話が出てくるのか、そこからどんなテーマに移るのか、流れに身を任せました。
自分の悪い癖として、全てをコントロールしようとするところがあります。
こうなったらこうなるだろう、ああなったらこうなるだろう、という経験則にもどつく、話の誘導を自然としてしまいます。このスタイルは楽なのですが、話の可能性が一気に狭まる危険があります。そういう意味で、少し辛かったですが、時々無言になる時間があったり、その中で時間をかけて発言する時間が生まれたことが、思考している証拠なのかなと身をもって思ってます。

移動というテーマに参加者も最初は戸惑っていた感じがします。
かなりざっくりですし、いざ考えるとなかなか出てこないものです。それも参加者の中で抱える目線が異なるため、一括りのテーマで話すことは困難です。会議の中で以下のコメントが出てたのも、印象的でした。

自分が移動する際に、どんな主体なのかによって、感じていることは違う。例えば自転車に乗っているときには早く移動したい、歩行者どいてくれ、と思ってしまうが、歩行者になると自転車危ないと思ってしまう。

事実、どのスタンスを取るかによって、考えることも変わってきますし、その点何を増やしたいかを明確にすることも大切になります。

また移動以外の文脈の話が結構出てきてたのも印象的でした。

  • 特に祖師谷では、自転車で買い物に来る方が多く、自転車を停める場所がもっとあれば歩行しやすさも改善するのでは?

  • 歩行する中で休める場所、座れる場所がないので、歩いていると疲れる。

  • 自転車の放置に関して、特定の店舗に対する呼びかけが弱いため、訴求力が足りない。

などといった話があがりました。

振り返って見た時に、移動すること自体への議論はあまりなかった感じがしました。特段今回は商店街を移動すること、に重きが置かれた議論になりました。ただ商店街に移動しないという選択肢を作ること、これも選択肢の一つになるかもしれないです。

移動しやすさを改善する、といった視点以外にも以下の捉え方も可能です。

  • 人が移動する場所が重複しないように、移動する時間帯、場所を分散させ、渋滞率を下げることで移動しやすい環境を作る。つまり場所自体を分散離散させ、人がその場所に合わせて移動する環境を作る。

  • 自動車と歩行者の衝突が最大の問題と仮定するなら、歩行者が移動したいと思えるモチベーションを作ることが大切になる。そのために、歩行者が心の底から歩いてみたいと思えるようなPokemon Go現象、ないしは、居場所を作る。

いくつかのアプローチが可能な気がします。自由に議論を泳がせてしまった反面、少し事前にバイアスもかかってしまった回でした。その場に住んでいる原体験から引き出そうとするとなかなか難しいもんです。

でもこれまでの動きや、みなさんの考えを色々聞けたのは何よりの収穫です。目的は十分、いやそれ以上に達成できた会となりました。ここからはどこかしらの焦点を絞りつつ、目の前のシチュエーションが見える段階まで深さを追求していこうと思います。

また今回はみなさん外出できている方が多い中で、本当に困っている人はどう思っているのか、果たしてその人たちが外出することを求めているのか、という視点が圧倒的に欠けていました。その点は巻き込んでいきながら、対話することでしか分かりません。

いくつかの反省を生かし、また来週も頑張ります。 


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