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折り鶴手ぬぐい

 お世話になった方に、何か差し上げたくて、プレゼントを選びに広電宮島線上り電車に揺られて市内中心部まで出かけた。つい最近まで、車内は外国人観光客で溢れかえっていたのに、桜の季節も終わりゴールデンウィークが開けた今は閑散としている。一階が物産館になっているおりづるタワーも、ガラガラだった。人混みが苦手なので、今まで避けてきたスペースである。広島名物と言えば、牡蠣、もみじ饅頭くらいしか思いつかないのだが、瀬戸田レモンのお酒や、犬用もみじ饅頭があるのには驚いた。
 その中で私にとって一番魅力的だったのは、折り鶴手ぬぐいである。世界中から広島平和記念公園に贈られた折り鶴を繊維に再生し、製品の一部に使用して製造されたものらしい。平和公園の原爆の子の像に捧げられた大量の折り鶴はどうなってしまうんだろうと、子供の頃から気になっていた。調べてみたところ、次のようなことがわかった(中国新聞オンラインによる)。 

 折り鶴を管理しているのは市平和推進課で、毎年国内外から10トン前後、約1300万羽が寄せられ、かつては廃棄していたが、2002年度から保存し、12年度からは再生事業を始めた。希望する個人や団体、企業に無償で配り、折り鶴は全て再生紙などに活用される。
 
 平和の祈りを込めた折り鶴から生まれた手ぬぐいは、使う人の元に幸福と平和をもたらしてくれると信じて、私はそれを買い求めた。

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