氣づきの国語辞典「ホコ」編
鉾→ 弥生時代に銅製品が大陸から伝わった際に入
ってきた袋穂を持つ両刃の長柄の武器。鋭い細形
の狭鋒銅鉾,祭祀儀器としての広鋒銅鉾が作られ
るようになった。 鎌倉時代以降は実戦に用いら
れず,祭祀用となった。
山鉾→ 神霊の依代(よりしろ)で、祭礼の神幸のと
きに引き出される。山は曳山(ひきやま)や山車(だ
し)ともいわれるが、人形を飾って囃子(はやし)の
人たちが乗り、曳子が綱で引く屋台のことであ
る。それに対して鉾は屋台の上に立てて飾るもの
。神霊がこれにのりうつり、村や町を巡幸し、氏
子の生活を見守るためのもので、神輿(みこし)の
御幸(みゆき)と同様の意味がある。
京都の祇園(ぎおん)祭の山鉾巡行や岐阜県の高山
祭など著名で大掛りなものも多い。
矛→ 「長い柄の頭に鋭い刃をつけた武器」の象形
から「ほこ」を意味する「矛」という漢字ができ
た。
伊弉諾尊・伊弉冉尊の二柱の神様が生まれたばか
りの混沌とした大地を天沼矛で
「塩コオロコオロ」と掻き回すと、矛先から滴り
落ちた塩の雫が固まって「おのころ島」ができた
と記されている。
二柱の神様が沼矛(ぬぼこ)で下界を掻き回し、落ちた塩の
雫からおのころ島が生まれた描写は、「海人(あ
ま)」が生業とした塩づくりと重なる。また、沼
矛で掻き回すことで下界が渦巻く場面は鳴門海峡
の巨大な渦潮が思いつく。
淡路島には沼島(ぬしま)という島がある。
淡路島の太平洋側に浮かぶ小島で、上空から見る
と勾玉の形をしている。
沼島の「沼」は国生み神話の「沼矛」に由来する
といわれている。
また淡路島の北端には絵島もあるが、長年の風波
に洗われ描き出された造形美に人々はおのころ島
をこの島に見立ててきたとしている。
魅力たっぷりの淡路島。また行きたくなってき
た。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?