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『きぞけん』のはじまり


『きぞけん』のはじまり

きぞはるです。

ジャグリング特化型けん玉『きぞけん』が完成しました。
これで僕の初めてのけん玉作りは最初のひと段落を迎えました。
しかし僕にとって完成は終わりではなく、始まりなのです。
『きぞけん』がめちゃくちゃいいけん玉であることを、多くの皆さんから聞いております。けん玉に関しては企業所属のプレイヤーの方が多いので、名前は出せないのですが、上位勢がこぞって太鼓判を押してくれているようです。
きっと『きぞけん』を使ってもっと良い技を作ってくれるでしょう。そしていつか『きぞけん』に物足りなくなるでしょう。
そして僕はまたけん玉を作り直すのです。
僕は『きぞけん』を完成させたことで、"人生でけん玉を作り続ける"というスタートラインに立つことができました。


しかしここまでは今日の本題ではありません。
いつものことですが、僕一人でジャグリング道具を作れるわけありません。
今回もまた、多くの人からのサポートを頂いております。

ここでは開発に協力して下さった皆様にお礼を言う場を設けさせて下さい!
特に強く協力を頂いたお三方にお礼を申し上げさせて頂く形になりますが、それ以外にも開発期間中意見を述べて頂いたすべての方に感謝しております。



Georgeさん

まず初めに、Georgeさん(マラバリで糸なしけん玉をされていた。)
最初は彼がきっかけでした。
けーすけ君が使っているシェーカーカップ『きぞはい』が音がとても静かで、同じように静かなけん玉を作れないか。夜家でも練習がしたい。
とのDMを頂きました。(2019年)
その時は見様見真似でけん玉を作ってみて。まぁしょぼいものでしたが、夜も練習ができる静音性というのは一応クリアしていたので、しばらく愛用してくれていたようです。
始めて横浜の社会人大会でお会いし、手渡しした日のことを覚えています。

しかし、当時の僕のジャグリング道具作りレベルが低く、いい感じのけん玉は作れませんでした。
僕は、Georgeさんに言いました。デビルスティックとクラブを作りたいと思っていて、それらが完成したらその技術フィードバックでけん玉を作れるようになると思うと。
そして時は流れます。

余談ですが、この時のけん玉を作りの最初の苦悩を通じて、僕のジャグリング道具作りの価値観は大きく拡張され、転換点を迎えています。
これはけん玉を超えて、他の道具作りにも反映されています。
Georgeさんなくして、今のきぞは工房はなかったとも言えるかもしれません。



なつきさん

ざっくり3年くらいたちました。デビルとクラブが完成しました。
そんなさなか、なつきさんから糸なしけん玉作ってくれませんかと、改めての話がありました。(2023年)
デビルとクラブが完成したこともあり、2023年のきぞはるはけん玉を作るレベルに到達しているのか。
初動こそダメでしたが、1か月ほど3DPでけん玉を作る練習をすると、作れるようになりました!
1か月でけん玉の様なとても難しい形状を印刷できるようになっている。自分の成長に驚きました。

またその時、なつきさんはじゃぐりサマーという大会を企画しておられました。間に合ったら『きぞけん』でフリパくらいは出たいな~というありがたいお言葉を頂き(使ってくれるの嬉しいもんね)、超スピードの開発が動き出しました。

なつきさんが、関東糸なしけん玉練習会の主催をしているということもあり、多くの方々に効率よく・定期的に触って頂く機会にも恵まれました。
また同時に、関東糸なしけん玉練習会にて、意見を下さった皆様ありがとうございます。
練習会をオンラインでつないで頂き、現地の方々と直接話をさせて頂きました。
その場で出来そうなことや意見をカメラですぐに共有頂きました。
勝手こんなに喜ばしい、情報共有案を提案して頂いたことはありませんでした。
彼女自身が多くの練習会に出入りしていたようで、多くのジャグラーに触らせてくれていること。
また良くある問題として、女性って小柄だからサイズどうなの問題に踏み込めた事。
彼女に対しても、本当に多くの感謝があります。
この場を借りてお礼申し上げます。



下山さん

最後は下山さんです。
僕はちょっと下山さんにひどいことをしてしまったかもしれない。
(常々謝罪はしてるし、許してはくれている)

『きぞけん』進捗の90%くらいまでは、さきほどのなつきさん含め結構みんなで意見を交換しながら進められたと思っていますが。
僕的に最後のツメの部分って本当に面白くないんですよ。
細かな取りこぼしの確認や、あれもこれも考えなきゃいけないのに、取捨択一を迫られたり。
やっぱり、動き出しから、形になってきたぞ!ってところまでは楽しいんですけどね、完成直前が一番きついし楽しくないし。完成直前の意見だったら責任だって発生する。
結果的に一番きつい部分を、全て下山さんに被せてしまいました。

またそれだけではなく。
僕は無職なので1日中けん玉作りに向き合うことも可能ですが、下山さんはサラリーマンです。
僕からの高頻度の開発相談に、高頻度かつ速攻で返事をくれる。(下山さん自身で結論を出せるからタイムラグが無い)。寝なくていいのか?と思うような時間でも帰ってくる等。
じゃぐりサマーに間に合わせたい!JJFに間に合わせたい!という気持ちで僕は焦っていましたが、この部分もかなり下山さんに負担をかけてしまったなと思います。本当にありがとうございます。

ただ下山さんの開発協力能力はとんでもなかったです。過去一だと思う。
下山さんは、①これから何の技ができたらいいのか ②どういう構造にすればその技が実現可能なのか ③自力で技がちゃんとできる
これらをすべて兼ね備えていました。

特に②どういう構造にすればその技が実現可能なのか ですね。
他の道具の開発は、○○の技を実現するために、どうすればいいのかをきぞは工房開発メンバーで唸りながら試行錯誤していました。
下山さんは、○○の技を実現するために、こういう形にしてくれと直球で指定ができるので。だからこそ最終盤の細かくめんどくさいブラッシュアップを素早くこなせたと思っています。

また自分の技だけでなく、今ある既存の技がすべてできるように考慮する。少なくとも身の回りのかかわりのある人がやっている技を全て考慮する。
その姿勢はとても素晴らしいと感じさせられましたし、これはちょっと並の人間にはできない。

以下は下山さんとのやり取りの一部ですが、本当に感動しました。

糸なしメンバーの動画、ルーティン、大会全部チェックして、みんなが平均して使いやすいけん玉に設計しました。
YouTubeに糸なしけん玉の動画は130本近くあり、全部見ました。
大けん玉も4メーカー新たに買い、形状の研究もしました。

いいけん玉が作りたいと言っても、これだけのことを自発的にしてくれています。
この熱量もまた常人にはまねできないと思います。
いいけん玉を作るためのこの熱量。僕は本当に下山さんが協力してくれたことを誇りに思います。
こういう相手となら、僕はどんな道具だって作りたい。

いいけん玉が作れたなぁ。というより、そんな下山さんの配慮が行き届いたけん玉だったからこそ、この圧倒的な支持は約束されていたものだったのかと。怖ろしくも感じています。

下山さん、最後の一番きついパートで振りまわしてしまったこと、また僕の開発ペースについてきて下さったこと、本当に感謝しています。
ありがとうございます。



以上で、『きぞけん』完成にまつわる僕の挨拶を終わらせて頂きます。
開発に応援をして下さった皆様、本当にありがとうございます!

以上





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